【DeNA】山口、プロ初完封!9年目「やっと」
◆DeNA2―0ヤクルト(10日・横浜)
DeNAの山口がプロ9年目で初完封し、7勝目を挙げた。力のある直球を軸にヤクルト打線を4安打に抑え、初の無四球も記録した。打線は梶谷が2試合連続の初回先頭打者本塁打を放ち、試合を優位に進めた。ヤクルトはドラフト1位ルーキーの杉浦がプロ初登板で先発し、6回2失点で9Kを奪う力投も及ばず、2戦連続の零敗を喫した。
「先発・山口」の象徴でもあるツーシームで、川端を左飛に仕留めた。「やっとできました」。プロ初完封で7勝目。無四球、4安打の快投だ。前回登板となった3日の阪神戦(甲子園)では、プロ初完投をマークしたばかり。堂々の2試合連続完投だ。汗びっしょりで117球を投げきった。
「久保さんが崩してくれたので、本当に投げやすかった」。前日には、ベテラン右腕がヤクルト打線を幻惑し、無四球完封勝ち。相手が「タイミングを取りにくそうにしている」と察知し、心理面でも優位に立った。7回無死一、三塁で雄平を捕邪飛、畠山はフォークで遊ゴロ併殺に仕留めた。
6月1日のロッテ戦(QVC)で抑えから先発への配転を告げられた。それまでの力任せから、実は「得意だった」とカーブやツーシーム、中継ぎの林に教わったスプリットを活用した。ここ3試合は計26回を2失点。器用さも成功の支えだ。
体重は転向時から2キロ増の100キロ。「特に(減量を)意識しなくていい」とリズムをつかんだ。決めているのは登板2日前の禁酒、食事は野菜から食べるというルール。中6日の調整で5日間受けるマッサージも「張りを残すように」と工夫を加えている。
狭いハマスタでの2試合連続完封勝利は、09年5月8、9日以来。ともに完投なら87年4月29、30日(新浦、欠端)にまでさかのぼる。さらに、今回はともに無四球だけに価値がある。中畑監督も「心技体、一つになった結果」と褒めあげた。CS圏内の3位・阪神へ3・5差。「これからが大事。全勝するつもり」と息巻く剛腕が、猛追ムードを生み出した。(長田 亨)