パナソニックの社内ベンチャー企業「アクティブリンク」(奈良市)は11日、体に着けて重い物の上げ下ろしを楽にする「アシストスーツAWN―02」を公開した。物流や農業などで、力仕事をする高齢者に使ってもらうのが狙いで、2015年度中に売り出す計画だ。

 アシストスーツは、横から見ると「く」の字形に曲がるフレームを、背中から腰、太ももにかけてベルトで固定して使う。物を持ち上げようとすると、センサーが動きを検知して、二つのモーターがフレームをまっすぐになるように動かし、上半身を起こすのを助ける。

 本体の重さは充電池を含めて約8キロで、1回の充電で150分使える。機能を腰の補助に絞ることで部品を減らし、価格は50万円程度に抑えるという。昨年から大阪港の倉庫で実験しており、今秋からは福井県の農家でも実験を始める。

 アクティブリンクには昨年、三井物産も出資。全身を支えるスーツの研究も進めており、災害現場や原子力発電所などで使えるようにするのが目標だ。藤本弘道社長は「日本は労働力人口が少なくなり、市場が伸びないわけがない」と期待をかける。(山村哲史)