女子53キロ級決勝でスウェーデン選手(手前)を攻める吉田沙保里=タシケント(共同)【拡大】
「リオデジャネイロ五輪まで気を抜かずに、もっともっと研究して強くなる」
向上心に衰えは見られない。ロンドン五輪ではセコンドについた栄勝さんを肩車し最高の親孝行をした。10月で32歳を迎える霊長類最強の女は、遺影に金メダルを近づけた。周囲からは、父の胸にメダルが下がっているように見えた。
★2016年リオから五輪は6階級で実施
国際レスリング連盟は昨年12月、2016年リオデジャネイロ五輪などで実施する階級を発表。女子は従来の4階級から6階級へ増えた。それまで吉田が戦ってきた55キロ級は五輪での実施がなくなったため、吉田は53キロ級へ階級を下げた。
吉田 沙保里(よしだ・さおり)
1982(昭和57)年10月5日生まれ、31歳。三重・一志町(現津市)出身。3歳でレスリングを始め、三重・久居高-中京女大(現至学館大)-ALSOK。2000、01年に世界ジュニア選手権を連覇。01年12月から08年1月まで公式戦119連勝。五輪は04年アテネ、08年北京、12年ロンドンと3連覇を達成。12年11月には国民栄誉賞を受賞。レスリングの新階級導入に伴い、これまでの55キロ級からことし53キロ級に転向。1メートル57。
データBOX
◎…吉田は世界選手権12連覇と五輪3連覇を合わせ、15大会連続世界一。男子グレコローマンのアレクサンドル・カレリン(ロシア)の12大会連続を2012年に抜き、さらに更新した。
◎…世界選手権初出場だった02年大会から五輪と合わせ、世界大会は71連勝。
◎…吉田は01年12月から08年1月のW杯(国別団体戦)でマルシー・バンデュセン(米国)に敗れるまで119連勝。その後、58連勝したが、12年5月のW杯でワレリア・コブロワ(ロシア)に敗れた。以降、ロンドン五輪から30連勝中。
◎…個人戦に限ると、02年4月のジャパン・クイーンズカップから50大会連続優勝で、この間は184連勝。
レスリング世界選手権
国際レスリング連盟が主催する大会で、女子は基本的に毎年実施(男子は五輪開催年を除く)。男子グレコローマンは1904年、フリースタイルは51年、女子は87年から実施。今年はウズベキスタンのタシケントで開催。階級の変更に伴い、今大会から全種目8階級で行われる。
(紙面から)