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地方
埼玉高速鉄道に支援、経営再建へ負債圧縮 県、27年度の黒字転換見込む
埼玉高速鉄道の経営再建をめぐり、県は12日、第三セクター等改革推進債(三セク債)による債権の補填(ほてん)のほか、県やさいたま、川口両市の債権を出資に振り替える支援策などを明らかにした。9月定例県議会でこれらに充てる約328億円を盛り込んだ補正予算案を提出する。県は再建策により平成27年度に経常利益が黒字転換すると見込む。
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県が明らかにした経営再建策では、400億円規模の三セク債を起債、県や両市が分担して金融機関からの借り入れに補填する。さらに、同鉄道が県や市から借り入れる債務のうち、200億円を出資に振り替える。
一方、同鉄道は私的整理にあたる事業再生ADR(裁判外紛争解決)を申請。債権者会議などで協議を進めた上で、今年度内にも資産評価の見直しを完了させる見通しだ。
9月定例会で再建策を盛り込んだ補正予算が可決されれば、年明け以降、事業再生ADRの成立を経て、三セク債の起債手続きや、出資振り替えへの手続きなどの支援策が実行される。
また、再建策では金融機関などの債権の償還期間を延長し、負担を軽減。開業以来累積していた696億円の赤字が解消し、負債は1210億円から629億円に圧縮される。
県はこうした手続きを経て、27年度には経常利益が2千万円の黒字に転換するとの見込みを示した。さらに、延伸を含めた地下鉄7号線の今後の展望にも好影響を与えるとしている。
同鉄道は13年、県やさいたま、川口両市などが出資して開業し、東京メトロ南北線と両市内を結んでいる。建設費2587億円の約6割を有利子借り入れで調達したが、輸送人員は伸び悩み、目標だった31年度の経常黒字化が困難な見通しとなっている。
上田清司知事は12日の定例会見で、乗客数や収益の見通しに甘さがあったことを認める一方、東日本大震災やリーマンショックなどの影響もあったと指摘。「早期に最終的な黒字化ができれば、配当という道筋も出てくる。県民にはご理解を賜りたい」と述べた。
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