日本ハム−オリックス 完封で11勝目を挙げた日本ハム・大谷=札幌ドームで
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◇日本ハム1−0オリックス
日本ハムの大谷は最後まで球威が衰えず、今季2度目の完封で11勝目。打線は7回に中田、近藤、大引の3安打で1点を奪い、均衡を破った。オリックスは8回無死一、三塁を生かせず、1失点と粘った投手陣を援護できなかった。
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1−0の息詰まる展開の中、日本ハム・大谷は最後まで投げきった。9回2死。ペーニャから空振り三振を奪うと一息つき、天井を見上げた。5月13日の西武戦以来2度目の完封勝利。粘りの投球が実った。
「東明さんもいい投球をしてましたけど、負けないように粘り強く投げました。内容は今までの中でも満足してないけど、試合の結果はすごくうれしい」。122球でつかんだ背番号と同じ11勝目。二刀流は喜びをかみしめた。
疲労を考慮されプロ初の中9日で先発。しかし間隔が空きすぎたのか、序盤は体が重くボールが走らなかった。最速は158キロも、本来の超速球ではなかった。それでも「途中からフォークがよくなった」と、要所で落ちる球を有効に使った。
7回はギアを上げて、3者連続三振。直後に貴重な先制点が入った。8回無死一、三塁のピンチにも動じない。ベンチは失点覚悟の中間守備を敷いたが、「1点もやるつもりはなかった」。伊藤がセーフティースクイズを試みるも、一塁・中田の好守で三塁走者が本塁憤死。なお1死一、二塁では平野恵を全球フォーク攻めで遊ゴロ併殺に仕留め、最大の危機を脱した。
この日で今季の投球回が148となり、シーズン規定投球回(144)に到達した。勝率7割3分3厘は西武・岸に並ぶリーグトップで、タイトル(13勝以上で勝率1位)が射程圏だ。父・徹さんは「小さいころ投手を一生懸命やってきたけど、打撃練習の方が好きそうだった。ここまでになるとは」と目を細める。
『野球の神様』ベーブ・ルースが記録したシーズンの13勝、11本塁打も近づいてきた。二刀流のプロ2年目はまだまだ終わらない。 (水足丈夫)
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