17番でバーディーパットをわずかに外したものの笑顔を見せる上田桃子=兵庫県三木市の美奈木GCで(武藤健一撮影)
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◇日本女子プロ選手権<第3日>
▽13日、兵庫県三木市・美奈木GC(6645ヤード、パー72)▽晴れ、気温25・1度、風速1・7メートル▽賞金総額1億4000万円、優勝2520万円▽72選手▽観衆5248人
悲願のメジャー初優勝がかかる上田桃子(28)が5バーディー、2ボギーの69とスコアを伸ばし、前日の8位から首位と1打差の通算3アンダー、2位に浮上した。最終日に2007年賞金女王の実力を見せたい。前日トップに立った鈴木愛(20)は3つ落としながらも4アンダーで首位を守った。上田と並ぶ3アンダーに大江香織(24)、2アンダー4位に成田美寿々(21)=オンワードホールディングス=ら3人が続いている。
勝ちたい。勝てない。それが上田にとってのメジャータイトルだ。プロテスト合格翌年の2006年のこの大会で国内メジャー初出場。これまで延べ23回メジャーに挑戦したが、最高順位は4度の4位。
24度目の今回は「自分に戦闘モードスイッチを入れるタイミングを見計らっている感じ」の自分がいるという。首位に7打差の8位からスタートしたこの日は、4番でボギーを先行したものの、5番で2メートル、6番で10メートル、7番で3メートルを決め、3連続バーディー。インでも11番、14番とバーディーを追加した。最終18番はボギーとしたが69。首位との差を一気に6打縮めて、1打差で最終日に突入だ。
「初日、2日目はストレート系の球筋で攻めようとしていたけれど、持ち球のドローと、フェードも使うコースマネジメントに変えた。きょうはティーショットで2回しかフェアウエーを外してない」。6年間の米ツアー転戦で得た宝物の1つ、フェードボールを使いこなして悲願のビッグタイトルに一歩近づいた。
「この6〜7年、ずっといろんなことを考えて、結局一周回って帰ってきたみたいな気がする」という。自分の持ち味、性格をさらけ出して「泥くさく攻めるゴルフ」を目指すのが、現在の姿だ。
大会開催コースのメンバーが話していた。「上田桃子さんは先週の金曜からここに来て回っていたよ」。本当は1週間も前から“戦闘モード”に入っている。あとは最終日のどこかで、ギアをトップに持っていくだけ。勝ってみせる。 (月橋文美)
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