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【大リーグ】

アルテューベ、自身初の200安打 史上3人目の24歳以下の首位打者も視野

2014年9月12日 紙面から

◇アストロズ5−2マリナーズ

 アストロズの“小さな巨人”が、大きな記録を達成した。公称・身長168センチのホセ・アルテューベ二塁手(24)は10日(日本時間11日)、敵地シアトルでのマリナーズ戦で2安打(5打数)をマークし、球団史上2人目のシーズン200安打に到達した。自身初、今季メジャー初。米複数メディアによれば、記念のボールを手にしたアルテューベは「(オンラインオークションの)eベイには出品しないよ」と冗談めかして笑った。マ軍先発の岩隈久志投手(33)は4イニング1/3を6安打4失点と振るわずに7敗目を喫し、自己最多を更新する15勝目は次回登板以降に持ち越しとなった。

 絶妙のバットコントロールで、大台に到達した。5回は岩隈の84マイル(約135キロ)の低めスプリットをすくい上げ、左翼線へ二塁打。7回も3番手ファークワーの低めカーブを左前に運び、200安打。一塁上で自軍ベンチに向かって指を2本突き出すと、十字を切ってキスし、神に感謝した。記念のボールは、ア軍の要請でダッグアウトに戻った。

 「ボール? 写真でも撮って、家に飾っとくかな。eベイには出品しないよ」。アルテューベはいたずらっぽい口調で周囲の笑いを誘った。ポストシーズン(PS)進出を狙う同地区の強豪相手に、チームも3カード連続で勝ち越し。「試合に勝って200安打、チームも絶好調。かなりスペシャルだし、これ以上は望めないね」と満足そうに語った。

 200安打は1998年のクレイグ・ビジオ以来、球団史上2人目。同年にビジオが樹立した210安打の球団記録も、今季残り16試合を考えれば更新は濃厚だ。また、チーム146試合目での大台到達は、2009年以降では、同年イチロー(当時マリナーズ)の144試合での到達に次ぐスピードだった。

 すごいのは200安打だけではない。打率3割3分6厘、52盗塁、59度目のマルチ安打も、いずれもリーグトップ。もし首位打者になれば、24歳以下ではメジャー史上3人目だ。また、「首位打者、最多安打、盗塁王」を同時達成すれば、新人王とMVPをダブル受賞した01年マリナーズのイチロー以来となる。

 実際は身長約165センチ。07年にア軍のトライアウトを受験した際は、参加者を50人から20人に絞る段階で不合格となった。ところが、翌日もグラウンドに姿を現すと、首脳陣に「身長で判断せず、実力で判断してくれ」と直訴し、結局は契約を勝ち取った。マイナー時代は、母国ベネズエラのウインターリーグで、球場警備員から「おまえは選手じゃない。俺のおいは8歳だが、同じくらいの身長だ」と追い返されたこともある。

 「でも、プレーぶりは身長196センチだよ」と同僚スプリンガー。「残る全試合、休まずにプレーする」と語るアルテューベのメジャー4年目はあと16試合。その先は“小さな巨人”として語り継がれる伝説となっているはずだ。

 

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