吉田調書:公開された福島第1原発・政府事故調の主な調書(要旨)
2014年09月12日
枝野氏 14日夜、総理応接室に呼ばれて。そこで東電が撤退の話をしているみたいな話が出てきて、そうしたら私にも清水(正孝)社長から電話がかかってきて、同じ趣旨のことを言った。私の一存で「はい」と言える話ではありません、ということで電話を切った。海江田さんや細野君(豪志首相補佐官)のところにも(電話が)来ていたと思います。
−−どういう言い方だったか。
枝野氏 間違いなく全面撤退の趣旨だった。これは自信があります。そうでなかったら私に電話してきません。みんな別々に電話を受けていますから、勘違いはあり得ない。
−−清水社長の電話は(撤退の)了解を求めるような電話だったのか。
枝野氏 了解を求めようとしたから、私の一存では答えられませんと。
−−18日の記者会見で「(東電が)全面撤退の意向を政府に打診したという(毎日新聞)報道があるが、承知していない」と発言した。
枝野氏 さすがにこの段階では言えなかったです。この段階で「そんな打診もありましたが断りました」と言ったら、いろいろな意味でもたない。
◇福山哲郎元官房副長官
<東電撤退問題>
福山氏 私には東電からの電話はありませんでした。枝野官房長官には1度か2度、海江田大臣には間違いなく2度。細野さんには電話があったけれど「聞く立場ではない」と言ったと聞きました。
夜中の12時から2時くらいに、(東電が)撤退と言ってきている、どうしようみたいな話を、総理を入れずにしていました。「撤退やむなし」という空気が流れるのに抵抗感があった。
総理は全然怒鳴っていません。「撤退などあり得ませんから」とひと言ぽそっと言われたら、清水さんが「はい、わかりました」と。
(原発から半径)10キロ圏内の避難はしています。命の危険があるのは作業員だけ。その人たちの命を危険にさらすリスクをどこまでぎりぎりまで引っ張れるのかという判断です。何百人の作業員の命がかかっているのはわかっている。しかし、放っておいてメルトダウンや爆発が起こったら、10キロ(避難)どころではなくなる。
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◇公開された政府事故調・調書一覧
(50音順、肩書は原発事故発生当時)
池田元久副経済産業相
枝野幸男官房長官
海江田万里経済産業相
菅直人首相
北沢俊美防衛相
近藤駿介内閣府原子力委員会委員長
首藤伸夫東北大名誉教授
鈴木篤之日本原子力研究開発機構理事長
鈴木寛副文部科学相
高木義明文部科学相
中野寛成国家公安委員長
長島昭久民主党衆院議員
福山哲郎官房副長官
藤城俊夫財団法人高度情報科学技術研究機構参与
細野豪志首相補佐官