名古屋大医学部付属病院(名古屋市昭和区)は12日、2012年8月に静脈に挿入すべきカテーテルを誤って動脈に挿入し、患者が死亡したと発表した。

 医師が静脈と動脈の確認を怠ったとして医療ミスを認め、記者会見で謝罪した。病院側は遺族への賠償を検討している。

 発表によると、患者は愛知県内の60歳代の男性で、脳や脊髄などの神経が炎症を起こす急性散在性脳脊髄炎のため入院。大量の嘔吐おうとをきっかけに重篤な状態に陥り、集中治療室で医師4人が栄養剤を送るためのカテーテルを首にある静脈に挿入しようとしたが、誤って鎖骨下の動脈に入った。誤挿入に気づいた医師が静脈に挿入し直したが、その後、動脈から胸腔きょうこう内に大量出血し、出血性ショックで死亡した。