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米国経済はなぜ本格回復しないのか考える

2014年8月12日

株価、失業率等明るいニュースもあるが、全体として米国経済の回復が遅々としてはかどらない。いったいその原因はどこにあるのか。少なくとも原因ではないが、いったい経済のどの部門が足を引っ張っているのかという調査を8月5日付のNY タイムズが公表している。

1993年から2013年までの20年間のGDPの各部門の構成比を出し、それに議会予算局の2014年第2四半期の潜在的総生産を掛け合わせて試算したものである。過去20年間の数字から類推すると、米国のGDPは完全に健康な状態に比べてほぼ8000億ドル(80兆円)ほど少ない。

どのセクターが足を引っ張っているかというと大きい順番に
住宅投資――マイナス2394億ドル
州政府および地方政府支出 マイナス1892億ドル
耐久消費財消費 マイナス1787億ドル
企業設備投資 マイナス1199億ドル
連邦政府支出 マイナス1185億ドル
非耐久消費財消費 マイナス 744億ドル
企業構造? マイナス153億ドル

一方GDP の増加に貢献しているセクターは大きい順に
サービス消費 626億ドル
企業在庫  531億ドル
知財投資  289億ドル
ネット輸出 213億ドル

となっている。過去20年間の傾向を踏襲すればという架空の数字に比べて以上のように大きく数字がぶれている。合計ではマイナスの8450億ドル、17兆ドルのGDPの5%に達している。圧倒的に目立つのは住宅投資である。これが足を引っ張っている。

さらに州政府、地方政府、連邦政府の支出が財政健全化の魔女狩りで合計3000億ドルも減少している。サービス以外の消費支出も合計2500億ドルのマイナスである。企業の設備投資も大幅マイナスで、企業は先行きに自信を持っていない。

こうしてみると、住宅投資は構造的な変化に見舞われているように見える。共和党、茶会党の小さい政府政策が、財政支出の削減でGDPの足を引っ張っている。GDPの71%を占める消費支出は不振である。

という構図が浮かび上がってくる。この内訳をみると、今すぐに米国経済のこれらの不振の部門が回復することは難しいと思われる。FRBのテ―パリングから金利上昇というシナリオは難しいように思えるが。

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米国のテーパリングは本格的に経済に影響を及ぼすのか?

2014年7月17日

米国FRBの量的緩和(QE)のテーパリングが着々と進行中である。

7月からは月間の債券購入額を350億ドルに減らしている。年末までには月間債券購入をゼロにする方向で進んでいる。今マーケットではその後の金融引き締めの開始に付いての憶測が盛んである。年末までにテーパリングが終了すると、その時のFED(連銀)のバランスシートは4兆6千億ドルあたりに拡大することになる。(現在4兆4千億ドル)

テーパリングが終了するとFEDの債券買いがゼロになるかというとそうではない。4兆ドルもの債券を持っていると毎月巨額の期日償還を迎えることになる。昨年は期日償還を迎えた現金の再投資が毎月240億ドルになった。今年は毎月160億ドルのペースらしい。

FEDの保有する債権の6割は財務省証券、残りの1兆5千億ドルはMBS(住宅抵当担保証券)であり、このMBSは期日があるがいくらでも期限前解約できる性質のもので、場合によっては大量に償還がある。2016年になると年間で1770億ドルもの巨額の償還が予定されている。

FEDはこれらの償還された現金を再投資するためにテーパリングが終わっても、債券を買い続けることにしている。つまり4兆6千億ドルに膨らんだバランスシートを減らすことなく維持し続ける方針である。

この再投資額が償還金額を下回り始めると、本当の意味でのQEの縮小(出口)ということになるのだが、FRBは当分その点には触れたくないようだ。
マーケットの引き締め開始の議論はその点を飛び越していきなり金融引き締めの時期を憶測する愚を犯している。

FRBはこのQEが実体経済に与える効果についてますます懐疑的になりつつあるように見える。株高や住宅高の資産価値の上昇が実体経済に与える効果が思ったほどでなくひたすら金持ちがさらに金持ちになるという悪循環を呼んでいることに気がつき始めているのではないか。それがテーパリングに入ってきた真意ではないかと筆者は勘ぐっている。

かといって一挙に出口に走るとそれこそ大惨事になる恐れがあるので、それもできない。どちらにも行けずマーケットの大崩壊をひたすら恐れているというのがFRBの内実ではないかと同情している。

金利上げなんてとんでもないだろう。米国はこれからデフレに入ろうとしているのだから。

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若林栄四氏 最新インタビュー「フライングバックジャパン21」を公開しました

2014年6月27日

こんにちは。トレトレスタッフです。

若林先生最新インタビュー「Flying Back JAPAN! 021」を公開しました。 

今回は
・日本はインフレへと進むが、世界はデフレ
・日本の黄金時代がやってくる!?
・注米国株が暴落するなら為替相場の展開は?何を選べばいいのか?


