記事入力 : 2014/09/11 10:58
韓国人狙った犯罪、フィリピンが中国抜き1位に
昨年の犯罪発生件数、フィリピン780件
現地に住む韓国人急増、治安やインフラ整備に遅れ
警察は腐敗、違法な拳銃も各所に
韓国外交部の対応も消極的
韓国人を狙った犯罪の発生件数が最も多い国はフィリピンであることが分かった。これまで韓国人が最も多く被害を受けていた国は中国だった。
野党・新政治民主連合の辛鶴用(シン・ハクヨン)議員が10日に外交部(省に相当、以下同じ)から入手した資料「在外国民事件・事故の現状」によると、昨年、海外で韓国人を狙った犯罪が最も多かった国はフィリピンで、発生件数は780件に上った。2位は中国の598件。2012年は中国が759件で最も多く、フィリピンは628件だった。これまでフィリピンでは韓国人を狙った犯罪が特に多いといわれてきたが、今回これが数字で立証されたのだ。
資料によると、昨年フィリピンで発生した韓国人を狙った犯罪の内訳は、殺人13件、強盗12件、窃盗678件、拉致・監禁9件、暴行傷害12件だった。これに対して中国では殺人5件、強盗2件、窃盗56件、拉致・監禁45件、暴行傷害90件だった。警察庁外事局の関係者は「中国では治安が安定したこともあって、12年よりも犯罪は減少した」とコメントした。
フィリピンでは今年すでに8人の韓国人が殺害されている。4月にはアンヘレスの韓国人街で風俗店を経営していた現地在住の男性(45)が、屋外の飲食店で家族と食事をしていたところを突然銃で殺害され、2月には韓国人観光客(65)が同じアンヘレスでオートバイに乗った男により拳銃で殺害された。3月には留学生(21)がマニラ市内でタクシーを利用した際に拉致され、殺害された。
韓国外交部と警察庁は、フィリピンで韓国人を狙った犯罪被害が急増している理由として「治安が悪化している状況の中でも、多くの韓国人が現地に滞在しているため」と説明している。フィリピン観光庁によると、現地を訪問する外国人観光客は、2007年以降では毎年韓国人が最も多くなっている。2011年にフィリピンを訪問した外国人観光客の内訳は、韓国人83万人、米国人56万人、日本人34万人、中国人22万人で、韓国人が全体の24%を占めていた。今年も8月29日までの時点でフィリピンを訪れた韓国人観光客は116万5789人と大きく増加している。
7月にフィリピンのアンヘレスに観光で2週間滞在したというサラリーマンのキム・テヒョンさん(33)は「今回フィリピン旅行は3回目だが、治安や現地の人々の感情は非常に悪化している」「5年前に初めてここに来たときは、一人でオートバイを利用してあちこち回ったが、今はそんなことは到底できない」と話した。
金城敏(キム・ソンミン)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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