「朝日の911になった」「つらい日」社員が次々ツイッター投稿
2014年9月13日6時1分 スポーツ報知
朝日新聞社は12日、東京電力福島第1原発事故の吉田昌郎元所長の聴取結果書に関する記事を誤りと認めて取り消し、読者や関係者に謝罪する木村伊量(ただかず)社長の談話を同日付の朝刊に掲載した。
「経緯報告」と題する記事によると、報道前に社内で「命令」や「違反」という表現が強すぎるのではないかとの指摘があったが、取材源の秘匿のために少人数での取材にこだわり、所員への十分な裏付け取材をしないまま「撤退」という表現を選んだ。また、「撤退」とは読み取れない吉田元所長の証言も「事後の感想で不必要」との理由で記事から外した。
一方、従軍慰安婦問題をめぐる一部報道を取り消し、訂正が遅れたことについても、談話の中で「読者のみなさまにおわびいたします」とした。
同社の社員は、前日の木村社長らの会見前後から、次々と同社ホームページでツイッターを投稿。内容は謝罪、自戒、自社批判などさまざまで、編集委員の1人は「今日はつらい日です」とし、特別編集委員は「社員にとっても忘れられない『朝日の911』になった」とつづった。社会部記者の1人は「社内の雰囲気は明るくありません。現場も萎縮しています。取材拒否もされていると聞きます。結構しんどいです」と胸の内を吐露した。
ある経済部記者は「入社してこれほどショックだったことはありません」とし、テヘラン支局からは「自分が絶対やらないと言い切れるだろうか。そこから出直しだ」との声が上がった。