などについてお話を伺っています。

下記リンク先よりインタビュー記事をご覧にいただけます。

若林栄四「 Flyng Back JAPAN! 021」

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米国の金利下落と株高という二つのメッセージは、どちらかが間違っている。

2014年6月16日

まったくいつになったら米国株が落ち始めるのかイライラして待っているが、今月に入って相場は高値更新である。そうこうするうちに2014年も6月に入った。

そういえば7年前、2007年の6月にドル相場は124円14銭で天井を打って下がりだしたことを思い出した。正確には6月22日である。その日が夏至であったことも鮮明に覚えている。ちょうどその時大阪で講演があり、今日は夏至だから、相場の陽の極であり、明日からドルが下がり始めるのではないかという話をした記憶がある。人々(北半球の)は、夏至はお祝いしない。これからだんだん陰に移行するからである。

冬至はみんなでお祭りすることが多い。陰が極まり、これからどんどん陽が大きくなっていくからである。朝4時に目が覚めて寝床で考えていたら、その7年前の夏至の天井から7年目というのは52×7で364週目ということであり、そうすると6月初旬は362週目であることに気がついた。黄金分割である。62、162、262、362となる。

ひょっとすると今週からドル・円相場が落ち始めるのかもしれないと思った。とすると6月から米国株が落ち始めるのかもしれないとも思った。いずれにせよ、米国長期金利は明らかに低下の方向を示している。

それと米国株高がどう整合するのか。この時点においての米国金利下落、と株高という二つのメッセージは、どちらかが間違っており、間違ったシグナルを発していると考えている。

筆者の考え方では長期金利の下落が米国のデフレ入りを示唆しているとみているが、そうなると株高は間違ったメッセージである。株高が正しければ、長期金利下落は間違ったメッセージである。両方が正しいメッセージではありえない。一部マーケット筋は長期金利の下落が株高の要因と強弁する人もいる。

しかしFRBのテーパリングの風景の中でそれは自己矛盾である。長期金利の低下は景気の後退あるいは経済のデフレ入りを説明しているはずである。そういえば今月に入りECBも、準備預金にマイナス金利を適用するというデフレ宣言を発している。世界デフレの入り口にいる世界経済ということだろう。

デフレを卒業した日本、これからデフレの米国、欧州という大局観でよいだろう。
日本だけが先進国で繁栄する時間帯に入った。今年第1四半期の実質経済成長率は6.7%と発表されている。消費税駆け込み需要はあるが、3%のインフレを加えれば名目10%近い成長である。税収が10%増えることを意味している。これからの日本を象徴するような数字である。

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景気好転していると言われる米国の、住宅産業はまだ回復していない!?

2014年5月12日

米国住宅産業が景気回復でも思ったほど伸びていない。

2000年から2006年まででそれまでの年率1.5百万戸のペースを上回り、2.1百万戸のオーバービルディングがあったといわれている。ハウジングバブルが破裂した2007年から2013年までの間には、年率1.5百万戸の過去のアベレージに比べて4.8百万戸少ない住宅しか建築されなかった。

したがって2000年から2006年までの建て過ぎの分は十分消化されてしかるべきである。

にもかかわらず2008年に底を打った住宅建築件数は、まだ1百万戸前後で、歴史的な1.5百万戸の標準レベルに遠く及ばない。

この原因には、年間の世帯形成数が大幅に落ちているということが挙げられている。2001年からの2006年までは年間1.35百万世帯が毎年新たに形成されていた。これは子どもが親から独立するとか、移民がはいってきて新しく世帯を持つという数字である。

ところが2007年から2013年の間にはこの世帯形成数が年間平均569千世帯にまで激減している。全体であるべき世帯数から2.3百万世帯が消えている。おそらく若者が親から独立するのが経済上難しくなっている。あるいはリタイアした両親も家を出て別に済むというのが難しくなっているという辺りがその背景にある。この世帯形成が増えなければ、住宅産業の本格的な回復はない。

さらに最近の住宅建築は1戸建てが減り、2012-13年では全体の住宅建築許可の34%が集合住宅(たとえばマンション、アパート)となっている。平均224千ドルの1戸建てに比べて集合住宅の建築コストは平均102千ドルと大分安い。また1戸建てなら翌年にかけて3.7人分のジョブがクリエイトされるが、集合住宅の場合は1.8人のジョブしか作り出さない。

こうして本来であればもっと米国経済の回復に寄与すべき住宅産業が、その役割を担えていないところに、米国景気回復のスローペースの一つの原因がある。

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若林栄四x川合美智子 特別セミナー、6/21開催決定!

