「イスラム国」戦闘員3万人に拡大か9月12日 11時58分
アメリカのCIA=中央情報局は、イラクやシリアで勢力を拡大するイスラム過激派組織「イスラム国」の戦闘員が、最大で、以前、推定されていたおよそ3倍の3万人以上に上るという見方を示し、過激派組織が急速に規模を拡大していることをうかがわせています。
イラクとシリアで政府軍と戦闘を続けているイスラム過激派組織「イスラム国」には、欧米などからも多くの外国人戦闘員が参加し、勢力の拡大をいかに食い止めるかが国際社会の課題となっています。
こうしたなか、アメリカのCIA=中央情報局はCNNテレビなどに対し、「イスラム国」の規模を算定し直した結果、戦闘員の数は2万人から3万1500人に上るという見方を明らかにしました。
これについてCIAは、「ことし6月以降、戦場での成功や、『イスラム国家』を宣言して動員力を強化したことが背景にある」と分析していて、戦闘員の数はこれまで推定されていた1万人から最大で3倍に増え、規模を急速に拡大していることをうかがわせています。
一方、オバマ大統領が10日、「イスラム国」の壊滅を目指し、イラクで行ってきた空爆を今後シリアにも拡大する方針を示したことをうけ、アメリカ軍は475人の兵士を追加で派遣する予定です。
国防総省のカービー報道官は11日、記者団に対し、追加派遣される兵士のうち125人は、偵察機の運用などに関わる要員でイラク北部のアルビルの空港を拠点に、シリアでの空爆も視野に上空からの情報収集活動を強化する考えを示しました。
米国務長官がトルコなど訪問へ
アメリカ国務省は11日、イスラム過激派組織「イスラム国」に対処するため、ケリー国務長官がサウジアラビアで中東の同盟国などと協議したのに続き、トルコとエジプトを訪問すると発表しました。
アメリカ政府は、「イスラム国」に対する国際的な包囲網の構築を目指しており、ケリー長官は一連の訪問で「イスラム国」が勢力を拡大するイラクやシリアの、近隣諸国に対し具体的な協力を引き出したい考えです。
また、ケリー長官は中東諸国を歴訪したあと、15日からはフランスのパリで開催される「イスラム国」への対応を話し合う国際会議に出席することにしています。
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