フォーク史上に残る、屋外オールナイトコンサート
1975年、静岡県掛川市の
つま恋で屋外オールナイトコンサート“
拓郎・かぐや姫 イン つま恋”が行われました。たった1回のコンサートでの6万人という観客動員は驚異的な数字で、当時の掛川市の全人口に匹敵する人数です。1970年代前半は吉田拓郎の「結婚しようよ」が大ヒット、また井上陽水のアルバム『氷の世界』が日本初のミリオンセラーを記録するなど、まさにフォークブームが隆盛を極めた時代でした。そんな中で行われたこのコンサートは、
フォークブームの頂点を示すモニュメントとなったのです。
吉田拓郎の「朝までやるよ!」という一言で始まったこのコンサートでは、当時人気絶頂の拓郎がなんと59曲を、かぐや姫はヒット曲の「神田川」をはじめ26曲を熱唱。ゲストの演奏曲も入れると計109曲もの演奏が一晩で行われました。特にコンサートの最後、拓郎の「人間なんて」では、6万人の観客が夜明けに向かって何十分もの大合唱を続けました。その熱狂と一体感はまさにフォークという時代のクライマックスだったのかもしれません。
その後
荒井由美、
サザン・オールスターズ、オフコース、山下達郎などがヒットチャートに名を連ねはじめ、日本のミュージックシーンはフォークから
ニューミュージックへと変貌していきます。“拓郎・かぐや姫 イン つま恋”で6万人が迎えた夜明けは、後に始まるニューミュージック、
J-POP時代の夜明けでもあったのです。
神田川 作曲:南 こうせつ
1999 YAMAHA CORPORATION
- ※おんがく日めくりの更新は2002年10月をもって終了しました。
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