経団連:政治献金の呼びかけ再開表明 5年ぶり
毎日新聞 2014年09月08日 20時26分
経団連は8日の正副会長会議で、会員企業・団体に対して政治献金を呼びかける方針を確認した。経団連による献金への関与は5年ぶり。榊原定征(さだゆき)会長は会議後の記者会見で「日本経済再生のための成長戦略を進める健全な政党への寄付を呼びかける」と献金先は自民党を念頭に置いていることを示唆。献金は企業・団体の自主判断に任せるとしながらも、経団連として促す考えを表明した。
会長の助言機関である11日の審議員会議長・副議長会議を経て正式決定する。
榊原会長は「徹底的に政治と経済が手をつないで日本を立て直さなければいけない」と説明し、安倍晋三政権と協調していく姿勢を鮮明にした。「カネで政策を買う」との批判も強いが、榊原会長は「民主政治を維持するコストを払うのは企業の責任」と主張した。
経団連は1993年、ゼネコン汚職など政治とカネの問題への批判から非自民連立政権が発足したことを踏まえ、企業・団体に金額を割り振って献金を求めてきた「あっせん」方式を廃止。ただ、奥田碩(ひろし)会長時代の2003年、献金を「社会貢献の柱の一つ」と表明し、04年に関与を再開。政党の政策を5段階で評価して、献金額の目安を企業に示し、企業の自主判断に基づく献金を促してきた。しかし、民主党政権が発足した09年以降、政策評価と献金への関与をやめていた。
榊原会長は、奥田会長時代の方針を基本的に踏襲し、経団連はあっせんせず、献金や金額は企業の自主判断に委ねる考えを示した。ただ、昨年復活させた政策評価と献金は直接結びつけない意向も示した。【川俣友宏】