平和教育シンポ:講演で「思い出すのもつらい」被爆体験
毎日新聞 2014年09月13日 19時30分
「第11回平和教育シンポジウム」(大阪府豊中市教職員組合、毎日新聞社主催)が13日、豊中市で開かれた。被爆者による講演や、平和教育に取り組む教員らによるパネル討論が行われ、教育関係者や市民ら約100人が熱心に耳を傾けた。
広島市で10歳の時に被爆し、兄2人と弟1人を失った水彩画家、有田卓司さん(79)=豊中市=は初めて自身の被爆経験を語った。「登校しようと家を出る間際に原爆が炸裂(さくれつ)した。『無事でしたか』と声を掛けてくれた近所の女性の顔はただれ、真っ黒に変わっていた」などと当時の記憶を生々しく証言。講演を終えると「本当は思い出すのもつらい話で、胸が苦しくなる」と話した。
パネル討論では豊中市立小中学校の平和教育について話し合われた。地元の沖縄出身者から沖縄の文化について教えてもらったことをきっかけに、太平洋戦争での沖縄戦について学んだ小学校の事例などが紹介された。【五十嵐和大】