ニュースプラス:来春の知事選 佐藤氏、出馬検討か 高い知名度、民主に推す声 /北海道
毎日新聞 2014年09月04日 地方版
◇「閉塞打破へ働きたい」
任期満了に伴う来春の知事選に、フリーアナウンサーの佐藤のりゆき氏(64)の出馬が取りざたされている。知事選をめぐっては、自民党が高橋はるみ知事の4選支持を決める一方、民主党内では対抗馬として佐藤氏を推す声も出始めており、「高橋VS佐藤」の構図となる可能性も出てきた。佐藤氏は毎日新聞の取材に対し「北海道の閉塞(へいそく)感を打破するためには、どういう形であれ働きたいとは思っている」と含みを持たせる。【袴田貴行、山下智恵】
■勝手連が促す
北海道放送(HBC)のアナウンサーを経てフリーランスとして活動する佐藤氏。2012年3月までの18年間、民放テレビ局の情報番組でメインキャスターを務めてきた経験があり知名度が高い。
同年10月には北海道の活性化策について考えるグループ「北海道独立研究会」を設立し、会社経営者や研究者らとともに各地でシンポジウムやタウンミーティングを開催。昨年12月には佐藤氏の政策提言に共鳴した札幌市の若手経営者らが勝手連「佐藤のりゆきさんを北海道知事に引っ張り出す会」を作り、佐藤氏に知事選への出馬を促してきた。
■地ならしか?
勝手連の要請に対しこれまで去就を明らかにしてこなかった佐藤氏だが、メインパーソナリティーを務める民放ラジオ局の番組を今月末で降板し、キャスターを引退する方針を固めている。このため、周辺からは「出馬に向けた準備では」との推測が出ている。
今月20日には北海道の自立と活性化に向けた提言集「新北海道デザイン」の出版を記念する講演会を札幌市内で行う予定で、「何らかの意思表示があるのでは」との観測もある。
■自民は警戒
折しも民主党内では、4選を狙う高橋知事の対抗馬として擁立を目指してきた上田文雄札幌市長が政界引退を表明し、代わって佐藤氏を推す声が出始めた。ただ、ある民主党道連幹部は「佐藤氏が『脱原発』と言わない限り推薦とはならない」と話し、当面は情勢を慎重に見極める構えだ。