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9月10日放送分の報道ステーション(テレビ朝日)での報道について

平成26年9月11日
原子力規制委員会

平成26年9月10日の報道ステーションにおいて、九州電力川内原発原子力発電所の設置変更許可に関する報道がなされましたが、この報道の中で取り上げられた内容について、事実関係は以下のとおりです。

1.「火山の審査基準」に関する事実誤認について

番組では、規制委員会が「火山の審査基準」が一部適切でないことを認めており、「火山の審査基準」について、今後修正することを検討していくとされていますが、「火山の審査基準」の修正を検討することは、現時点で予定していません。また、番組で引用された記者会見における記者の指摘は、「竜巻の影響評価ガイド」についてのもので、火山に関することではなく、事実誤認に基づいた編集が行われています。

番組内の内容

ナレーター:
(中略) さらに大きな問題がある。火山に関する審査基準の一部が適切でないことを規制委員会は認めていた。今日もこの点に質問は集中した。
ナレーター:
(中略)規制委員会は、火山の審査基準そのものを今後修正することも検討している。
記者:
間違ったガイドをもとに審査をしてしまっていたということについて、やはりガイドを作る過程のチェック体制にいろいろ問題があったんじゃないのかなと。
田中委員長:
100%、100点だということを申しあげるつもりはなくて、それは速やかに直して、きちってバックフィット必要であればそういうふうにしていけばよいと。
ナレーター:
審査基準を修正するのならそのまま合格とせず、修正した正しい基準で再審査すべきではないのか。

原子力規制委員会記者会見での実際のやりとり

記者:
1点だけなのですが、今回、パブリックコメントで、竜巻のガイドについて過大評価してしまうというようなことが見つかったわけですけれども、このことについて委員長はどのようにお考えですか。
田中委員長:
詳しいことだから(管理官)から説明してください。
管理官:
安全規制管理官の市村です。今日のパブコメの回答にも書かせていただいておりますけれども、内容を非常に精査していただいた方がいて、誤りが発見されました。これは、今、精査をしておりまして、ガイドを修正するということになろうと思いますので、これは改めて委員会で御議論いただくことになろうと思います。

2.委員長の発言姿勢について誤解を与える編集について

番組では、一人目の記者の質問と二人目の記者の質問を連続させ、あたかも田中委員長が双方の質問に対して答える必要がない、と回答したように編集されています。
しかし、一人目の質問に対して委員長は回答を行っています。また、二人目の質問については、その直前に当該記者から行われた質問と同じ内容の質問が繰り返されたので、これに対し、田中委員長が答える必要があるか疑問を呈されているものです。当初から答える必要がないと委員長が回答したような編集は不適切です。

番組内の内容

記者A:
火山に対する予測であるとか、影響に関して、非常に多くの批判がありましたけれども。
記者B:
現在の科学の知見をねじ曲げて、これで審査書を出すと、これはいわゆる安全神話の復活になるということは言えないでしょうか。
田中委員長:
答える必要がありますか?なさそうだからやめておきます。

原子力規制委員会記者会見での実際のやりとり(太字部分は報道での引用箇所)

記者A:
今回、川内原発の審査書に関しては、大きく火山に対する予測であるとか、影響に関して、非常に大きな批判がございましたけれども、この辺については、当初から予測されていたものなのか、それとも全く想定外の批判であったのか。
田中委員長:
火山については、今回、新しい規制の中で初めて火山の影響というのを取り入れたわけです。それについて、きちっと評価をしていって、私どもとしては、川内については、火山の影響というものは運転期間中には及ばないという判断をしつつ、かつ、自然現象ですので、未確定というか、絶対という言い方はできませんので、モニタリングをしながら、その対応についても、安全確保の面できちっと心配のないようにしようということを取り組むことにしました。火山のことについて、いろいろ言い出されたのは、実は国会で私が質問を受けた後から、最初に質問された先生はもう納得していただいたのですが、その後からいろいろ意見が出てきたというのが正直な実感ですね。
中略
記者B:
火山についてお伺いします。東大の藤井先生や中田先生の主張に基づけば、分からないことは分からないというスタンスもとり得たのではないでしょうか。あとは判断を政治に委ねるとか、そういうこともできたように思うのですけれども、いかがでしょうか。
田中委員長:
そういうお考えの方もいるでしょうけれども、私どもとしては、判断は、今、持っている知見に基づいて行ったということです。藤井さんとか中田さんが言っている、分からないというレベルは、多分、ハマダさんが理解している、分からないということとか、予測できないということとは意味が違うのだと思います。
記者B:
いや、そんなことないです。中田先生に、川内原発運用期間中にカルデラ噴火が起きるかと聞いたら、ないと思うとおっしゃっていました。私もそう思っています、はっきり言って。だけれども、それはそれとして、科学に基づいて審査書を出すのであれば、やはりそこは分からないと言って、残余のリスクについては政治に任せるという方が、かえって原子力規制に対する信頼が増すのではないでしょうか。これは別に川内の例だけではなくて、今後の審査にも影響しかねない話だと思うので、これだけ問題になっているという点もあると思うのですけれども、いかがでしょうか。
田中委員長:
今、おっしゃったように、姶良カルデラの噴火はないということで、私どもの判断したのは、原子炉の運転期間中、今後、長くても30年でしょうということを私は申し上げているのですけれども、その間にはないだろうという判断をしたということなのです。だから、単に分からないと言っているわけではないのです。
記者B:
私も別にあると思っていないです。最後の質問にしますけれども、つまり、何でも原子力規制委員会に判断を丸投げされている現状があると思うのですね、政治から。皆さんは科学によって立つとおっしゃっていますけれども、そうは言ったって、科学で解明し切れないところの残余のリスクをどうするのかというのは、その責任は政治にしかないと思うのですね。実際に科学の知見を集めて現在の川内原発の火山の問題を考えたら、やはり分からないという部分によりストレスを置かないといけないのではないでしょうか。その上で、先程の中田先生のお言葉は非常に個人的な意見だと思うのですけれども、実際、南九州に住んでいる人たちが火山のリスクを感じているとは思わないのですね。そこは、ある種の常識で考えた判断というのがあって、そのとおりに記載すればいいのではないですか。逆に巨大噴火を事前に予測できるとか、現在の科学の知見をねじ曲げて、これで審査書を出すということになると、後々の審査にも響くのではないでしょうか。それがいわゆる安全神話の復活になるということは言えないのでしょうか。以上です。
田中委員長:
答える必要がありますか。なさそうだから、やめておきます。

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