記事入力 : 2014/09/12 21:18 / 記事修正 : 2014/09/14 15:12
慰安婦:塩野七生氏「繰り返せば自ら信じるようになる」
『ローマ人の物語』書いた有名作家
文藝春秋に強制動員を否定する寄稿
元慰安婦による証言の信ぴょう性に疑問
「『慰安婦』ずいぶんと優しい名」
韓国にも読者を多く持つ日本人作家の塩野七生氏(77)が旧日本軍の従軍慰安婦強制動員を否定する文章を月刊誌「文藝春秋」に寄稿した。塩野氏は1964年にイタリアに渡り、独学でルネッサンスやローマ史を研究した。『ローマ人の物語』『わが友マキアヴェッリ フィレンツェ存亡』など多くの歴史書を著しており、韓国でも翻訳・出版されベストセラーになった。
同氏は元慰安婦の証言について「人間には、恥ずかしいことをしたとか悪いことをしたとか感じた場合には、強制されたのでやむをえずやった、と言い張る性向がある」「それをくり返して口にしているうちに、自分でもそうと信じきってしまうようになるのだ」と主張した。また、「だから、彼女たち(元慰安婦)にくり返して質問をぶつけても、それ以上の事実は出てこなかったろう。泣き叫ばれるか、馬鹿にするなと怒り狂われるかして、終わっていた可能性のほうが大きい」とも書いている。
塩野氏は、慰安婦問題を集中的に報道した朝日新聞に対し「(朝日は)自分たちの行為(報道)が以後の日本にどれほどの悪弊をもたらすかも考慮せずに突っ走った」「従軍慰安婦問題とは近年とくに、日本に住んでいる日本人が考える以上の大きな問題になりつつあったのだ。アジアの国々にかぎらず、ヨーロッパやアメリカの人々の関心までも引くほどになっていたのだから。この変化は、いずれは手術が不可欠になる、と思わざるをえないくらいに」としている。
朝日新聞が先月、「慰安婦を強制連行したと主張した吉田清治氏(故人)の関連インタビューを裏付ける証拠はない」として該当記事を取り消したことについて、同氏は「朝日の“告白”から始まったこの(慰安婦問題と関連する)事件を外国の、それもとくにアメリカ合衆国の空気の流れを変える好機にできるか否かは、われわれ日本人にかかっている」と書いた。また、「それは、関係者(朝日新聞や慰安婦の強制動員を認めて謝罪した河野談話の発表にかかわった自民党の政治家たち)全員の国会への招致だ。そこでの展開のすべては公表し、国会中継と同じやり方でテレビでも放映する」べきだと述べた。
また、塩野氏は朝日新聞の記事を引用、「インドネシアや中国など日本軍の占領下にあった地域では、弊紙が現地の女性を無理やり連行し、慰安婦にしたことを示す供述が、連合軍の戦犯裁判などの資料に記されている。インドネシアでは現地のオランダ人も慰安婦にされた」という同紙の主張を書いている。
だが、このオランダ人女性の強制連行事件について、塩野氏は「オランダ人の女も慰安婦にされたなどという話が広まろうものなら、日本にとっては大変なことになる」「『うみを出し切る勇気』(再調査や関係者の国会招致)は、自民党に対しても求めたい」「慰安婦という言葉を眺めながら、誰が名づけたのかは知らないが、ずいぶんと優しい名をつけたものだと思った」「『慰安』という言葉を辞書で引くと、『労苦を慰めること』とある。それで従軍慰安婦という言葉が日本語以外の他の言語にあるのかと探したのだが、これに該当する後を見つけることはできなかった」「ないからこそ英語に訳すとなると、『セックス・スレイブ(sex slave=性奴隷)』となってしまったのだろう」とも書いている。
東京=車学峰(チャ・ハクポン)特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連ニュース
国際の最新ニュース
- 慰安婦:塩野七生氏「繰り返せば自ら信じるようになる」 2014/9/14 15:12
- 「吉田調書」誤報の朝日に各紙がこぞってバッシング 2014/9/12 20:39
- ソウルで韓中日協力をテーマに学術会議 日本大使も出席 2014/9/12 17:52
- 在日弁護士協会 日本政府に排外主義の撤廃求め声明 2014/9/12 17:51
- 韓日高官が協議 慰安婦問題などの懸案議論 2014/9/12 14:22