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世界初iPS細胞手術「成功したと考える」
9月12日 21時17分

世界初iPS細胞手術「成功したと考える」
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神戸市にある理化学研究所などの研究チームは、iPS細胞を使って目の網膜の組織を再生し、病気で失われた患者の視力を回復させようという世界初の手術を行いました。研究チームは12日夜、記者会見し、「手術は成功したと考えている」と述べました。
京都大学の山中伸弥教授が開発したiPS細胞が実際の患者の治療に使われた初めてのケースで、再生医療の実現に向けた大きな一歩になると期待されます。

世界初の手術を行ったのは、神戸市にある理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーと先端医療センター病院などの研究チームです。
手術を受けたのは、「加齢黄斑変性」という目の病気のため視力の低下を抑えられなくなった兵庫県の70代の女性の患者で、研究チームはまず、患者の腕から皮膚の細胞を僅かに取り、iPS細胞を作り出しました。そして、このiPS細胞を目の網膜の組織に変化させ、12日、病気のため傷ついた網膜の一部を取り出したあと、移植する手術を行ったということです。
手術は神戸市にある先端医療センター病院で行われ、午後1時45分から麻酔をかける処置を行い、患者はおよそ3時間で麻酔から覚めたのが確認されたということです。
12日夜、記者会見した研究チームによりますと、多量の出血など問題となるような事態はなく、患者はすでに病室に戻って元気な様子だということで、先端医療センター病院の栗本康夫統括部長は「手術は成功したと考えている」と述べました。
また、高橋リーダーは「手術が無事に終わって非常に安どしている。これは臨床研究の1例目で大きな一歩ではあると思いたいが、治療法にしていくため、どんどん進んでいかないといけないと思っている」と述べました。
医療チームによりますと、今回の手術は、この治療が安全に行えるかどうかを確認することが第一の目的で、患者は、視力の維持に必要な細胞の多くが死んでしまっているため、期待できるのは、視力の低下を抑えたり僅かに回復させたりすることだということです。
ただ、安全性と効果が確認されれば、視力を大幅に回復させる病気の根本的な治療法になる可能性があるということで、研究チームは今後、4年間にわたって患者を定期的に診察し、移植した組織の状態を確認することにしています。
京都大学の山中伸弥教授が開発したiPS細胞が実際の患者の治療に使われたのはこれが初めてで、再生医療の実現に向けた大きな一歩になると期待されます。

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