原作者になった"伝説の編集者"
佐渡島 「先輩編集者に学ぶ!」という対談企画ですが、樹林さんはまさに講談社の大先輩に当たります。僕は2002年入社です。
樹林 僕は1987年の入社ですね。佐渡島君が入社した年にはもう講談社をやめています。
佐渡島 僕が入社したとき、もう樹林さんは伝説になっていました(笑)。
樹林 伝説って、ファミレスで経費を50万円使ったとか、そういうやつでしょう。ウソに決まってるじゃない!(笑)。
佐渡島 それは聞いたことなかったです(笑)。僕が聞いていたのは、「少年マガジン」がもっとも部数が出たときにやめた、という話のほうです。
樹林 ライバルだと思っていた「少年ジャンプ」を発行部数でも実売でも凌駕した。それが会社をやめる契機にはなっていますね。
佐渡島 僕が入社したとき、「樹林さんは理想の編集者だ」と言われていたんです。もっとも、そのときすでに樹林さんは編集者じゃなくて原作者になられていたんですよね。仕事量がすごい原作者。
樹林 いつも週刊で4~5本はやっています。「少年マガジン」で『金田一少年の事件簿』と『エリアの騎士』。「ヤングマガジン」で『サイコメトラー』。これは近々『でぶせん』に変わります。編集長をつとめている「マンガボックス」では『新宿D×D』『零 影巫女』。『東京ゲンジ物語』は、小説が原作なのでネームを見ている感じですね。
佐渡島 ほかにも「モーニング」で一段落を迎えている『神の雫』がありますよね。市川海老蔵さんの新作歌舞伎も書かれています。
樹林 今日も歌舞伎の打ち合わせをしてきたところです(笑)。
佐渡島 今思えば、樹林さんの存在があったから、「僕が目指すのは原作者じゃないな」と思うことができたんです。そこから「原作者ではない、理想の編集者の姿ってどういうものだろう」と考えることができた。それは、僕の大きなテーマになりました。
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