東京電力福島第一原発事故を巡り、所長の命令に反して所員の9割が原発から撤退していたとする記事を朝日新聞が取り消すなどした問題で、朝日は13日朝刊の社説や1面コラムで、改めてこの問題について触れ、それぞれ謝罪した。

 1面では、朝日が抗議書を送っていた新聞社や雑誌などに謝罪したことも明らかにした。また、「誤報」により誤った印象が海外に広まったことへの対応として、木村伊量ただかず社長名のおわびを、英語版に加え、韓国語、中国語にも翻訳し、外国語サイトに掲載した。

 社説では、原発事故の吉田昌郎まさお元所長(昨年7月死去)の調書に関する記事を過去の社説でも取り上げていたことを挙げ、「社説を担う論説委員室として、読者や関係者の方々にかさねて深くおわびします」と謝罪。いわゆる従軍慰安婦報道についても「1997年に一度検証をしながら、吉田清治氏の証言を虚偽だと断定し取り消せなかったのは、反証となる事実や異論への謙虚さが欠けていたからではないか」と記した。

 1面コラム「天声人語」でも謝罪。慰安婦報道について「池上彰さんのコラム掲載を見合わせたのは最悪だった」などとした。