フレデリックのオドループの中毒性がもうほとんど電子ドラッグの域。

フレデリックのオドループの中毒性がもうほとんど電子ドラッグの域。

サイケともとれる独特の空気と、着実な演奏力でじわじわと人気を伸ばしているバンド、フレデリック。
このまま手堅く実力と支持を育んでいくかと思っていたが、先日リリースの新曲オドループで、そのポテンシャルを、人気を爆発させつつある。
今回はこのオドループを中心に彼ら、フレデリックについて書こう。

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このオドループという曲、隙がない。
売れる要素に溢れている、というより売れない要素がない。
手垢にまみれた表現だが、”中毒性”という言葉が似合いすぎる楽曲だ。
ではさっそく一つ一つ見ていこう。

 

繰り返すサビ

再三に渡って言っていることだが、昨今の邦楽ロックのヒットソングのサビは必ずと言っていいほど繰り返す。

しつこいくらいに同じ言葉をメロディを繰り返すことで、聴く者の頭にフレーズを植え付けてしまうのだ。

催眠術師として生計を立てているらしい、僕の知人の中で最も胡散臭い男が言っていたが
「同じ言葉を一定のリズムで聴かされるとトランス状態に入る」
らしい。要するに脳がガバガバになるそうな。

 

先日語ったゲスの極み乙女。やクリープハイプ等、メジャーシーンを牽引するバンド達は言い出せばキリがないほどにこの手法を駆使している。
しかし中でもフレデリックの使い方はメロディのキャッチーさと相まってその効用を最大限に引き出せていると言える。

 

裏打ち

これも再三だ、ダンスビート、卑怯ドラムというやつだ。
概要についてはこの記事を見てもらえるとわかりやすいと思う。

これが上記の”繰り返すサビ”との相性が抜群なのだ。カツとカレーみたいなもんだ。

にしてもカツカレー。こんな卑怯なメシ他にはないと常々思っている。
カレーとライスの親和性、魅力については論を俟たない。西遊記以来のインドと日本の間で生まれた奇跡だという事に異議を唱える予知はない。だがそこに洋食の急先鋒であるところの”カツ”、こいつをブチ込むなんざてんで正気を保った人間のすることじゃないだろう。一歩間違えば皿の上で日印戦争勃発待ったなしの案件だ。しかしこれだから世の中はコクに満ちているというかなんというか、カツとカレーのシナジーもまた、”最高”なのだ。カツを駆使した料理の欠点として、損なわれるカリッとした衣の歯ざわりが挙げられるが、カツカレーはその工程の最後にカレーとカツが初めて触れ合うことによってこの不可能と思われた命題をクリア、その潜在能力を最大限に引き出している。そして本来薄味であるが故に、ソース等の調味料を必須とするカツが、カレーという”味の鬼”と手を取り合うことによって”ちょうどよく”なるのだ。こんな卑怯な組み合わせ、あって良いわけがない。そしてダンスビートについて書くことがない。

 

言葉回し

わかりやすく共感しやすい歌詞、または複雑で暗喩を多用した連想を促す歌詞、というのが今の邦楽ロックには多いが
フレデリックはあえて、理解困難で語感を重視した歌詞を持ってきた。
“踊る”という言葉にフォーカスを置き、何度も何度も繰り返すことで、その中毒性に拍車をかけている。
難解珍妙、だが頭に残るフレーズを上手く操るフレデリック節が見事に機能している。

 

シンプルな展開

Bメロなんかしゃらくせえ、と言わんばかりの
イントロ ブリッジ コーラスのシンプルな展開。

確かにBメロで一旦曲を停滞させることでサビの盛り上がりを際立させることはできるが、曲の要素が増えてしまい、覚えてもらい辛くなってしまう。
その点オドループのこのスピード感、4分22秒の間に簡単に覚えてしまうだろう。

あと余談ではあるが、最近はYoutubeやストリーミングなどで簡単に曲を聴ける環境が整っているので、初めて聴く曲を律儀に最初から最後まで聴く人はかなり少なくなっているように思える。
場合によっては飛ばしてサビだけ聴く、なんて人もいる程だ。
そうなってくると素早い展開は強力な武器となってくるのではないだろうか。

 

MVにかわいい女の子

正確に統計を取っているわけではないので確信はないが、売れるバンドのMVには可愛い女の子が出てくることが多いように思える。
個人的にはショートの女の子の方が好きだ。無表情で蹴られたい。

このMVを見て思い出されるのは、ふしぎなおどり で当時話題となったフジファブリックの銀河のMVだ

 

MVなんか音楽とカンケーないじゃん。と思われるかもしれないが、楽曲を広めるためにはビジュアルも重要なファクターだ。
ついつい見てしまうMVを作れば、結果的に音楽も最後まで聴いてもらえるのである。
そして視覚効果があるとやはり記憶に残りやすくなる。

オドループのMVに関してはあのヘンテコリンなダンスまで繰り返しプッシュしてくる。
そりゃもう覚えてしまうだろう、忘れられないだろう。

中毒性

どうだっただろうか
きっとこの記事を読みながらMVを見る事で脳をやられた中毒患者がまた数名増えたことだろう。

上記の内容を総合して、驚異的な中毒性を生み出しているオドループ。もうほとんど電子ドラッグの域だろう。
MVの話題性もバッチリ、これが人気が出ないわけがない。

バンドに於いて”キラーチューン”と言うのは生命線とも言える。
どのバンドも、斜に構えず聴いてみたら案外良かったりするものだが、星の数ほどいるバンド達の中から見つけ出して聴いてもらうためにはとっかかりとなる曲が重要になってくる。一つの曲でそのバンドの命運が決まることだって少なくない。
その観点から言えば、オドループはフレデリックの人気を爆発させるに足るコンテンツ性を持っていると言える。

9月24日のリリースが楽しみだ。

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