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朝日新聞「吉田調書」記事取り消し 編集トップ解任 慰安婦報道で第三者委

「吉田調書」記事取り消し 退席する木村社長と杉浦氏
記者会見を終え退席する朝日新聞社の木村伊量社長(右から2人目)。右端は杉浦信之取締役編集担当
Photo By 共同 

 朝日新聞社の木村伊量社長は11日、記者会見し、東京電力福島第1原発の吉田昌郎元所長=昨年7月死去=が原発事故当時の状況を語った「聴取結果書(吉田調書)」に関して、5月に掲載した記事を「間違った記事と判断し、取り消す。読者の信頼を大きく傷つけた」と謝罪した。

 その上で「編集部門の抜本改革など再生に向けて道筋を付け、進退を決断する」と引責辞任する考えを示唆した。当面、役員報酬を全額返上。報道部門の最高責任者である杉浦信之・取締役の編集担当の職を解き、関係者を厳正に処分するとした。

 一方、従軍慰安婦をめぐって1980〜90年代に出した記事を今年8月に取り消したことにも「誤った記事を掲載したこと、訂正が遅きに失したことについておわびする」と謝罪。過去の報道を検証するために有識者による第三者委員会を設置すると明らかにした。

 ジャーナリスト池上彰氏が同紙に連載しているコラムで、朝日新聞の慰安婦報道検証の在り方を批判しようとした際、いったん掲載を拒否したことには「責任を痛感している」とした。

 「信頼回復と再生のための委員会」(仮称)も設置する。

 吉田調書は政府の事故調査・検証委員会が作成。同社は5月20日付朝刊でスクープ記事として、吉田調書などを基に「所員の9割が吉田氏の待機命令に違反し撤退した」と報道した。しかし調書によると、吉田氏は命令違反と認識していなかった。

 木村社長は「調書を読み解く過程で評価を誤った。記者の思い込みと、記事のチェック不足が重なった」と誤った理由を説明した。喜園尚史・広報担当執行役員は、この報道を「虚報」などと批判した他のメディアに出した抗議について「誤った事実に基づく抗議で、撤回しおわびしたい」と述べた。

 誤報の影響について、同社の第三者機関「報道と人権委員会」に審理を申し立てたという。

 同社はこの記事を含む一連の報道を2014年度の新聞協会賞に申請したが、受賞はしなかった。

 ▼ジャーナリストの田原総一朗さんの話 朝日新聞は8月5日朝刊で従軍慰安婦をめぐる自社の報道について総括したが、大いに不満だった。謝罪の言葉がなく、責任も取らず、自分たちを被害者としていた。読者をだまし国際社会に影響を与えた加害者としての責任を取っていない。なぜあのような間違いをして、30年間も総括できなかったのか。第三者機関での検証を決め、社長が辞めることまでにおわせたことは評価する。

[ 2014年9月11日 20:56 ]

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