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地方
盗難「阿弥陀三尊像」の持ち主は紀の川「安楽寺」 和歌山県調査
2014.6.26 02:13
平成22~23年に県内で発生した連続文化財窃盗事件で、犯人逮捕後も持ち主が不明だった「阿弥陀三尊像」が、紀の川市桃山町の安楽寺の仏像だったことが県立博物館(和歌山市吹上)の調査で分かった。きっかけは、同館が10年前に調査のために撮影した仏像の写真。担当者は「持ち主が見つかってほっとしている」と話し、「盗難被害仏像の所蔵者判明!」とのタイトルで館内で展示されている。
同館によると、県内で約60件の文化財盗難事件が発生し、仏像など160点以上が被害に遭った。23年4月に犯人が逮捕され、売り払われた仏像などの一部が回収された。ただし、今回の阿弥陀三尊像3体を含む43点は持ち主が不明のままで、警察での保管期間が過ぎたため昨年2月から同館で保管されてきた。
阿弥陀三尊像は、江戸時代中期に作られた寄せ木造りの仏像で、3体で構成。同館が持ち主を探していたところ、平成16年9月に撮影された文化財調査の写真のなかで、形や特徴が一致するものを発見。安楽寺から22年11月に盗まれ、被害届が出されていた仏像と分かった。
持ち主が分かったことから、同館では7月13日まで展示。さらに、同19日からの夏休み企画展「文化財に親しもう!」でも公開し、展示終了後、9月に持ち主に返却するという。
大河内智之学芸員は「画像データが残っていたことが重要な手がかりになった」とし、「まだ持ち主が分からない文化財が多くある。一日も早く元の場所に戻せるよう、情報を寄せてほしい」と呼びかけている。問い合わせは同館(電)073・436・8670。
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