2014年5月 9日

トレトレスタッフよりお知らせです。

2014年6月21日(土)、赤坂アークヒルズクラブで「世界のマーケットはこう動いている!」特別講演の開催が決定したことをお知らせいたします。

講師は、ワカバヤシ エフエックス アソシエイツ代表取締役、若林栄四氏。そして、同社代表取締役である川合美智子氏のダブル講演となっております。

アベノミクスの不発がドル安を招くのか?ドル円をはじめ、注目のユーロ、豪ドル、金、そして日経平均の行方など気になるマーケットを若林氏と川合氏が読み解きます。

<タイトル>
世界のマーケットはこう動いている!

<日程>
2014年6月21日(土)

<時間>
13:00~17:40(若林特別セミナーは16:10~17:40)

<場所>
赤坂アークヒルズクラブ

お申込・その他詳細については、セミナー主催者となりますアメジスト香港様のHPよりご確認下さい。
http://www.amethyst.hk/seminar/seminar_form_ark0621.html

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米国経済の憂鬱

2014年4月18日

FOMCの議事録が9日発表された。

その結果、イェレン議長の前回FOMC後の記者会見における発言で2015年春から金利上げがあるかもしれないととられ、株が急落したのは記憶に新しい。公表された議事録では、失業率と金利政策の関係を断ち切り、それ以外のもろもろの経済指標を見ながらの金融政策ということになった。やや分かりにくいが、イェレン議長ほか数人はまだまだ金融緩和をやめるということは時期尚早で、米国経済はまだ回復しきっていないとしている。

それに対して少数派ではあるが、インフレ対策として金利上げのタイミングを注視すべきだという委員もいる。この信じられない発言は、いったいどこを見て発言しているのか。米国にはインフレの影も形もない。あるのはデフレ懸念で、実際に懸念ではなくこれからデフレに入り込むことはまず間違いないだろう。

FOMCの委員ほどの経済に精通しているはずの人間がこのような見方をするのは、いかに人間というのは先が見えないかという良い例である。イェレンにしてもバーナンキにしても経済学の泰斗だが、先がそれほど見えていなかったことは確かだ。

今回イェレンは米国のロー・インフレーションを懸念していると言っている。正しい懸念である。しかし量的金融緩和を縮小する方向は変えていない。その程度の懸念である。

しかし本当は重大な状況が目前である。9日発表された議事録で金利上昇が遠のいたとみたマーケットが180ドルの株価上昇で報いたが、しょせん金融政策で何とかなるほど株価の将来は甘くないだろう。

QEで無理やりここまで持ってきた株価だが、これ以上は無理だろう。金融政策ではてこ入れは難しい。財政はどうだというと、これも歳出削減の嵐である。デフレしかないではないか。

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The tail waggles the dog(尻尾が犬を振り回す)

2014年3月12日

新しい本の構想を練っている。

どうも米国の現状について何かがおかしいのではないかと考えている。去年の暮れから今年の初めのマーケットの雰囲気はいよいよ米国経済はリーマンショック後の不況から復活、新しい成長の時代に入った。したがって米国の株式相場はさらに上昇が期待できるというものであった。

2002年のIT バブル破裂後の最安値から4年半たった2007年の春に、NYタイムズが特集を出した。ITバブル後の経済がようやく本格的な回復し、新しい成長の時代に入ったとして、米国の著名大企業の経営者、著名エコノミスト等の、肯定的なコメントを集大成したものであった。

ご案内の通りそのタイミングはまさに不動産バブルの頂点でその後のリーマンショックで2009年の3月まで株が暴落したのは記憶に新しい。その2009年3月から4年8カ月ぐらいたった昨年11月あたりから、米国経済本格成長開始説が流布され始めた。

ではこの説は底から4年半というタイミングを除けば、確かにそうかも知れないと思わせるものがある。特にフィーバーが盛り上がっているとも思えないし、米国経済に死角はないように見える。

しかしチャートでみると、株価はこれ以上上がれないところまで来ている。ということで実体経済をつぶさに観察するとあえて異常なものは米国の貧富の差の拡大であるということに気がつく。

これだけの貧富の差があって、米国経済が本格的に成長できるというのは考えにくい。というのは米国経済の成長、あるいは消費の伸びというのはほとんどがトップ5%の所得層が引っ張っているということで、後の95%はほとんど横ばっている。

トップ5%は量的金融緩和による資産価値の上昇で最も利益を受けた層であり、その人たちの不急不要の消費活動が、株価上昇、消費拡大の流れを作り出してきたものと考える。これ以上株価が上がらなくなれば、5%層の消費は増えなくなり、株価が下がれば消費は減少する。

