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満員電車や夜道の一人歩きで、ふと不安になる女性の気持ちは男性には分からないものだろう。いつ痴漢や性的暴行の犠牲になるかも分からない女性達は、常に危険にさらされているといっても過言ではない。

そんな犠牲者の一人になってしまった米女子大生の抗議運動が、注目の的となっているので紹介したい。性的暴行の現場となったマットレスをキャンパス内で常に持ち歩き、「犯人が罰を受けるまで止めない!」と主張する彼女のニュースが、大きく取り上げられているのである。

・大学側も警察も動いてくれず

米名門コロンビア大学の4年生エマ・サルコウィッツさんは、2年前学生寮の自室で、同大学の男子学生から性的暴行を受けてしまった。さらにエマさん以外にも女子学生2人が、同じ4年生の男性から性的暴行を受けていたことが発覚したのだ。彼女達は、大学側に苦情を訴え警察にも届け出たが、とり合ってもらえなかったという。

・マットレスを担いで抗議

そこでエマさんは新学年が始まると、新しい教科書を詰めたバッグを背負う代わりに、抗議の意を表すために、暴行現場となったマットレスを担いでキャンパス内を歩くことに決めたのである。容疑者が相当の罰を受けるまで、マットレスを担ぎ続けるというのだ。

・ビジュアルアート専攻の学生として抗議を作品の一部に

ビジュアルアートを専攻する彼女は、抗議を「Carry That Weight(重荷を背負う)」と題したプロジェクトの一環として行っている。問題の男子学生が退学になれば抗議は終わるが、そうでなければ、卒業までマットレスを担ぎ続けることになる。

・一生抱えていく心の傷をマットレスに託す

ここでハッキリさせておきたいのは、彼女が伝えたいのはレイプされた事実や暴行現場ではない。マットレスという大きな物を担いで歩くことで、“彼女が負った心の傷” を現しているのだ。

レイプの犠牲者になってしまったという心の傷は、一生消えない。女性としての貞操や清さを奪われてしまったという、心の十字架を抱えて生きていかなければならない気持ちは、経験者にしか分からないだろう。筆者の想像を絶するエマさんの気持ちを考えると、一女性として心が痛んでならない。

・手助けしてくれる学生も

最初は、マットレスを担いでキャンパスを歩くことに不安を感じていたというエマさんだが、好奇の視線を浴びることにも慣れたという。そして、彼女の抗議とプロジェクトを知った学生が、マットレスを運ぶのに手を貸してくれることもあるそうだ。

電車でも女性専用車両に乗れるのなら、そちらを選んでしまうのが女性心理である。エマさんも、「いつでも性的暴行の犠牲者になる可能性がある」と語っているが、女性側が、男性に誤解されるような言動をしないことも大切なのではないだろうか。

参照元:YouTubethe guradianfox13(英語)
執筆:Nekolas

▼マットレスを担いで抗議をするエマさんのインタビュー動画はこちら

▼かなり大きいマットレスを運ぶのは大変そうだ
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▼マットレスを運ぶのを手伝ってくれる学生の姿も
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▼友達とのお喋りの時間も、そばにはマットレスが……
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