香川3季ぶりドルト復帰戦でいきなりゴール!8万人が祝福
◆ドイツ・ブンデスリーガ ドルトムント3―1フライブルク(13日・シグナル・イドゥナ・パーク)
【ドルトムント(ドイツ)13日=大橋杏子】香川が復帰即ゴールを決めた。マンチェスターU(イングランド)から3季ぶりにドルトムントに戻ったMF香川真司(25)は13日、ホームのフライブルク戦にトップ下で先発し、1―0の前半41分に追加点をゲット。後半19分に交代し、3―1の快勝に貢献した。欧州のリーグ戦での得点はマンU時代の13年5月19日のWブロミッジ戦以来482日ぶり。
帰りを待っていた8万人の大サポーターに向け、ジャンプしながら思い切り右拳を突き上げた。前半41分、右サイドからFWラモスが送ったクロスを、中央のMFムヒタリヤンがスルー。後方にフリーで詰めていたMF香川は、右足で丁寧なシュートをゴールに流し込んだ。総立ちの客席からは、日本代表と同じ「カ~ガワシンジ」という応援歌が流れてきた。「香川真司」と書かれた日の丸のハチマキを巻くドイツ人の姿も見られた。
背番号は3季前の「23」から「7」に変わったが、プレーのキレは昔のままだった。前半33分にはMFグロスクロイツに絶妙なスルーパスを送り、ラモスの先制点の起点になった。入団時には「ドルトムントは家族のような存在であり、彼らが僕を忘れずに、また迎え入れてくれたことを誇りに思う」とコメント。右足をつって後半19分にピッチを去ったが、試合後には“歓迎セレモニー”が待っていた。応援歌の響く中、一人でゴール裏のサポーターとバンザイを繰り返し、再び歓声のシャワーを浴びた。
元監督のアレックス・ファーガソン氏に見初められ、12~13年シーズンからマンUへ移籍した。1年目こそ主力としてリーグ優勝に貢献したものの、そのオフに恩師がまさかの勇退。後を継いだモイーズ、ファンハールの両監督からは信頼を得られず、オファーを出し続けていた古巣に戻った。ドルトムントへの移籍金は800万ユーロ(約11億1200万円)と、マンUへ出たとき(1600万ユーロ)の半額。下落した市場価値を再び見直させる一撃だ。
18年6月までの4年契約を結んだドルトムントは、格段の配慮で香川を迎えた。入団会見を行わず、この日までメディア対応を禁止して試合に集中させた。日本代表の同僚・DF内田篤人(シャルケ04)は、日本食店の多いデュッセルドルフで何度も食事をして歓迎した。恩返しのゴールが、復活への第一歩になる。
香川真司「ああいう形で先制点が取れて、下がらず我慢してプレーできた。開始からは体が重かったけど、1、2点入って気持ちが楽になった。90分間通して試合をしたことが(しばらく)なかったので足にきてしまった。これからもっとコンディションを上げていかないと」