つまり尻尾(株価)が犬(経済)を振り回す事態が大いに起こりうるということである。しかもFRBは量的金融緩和の縮小に着手している。資産価格の上昇を支えてきた史上最大の大介入が終わる。これが危機的と言わずになんというのだろう。

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米国株の限界

2014年2月10日

米国のメディアでは、景気が良いのに株安とはこれいかに。尻尾(株)が犬(経済)を振り回していると言っている。

株価が落ちると景気が悪くなるというのは結構高い確率で起こる。エド・ハイマン(著名マーケット・エコノミスト)によると2010年、2011年、2012年と株価急落の後には必ず弱い経済指標が見られた。

さて今回の米国の景気回復は一体誰が引っ張ってきたか。2012年には所得トップ5%の人たちが国内消費の38%を占めている。1995年には同じグループの国内消費の割合は28%であった。もっと凄いのは2009年のリセッションが終わってからインフレ調整後の消費はこの5%グループが17%の伸びを示している。

あとの95%はたったの1%の伸びである。もう少し範囲を広げると2009年から2012年までのインフレ調整後の消費の増加の90%は所得トップ20%の家計が行っている。その結果高級ホテル、高級レストラン、高級デパートは絶好調である。

また貧困層相手の安売りのチェーンもそこそこ頑張っている。駄目なのは中産階級を相手にしてきた中級ホテル、中級レストラン、中級デパートで軒並み業績がガタ落ちである。80%の家計が落ちこぼれてきている中で、景気が強く回復できるのは難しいだろう。

このトップ5%の家計はいわゆるDiscretionary Spending(不急不要の支出)を資産価格の上下動とスライドさせることから株価、不動産などが好調のときは消費が増大するが、資産価格が下落すると消費が止まる。株価は何時までも上昇するわけではない。

したがって株価の上昇が止まると、この層の消費が止まる。したがって景気が悪くなるということで、この極めて限られた層に引っ張られる景気回復は意外と脆いことが考えられる。株価が上昇し、消費が増えるというスパイラルは永遠には続かない。特にその消費の伸びが5%の富裕層に限られている米国の場合は、景気が大きく失速するリスクも高いだろう。

株価下落によって景気が悪化するというのは以上のようなメカニズムでありうるのである。景気が良いのに株価が下落するのはおかしいというのは株価には一定の時間で上がれる限度があるという相場の特性を理解せず、株価は経済の変数であると考える誤った概念に毒された人たちの妄言であろう。

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年頭に株価を想う

2014年1月14日

2013年はこと株式市場に関しては殆どの予想が外れた年であった。誰が日経225の16,000円超えを予想しただろう。

また米国株の20%以上の上昇もおそらくきわめて少数の人しか予想できなかった。昨年の今頃はオバマ増税により、景気の悪化が懸念された上に、さらなる財政支出強制カットを控え、マーケットは弱気派が圧倒的に多かった。

正直筆者も米国株には弱気であった。しかし日本株については強気であった。考えてみると、日本株に強気で、米国株に弱気というのは1990年代のように日米の経済の方向が180度違っていた時には起こりえたが、今のように世界の株式市場がシンクロする時代にはあり得ないことであったかもしれない。

そういう意味で2014年も日米株式はシンクロナイズすると見たほうがよいだろう。そうするとアベノミクス2年目の今年は日本株の加速上昇を見る人が多い。さらに米国経済の上昇も加速するのではないかとみるエコノミストが圧倒的に多い。従って当たり前に見れば今年も株式市場は好調とみるのが一般的だろう。以上の強気の見方は確かに強力で死角がないように見える。

問題は二つあるだろう。

一つは米国株が2009年3月の底から19四半期上昇を続けていることである。今までの相場を振り返ってみると5年が上昇の限度である。20四半期である。従ってこの相場の上昇はあっても3月までである。

もう一つは、SP500 の1,800超え(年末1,848)は1982年のロウ101から計って四半期足で54度線に丁度ぶつかっている。またNASDAQの年末4,176の引けはITバブル天井2000年3月の5,132からの100カ月目から下方に36度線を引いた4,200のレベルに接近している。このラインは強力レジスタンスであり、恐らくそうは簡単に抜けない。

以上から時間(日柄)プライス(値ごろ)の相場の2大要素は強気相場の持続の難しさを示唆している。あとは人気であるが圧倒的に強気相場の見方が多い。日本株も、多くの評論家の見方では死角のない上昇相場との予想が多い。確かに日本株は強そうに見えるが以上の米国株の状況を見るとどうしてもそれほど強気になれない。

今年も筆者の予測が外れるかどうか。株式弱気説は驀進する特急列車の前に身を投げ出すような行為である。賢い人はそういうことはしない。筆者は一種の馬鹿なのだろう。でもやはり株価は下がるように見える。

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