参考にならない読書感想録

本の感想や学んだことなどを主に書いてます。参考になるかはわかりません。

「たったひとつの冴えたやりかた」 少女とエイリアンの友情を描いた名作

たったひとつの冴えたやりかた 改訳版」を読みました。少女とエイリアンの友情と勇気を描いたSF小説です。

 

たったひとつの冴えたやりかた 改訳版

たったひとつの冴えたやりかた 改訳版

 

内容紹介

宇宙航海を夢見る16歳の少女、コーティーは誕生日プレゼントに小型宇宙船を買ってもらう。その宇宙船で未知の星々を求めて宇宙へ冒険に出ると、未知のエイリアン、シロベーンに出会う。種族の違う二人だが、それでも友だちになることができるのか。そして、コーティーの冒険の行方は。

 

簡単にあらすじを書きましたが、帯に書かれていたキャッチコピーも書いておきます。この小説の雰囲気を表していてとても良かったので。

 

生まれも、育ちも、種族さえちがっても、ともだちになれると思った。

 このキャッチコピーを見ていただければ分かるかと思いますが、ほろりとさせられるような感動できる一作です。批評家に「この小説を読み終わる前にハンカチがほしくならなかったら、あなたは人間ではない」と言わしめたほどですからね。

 

ちなみに今回私が読んだ本は、ハヤカワ文庫SFから出版された「たったひとつの冴えたやりかた」「グッドナイト、スイートハーツ」「衝突」の3編が収録された中編集ではなく、「たったひとつの冴えたやりかた」のみを収録した改訳単行本となっております。

 

感想

 前評判では泣けると聞いていたんですけど、まったく泣けませんでした。涙ひとつ出ませんでした。私には感情がないのでしょうか。それとも人間じゃない? いつの間にかエイリアンになっていたようです。

 

冗談はさておき、泣けなかった理由ですが、感動するというよりも虚無感が生まれてしまったんですよ。心にポッカリと穴が生まれてしまった感覚に襲われました。悲しいというよりも虚しいんです。コーティーのみに感情移入をし過ぎてしまうとこうなるのかもしれませんが。

読んだことがある人にはわかってくれると思います。同じ気持ちになりたい人は、さくっと読めるのでぜひ読みましょう!

 

ただ唯一残念なのは、「たったひとつの冴えたやりかた」しか改訳されていないところです。本来ならば三編あって一冊となるのに、一編しか収録されていないので、物語が欠落しているように感じました。「グッドナイト、スイートハーツ」と「衝突」も読めば、より一層面白くなりそうなのに勿体無いです。

やはり一編しか収録されていないのは、SFは苦手な人が多いからなのでしょうか。SFだけど有名な作品だから、とりあえずこれだけ収録して出版しようみたいな出版社の考えなんでしょうね。できれば全改訳版を出してほしかったです。

まあ、ここで要望出しても聞いて貰えそうにないので、素直に全訳版を読むことにします。ただ読みづらいみたいなんですよねえ。