朝日新聞:「慰安婦」「吉田調書」…社長、誤報認め謝罪
毎日新聞 2014年09月11日 19時50分(最終更新 09月12日 01時21分)
さらに、慰安婦問題の吉田証言については「虚偽だろうということで取り消した」としたが、強制連行そのものについては「慰安婦自らの意思に反した、広い意味での強制性があったと認識している」と述べた。
朝日新聞は報道部門の責任者である杉浦取締役の職を12日付で解き、木村社長を進退を判断するまでの間、全額報酬返納とする処分も発表した。社内常設の第三者機関で吉田調書報道を検証。慰安婦問題報道については社外の弁護士やジャーナリストらの第三者委員会を設立し、取材の経緯や影響を検証する。
同社の吉田調書報道は米紙ニューヨーク・タイムズなど多くの海外メディアにも引用された。これについて杉浦取締役は「おわびしなければいけない点。早急に英文で(撤回の記事を)発信したい」と話した。
朝日新聞は11日、杉浦取締役を取締役社長付とし、杉浦氏の後任に西村陽一・取締役デジタル・国際担当、西村氏の後任(執行役員)に大西弘美・役員待遇経営企画室付を充てる人事を発表した。いずれも12日付。【奥山智己、堀智行】
◇記者会見のポイント◇
▽5月20日付朝刊「所長命令に違反 原発撤退」の記事について、社員らが現場から逃げ出したかのような印象を与えたのは間違いで記事は取り消す
▽杉浦信之取締役編集担当の職を解くなど関係者を処分。木村伊量社長も編集部門などの抜本改革に道筋をつけたうえで進退を判断
▽従軍慰安婦問題に関する記事について、誤った記事を掲載し訂正が遅れた点を謝罪
▽社内の第三者機関「報道と人権委員会(PRC)」で誤報の影響を審理するとともに、歴史学者らでつくる第三者委員会を設置し、従軍慰安婦問題に関する記事の訂正の経緯などを検証