Inc.：整理術の本を開けば、散らかった洋服ダンスや、溢れかえる受信トレイ、収拾のつかないToDoリストのことが書かれています。私たちは、整理とは、物やタスクなど、生活にかかわるあらゆるものに秩序を与えることだと思っています。

しかし、整理にはもっと深い階層があります。デスクを散らかして片付ける、を毎日繰り返すより、プロセス全体を簡略化したり、根本の問題を改善するほうがはるかに有効です。根本の問題とは、あなたの散らかった頭の中です。

ダニエル・レヴィタン（David Levitin）博士による新著「The Organized Mind: Thinking Straight in the Age of Information Overload」が、頭の中を片付ける方法を教えています。

「脳科学者たちは、脳と整理と生産性について多くのことを学んでいます。しかし、その成果が一般の読者には伝わっていません」とレヴィタン氏。「私のゴールは、科学の成果を一般の人に伝えることです」

以下、脳科学から学ぶ、頭を整理する3つの方法を紹介します。

たまに一括精算するのでもOK

あなたが目指しているのが、あらゆる物をきっちり整理する効率的なシステムの構築だとしたら、コントロールを手放すことに罪悪感を感じるかもしれません。しかし、受信トレイにメールが溜まり過ぎたり、デスクに書類の山ができ始めているなら、自分を責めたり、必死になって整理整頓しようとするのは、正しいやり方とは言えません、とレヴィタン氏。そうではなく、「一括精算」をうまく取り入れてください。ときどきガラクタを一気に処分して、またゼロから始めても全く問題はありません。

「なかには『メール破産』を宣言して、未読メールをすべて消してしまう人もいます。その後、関係各者に連絡して、重要なメールは再送してほしいと頼むのです。レヴィタン氏自身はそのやり方はとらないそうですが、年に一度、オフィスの古い資料を一括整理して、保管庫に移動するそうです」とウォール・ストリート・ジャーナル誌が報じています。

長期のプロジェクトと短いタスクを分けておく

何週間も続く研究プロジェクトと、配偶者にメールしてミルクの残量を尋ねるのでは、脳の使い方が全く異なります。タイプが大きく異なるタスクをごちゃ混ぜにして、脳に不必要な負担を与えないでください。「研究結果は、小さなタスクを分散すべきでないと告げています」とレヴィタン博士。細かいタスクをまとめて片付ける時間を設定し、大きなタスクに集中するための長い時間を確保してください。

整理に執着しない

メール処理やタスク管理を効率化する新たなシステムを見つけるのは良いことです。しかし、整理すればするほど良いとは限りません。生産性メソッドそのものが時間の浪費になることも。必要以上の整理のために、精神エネルギーや時間を無駄遣いしないでください。

「価値の無い整理に時間を使わないことです。探しものがすぐに見つかるなら、それ以上整理する必要はありません」とレヴィタン氏はアドバイスしています。

3 Tricks for a More Organized Mind｜Inc.

Jessica Stillman（訳：伊藤貴之）
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