カネボウ化粧品、20ブランド横断でプライベートDMP「MOTHER」導入
カネボウ化粧品は、自社が保有する20ブランドを横断して、フリークアウトのプライベートDMP「MOTHER」を導入し、ウェブだけでなくマスを含む広告効果の検証を行うデータ基盤を整えた。
カネボウ化粧品は、フリークアウトが提供するプライベートDMP「MOTHER」を導入した。またインティメートマージャーが提供するパブリックDMP「AudienceSearch」と連携させ、蓄積されたユーザーデータの分析をシームレスに行える環境を構築し、ウェブだけでなくマスを含む広告効果の検証を行うデータ基盤を整えた。
プライベートDMP:自社で取得しているデータを蓄積・分析・活用が可能なDMP
パブリックDMP:第三者の外部データを蓄積・分析・活用が可能なDMP
複数のブランドを保有する企業は、各広告施策をブランド毎に個別に実施していることから、自社サイトへ来訪するユーザーのデータを企業内で共有・活用できる資産として蓄積することが難しいという共通の課題を持っていた。また店頭販売が主となるブランドにおけるウェブ広告効果の検証や目的に沿ったウェブ広告施策のプランニングが難しい、といった課題もあった。
この度、カネボウ化粧品が保有する20ブランドを対象にプライベートDMP「MOTHER」を導入することで、自社サイトに来訪するユーザのデータを企業内で共有・活用できるようになった。これにより、相関性の高いブランド間での送客などデータの有効活用が可能に。加えて各ブランド商品の購入サイクルと各ブランドサイト構造を分析し、自社サイトへの来訪ユーザを「新規見込ユーザ」「既存顧客ユーザ」「特徴認知ユーザ」の3つのクラスタに分類することで、各クラスタのユーザ数の増減や態度変容を各広告施策の効果検証の指標として活用することが可能となった。
さらに、パブリックDMP「AudienceSearch」と連携させることで、蓄積されたユーザーの属性分析(年齢・性別・年収・家族構成・エリア・業種職種)、検索キーワード分析、リサーチパネルによる分析をシームレスに行える環境を構築し、ウェブだけでなくマスを含む広告効果の検証を実現した。そしてこの度の発表に伴い、カネボウ化粧品 マーケティング本部の中根志功氏、フリークアウト Communication Design Unitの山根賢氏、インティメートマージャーの簗島亮次氏にインタビューを行った。
マスマーケティングを主軸とする企業のDMP活用の道筋
――フリークアウトのDMPを導入した決め手は何だったのでしょうか。
中根:決め手は店頭売上を改善できる可能性があったからです。一般的なメーカーのEC売上比率は10%以下と言われており、弊社の場合もネット上でのCVが欲しいのではなく、目指すのは店頭販売のCVです。フリークアウトのプライベートDMPとインティメートマージャーのパブリックDMPと組み合わせることで、それを可視化することができます。
――ここ数年、プライベートDMPへの注目は高まっていますが、一方でパブリックDMPとはどのようなものなのでしょうか?
簗島:パブリックDMPとは、簡単に言うとクライアントが持っていないデータのかたまりです。第三者データがメインで、大量の属性情報と検索情報を保持しています。
――パブリックDMPは単体でも活用できるのですか?それとも、プライベートDMPと併用して、その威力を発揮するのでしょうか。
簗島:必ずしも企業が保有しているデータとくっつけなくても、活用できます。僕らが持っている属性情報と検索ワードだけでも、例えばハワイ旅行と最近検索している人の年齢層、家族持ちか否か、好きなテレビ番組は何かといったことなどがわかり、その情報をマーケティング施策に活かすことができます。
でも、真の価値を発揮するのは、やはりプライベートDMPと連携して使うケースです。クライアントが持っているデータを、「見込み顧客」「既存顧客」といったセグメントに分けて、その人たちが自社サイトに来ていない時に何をしているのかを調査をして、その結果を企画やクリエイティブに活かしていくケースが一番多いですね。ウェブにとらわれずに、様々なマーケティングチャネルの評価や、そこで得られた知見を横展開していくために活用していただければと。
山根:オンラインとマスマーケティングを含めて、DMPをどう活用していくのか。今回のカネボウ化粧品様との取り組みを機に、これまでマス広告中心のマーケティング施策を行ってきた企業でも、DMPを活用できることを示していきたいと思います。
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