公開された吉田調書には当時の状況がこう記されている。
〈本当は私、2F(第二原発)に行けと言っていないんですよ。ここがまた伝言ゲームのあれのところで、行くとしたら2Fかという話をやっていて、退避をして、車を用意してという話をしたら、伝言した人間は、運転手に、福島第二に行けという指示をしたんです。私は、福島第一の近辺で、所内に関わらず、線量の低いようなところに一回避難して次の指示を待てと言ったつもりなんですが、2Fに行ってしまったと言うんで、しようがないなと〉
その直後に吉田氏はこう証言した。
〈2号機が一番危ないわけですね。放射能というか、放射線量。ここから外れて一回退避してくれというつもりで言ったんですが。(中略)よく考えれば2Fに行った方がはるかに正しかったわけです〉