Japan

CSR 企業の社会的責任
人と、地球の、明日のために。

活動ハイライト報告2 東日本大震災からの復興支援
福島第一原子力発電所の安全確保に向けて

発電所の安定化維持と廃炉の推進に向けた協力支援を続けています

福島第一原子力発電所の安全確保に向けた協力支援

東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故発生直後から、東芝グループは政府および東京電力(株)の要請を受けて事故収束と安全確保に向けた支援活動に全力を挙げて従事してきました。
今回の事故については、原子力事業に携わる企業として重く受け止め、グループの総力を挙げて対応を続けています。

放射性物質の放出・流出を防ぐ
「ステップ1」への取り組み(地震発生〜2011年7月)

2011年4月、政府と東京電力(株)から、事故の収束に向けた3つのステップからなる当面の道筋が示されました。
その第一段階、放射線量を着実に減少傾向とする「ステップ1」において、東芝グループは、放射性物質を含んだ汚染水の海への流出を防ぐため、サイト内の汚染水処理を担当。高い放射線と停電という厳しい作業環境下で、汚染水を浄化して原子炉炉心の冷却へ再利用する「循環冷却システム」を2ヵ月という短期間で完成させ、稼働させました。その結果、汚染水量の増加を抑制でき、発電所の敷地外への汚染水の流出を防ぐことができました。

安定した冷温停止状態を実現する
「ステップ2」の達成に向けて(2011年8月〜12月)

汚染水処理装置について、当初は海外メーカーのシステムが緊急導入されました。そのシステムを運用するなかで、東芝は大量の汚染水を処理するためにさらなる処理能力の向上と安定稼働が必要と判断。東京電力(株)に提案して新たなシステムの開発を米国や日本のパートナー企業と協力して、5月に開始し、8月から稼働させました。
「SARRY™※1」(サリー)と名づけた新システムは、その安定的な運転実績と高い除染性能が評価され、10月からは除染作業の主力装置として稼働。「SARRY™」の安定的な稼働によって、「循環冷却システム」による確実な原子炉の冷却にも貢献し、12月の福島第一原子力発電所1号機から3号機の冷温停止に貢献しました。

※1 SARRY™:Simplified Active Water Retrieve and Recovery System

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廃炉に向けた取り組み(2012年度)

人による作業が困難な場所での調査・復旧作業を実施する4足歩行ロボットを開発、実際の発電所内の現場に投入しました。
また、現在稼動中の汚染水処理装置「SARRY™」に加え、新たに、処理水中のセシウム以外の放射性核種についても環境に影響のない濃度以下に低減する「多核種除去設備(MRRS※2 ™)」を開発し、設置しています。原子力発電所の外では、引き続き放射線量を可視化するガンマカメラ「Gammasight™」を活用し、地域の除染活動に貢献しています。

※2 Multiple Radio-nuclides Removal System

4足歩行ロボット
4足歩行ロボット

MRRS™ (多核種除去設備)「吸着塔」(東芝京浜事業所内)
MRRS™ (多核種除去設備)「吸着塔」(東芝京浜事業所内)

MRRS™ (多核種除去設備)全景(東京電力(株)ホームページより)
MRRS™ (多核種除去設備)全景 (東京電力(株)ホームページより)

放射線による影響を可視化する高性能・小型のガンマカメラ「Gammasight™」

Gammasight™
Gammasight™

発電所で使用されたガンマカメラを小型化・高性能化した「ポータブルガンマカメラ」は、通常の線量率測定器だけでは把握が難しい放射線による影響の分布を、色の違いで可視化することで、効果的かつ効率的な除染作業を実現し、住民の安全・安心に貢献します。

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