坂本、強襲V打!「尚広さん、様々」三盗狙いが生んだ1点
2014年9月11日6時0分 スポーツ報知
◆阪神1―3巨人(10日・甲子園)
自然発生した“ランエンドヒット”だった。同点で迎えた8回1死二塁、1ボール1ストライクから二塁走者の鈴木が「単独でいきました」と三盗を狙い、スタートを切った。これに対し、打席の坂本は「狙ったボールを強く振りました」と福原の147キロ直球を叩いた打球は、遊撃・鳥谷のグラブをはじく内野安打。一気に鈴木が勝ち越しのホームを陥れた。
このプレーは、すでにベンチから始まっていた。走塁のスペシャリストの鈴木には、自分の判断で自由に盗塁できる「グリーンライト」が与えられている。この回からバッテリーが福原―鶴岡に代わり、ベンチから見ていた鈴木は、自分が代走で出た場面を頭の中でシミュレーションしていた。「自分の中でタイミングを合わせていました。セカンドでもチャンスはあるなと思っていました」
そして、先頭の長野が左前安打で出たところで、代走で登場。橋本の3球目で二盗を狙いスタートを切った。結果的に橋本の犠牲バントとなったが、「いける」という手応えを得た。
鈴木が走者にいることで、打者にも有利な状況が生まれた。相手バッテリーは暴投や捕逸で進塁されることを警戒し、変化球が投げづらくなる。だからこそ、坂本は直球に狙い球を絞ることができた。「尚広さん、さまさまです」と坂本。川相ヘッドコーチは「鈴木はフリーで走ったけど、(坂本)勇人が好球必打で、結果的にランエンドヒットの形になった」と説明した。背番号12の存在感が生んだ決勝点だった。(井上 信太郎)