風呂場で自慰行為見やがれっ!
食卓に並ぶ貝類と花穂姉ちゃんのおふざけで完全に食欲をなくした俺。
紗月姉が去ったと思えばこの有り様だ……
「蒼太、食欲ない?」
「姉ちゃん、ここにソーセージがあるとしてさ、俺が股間にあててブランブランしたのを美味しく食べられるのか? 逆に考えてみてくれよ……」
花穂姉ちゃんが小食なので食卓の貝類が全然減っていない。
これは……保存が効くように佃煮にするしかないだろう。
「ごめん、蒼太。あんなの見たくないよね? するときは部屋暗くするし、挿入時以外モロに見えないから! それに蒼太デカチンなら痛くても頑張る!」
なぜ食べるか否かの話を行為に及ぶ話に変換するんだ……
頑張らなくてよろしい……
想像以上にぶっ飛んだ謝罪に返す言葉がなくなった。
残った貝類は花穂姉ちゃんが味付けをして佃煮を作っている。
グツグツと煮え立つ鍋から醤油と磯の香りが漂ってくる。
「姉ちゃんって、料理うまいよな。いいお嫁さんになれそうだな」
エプロン姿でコンロの前に立つ花穂姉ちゃんの立ち姿は、凛として美しく見えた。
真剣に調理する横顔につい見入ってしまう。
「蒼太? 求婚しても十八歳にならないと入籍できないよ? 挿入は可能だけどねっ」
「求婚じゃないし、挿入ってなんだよ!? ちゃんと鍋見ないと焦げるぞ」
「挿入は決まってるじゃないっ! ズッ婚バッ婚で妊娠よ」
「花穂姉ちゃん……アホだろ」
こうして姉と馬鹿話をしながら過ごす日常は楽しいのだが……
ハメを外して来るのが厄介なのだ。
調理と片付けを終えた花穂姉ちゃんは、旅の疲れを癒すために入浴中だ。
ご機嫌な鼻歌が居間でくつろいでいる俺の耳にも聴こえて来る。
「よし、今日はちょっとだけ仕返しするかっ」
いつもいつも度が過ぎた言動に振り回されているのだ。
たまにはこちらから反撃して姉ちゃんの反応を見てみたい。
「鼻歌を歌ってるときは、シャンプーか身体を洗ってるときだな……」
今から実行する逆襲は、やられたことをやり返すだけの単純な作戦だ。
花穂姉ちゃんが浴槽に浸かっているときを見計らって、風呂に侵入してやる!
足音や呼吸音を押し殺して脱衣場に入った。
擦りガラス越しでよく見えないが……浴槽に浸かっているのは間違いない。
ジャグジーを出しているボコボコと湯が弾ける大きな音がするからだ。
ゆっくりと服を脱いで、風呂のドアを音を立てないように開くと……
「……んっ……んんっ……はぁっ……いきそう……はぁあっ!」
ゆっくり近づくと、ジャグジーを股の間に最大出力で噴射させて、花穂姉ちゃんは真っ赤な顔で天井を向いて目を閉じている。グリグリと腰をうねらせたり、吐息が荒くなって声を漏らしたり……浴槽でオナニーの真っ只中に侵入してしまったようだ。
「これは……見ちゃいけない場面だな」
今なら湯が弾ける音で気付かれていない。
足音を立てずに風呂場のドアノブに手をかけたとき、急にジャグジー音が止まった。
「え……蒼太? う、嘘っ……なんで!? 今の見てた!?」
ゼイゼイと肩で息をしながら、紅潮した顔の花穂姉ちゃんがこちらを向いた。
眼には零れ落ちそうなほど涙が溜まっている。
「ごめんっ! たまには仕返ししてやろうって思って……こっそり入ったんだけど……」
「うう……すごい場面見られたぁ……もう蒼太の馬鹿!」
その後、逆襲したつもりが風呂場で説教をくらうハメになった。
浴槽で背中合わせで会話している。二人ともタオルを持って入ってないからだ。
「姉ちゃん、もうこんなことはしない。絶対、入らないから」
「違うって! そんなことを言ってるんじゃないよ。入るときはまず声を掛けてよねっ! いっしょにお風呂入ろうって誘って!」
「話変わるけど、花穂姉ちゃんはモテるのに彼氏作らないのか?」
答えはわかりきっているけど……今はとりあえず話題を変えたい。
「蒼太、お姉ちゃんが他の男にベッドで全身を触られ舐られた挙句……チンチン入れられて、恥ずかしい格好させられたり……想像してみてよっ! 嫌じゃない!?」
「姉ちゃん……生々しいこと言うなよ……でも、それ考えたらなんか嫌かも?」
浴槽のお湯が波打った。花穂姉ちゃんが背中に抱き付いてきた。
「蒼太……朝までいっしょに寝よっ! ついでに寝る前にセックスセックスー!」
「なんのついでだ! それは却下っ!」
紗月姉との違い、それは花穂姉ちゃんにはなぜか興奮しない。
なんでだろうな。母親みたいな存在だからだろうか。
……と、俺はヘニャンとしょげて下を向くチンポコさんに問うてみた。
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