Updated: Tokyo  2014/09/12 17:43  |  New York  2014/09/12 04:43  |  London  2014/09/12 09:43
 

グロース氏がレバレッジ活用の勧め-短期で借り入れ長期投資を

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  9月11日(ブルームバーグ):レバレッジ活用というアイデアを聞くと、2008年の金融危機の嫌な記憶が今でもよみがえるかもしれない。しかし、米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)で世界最大の債券ファンドを運用するビル・グロース氏は、クレジット市場のリターンを増やすための借り入れが、現時点で理にかなうと主張している。

グロース氏は11日のテレビインタビューで、「マイルドな手法でてこを活用するタイミングとして、今は恐らく良い時機だ」と発言。今後3年から5年は「まるで銀行が行うように短期の資金を調達し、長期の貸し出しが可能」なことに投資家は目を向けるべきだと語った。

米連邦準備制度が政策金利を低く維持する状況で、投資家は短期の借り入れコストを上回る長期債のリターンを当てにできるというのが、グロース氏の論理だ。相場が急落すれば損失が拡大する恐れはあるが、利回りが過去最低水準近くで推移する限り、リターンを搾り出すことが期待できる。

シティグループ は8日付のリポートで、10%のリターン目標達成のためにそれほど多額の借り入れを必要としないという意味で、ジャンク債(投機的格付け債)の方が、米国債や株式、新興市場債、投資適格債よりも投資対象として有利だと結論付けた。

米連邦準備制度理事会(FRB)が債券購入の縮小に動くにもかかわらず、バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数が示す世界の社債利回りは、10年平均(4.96%)を下回る3.34%にとどまり、米国の10年国債利回りも昨年末時点の3%から2.53%に低下している。

グロース氏は、投資家がリターンの押し上げ手段を求める中で、社債の相対利回りはさらに縮小する可能性があると予想している。同氏が管理・運用する「トータル・リターン・ファンド 」(運用資産2216億ドル=約23兆7400億円)の年初来のリターンはプラス3.5%と、同種のファンドの58%を下回っている。

原題:Pimco’s Gross Says Good Time to Lever Up on CreditInvestments(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Lisa Abramowicz labramowicz@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Shannon D. Harrington sharrington6@bloomberg.netCaroline Salas Gage

更新日時: 2014/09/12 09:38 JST

 
 
 
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