朝日新聞:「第三者委員会で徹底的に検証したい」 「吉田調書」会見一問一答(4)止
2014年09月11日
−−木村社長の後任も、記者の実名ツイッターで批判する自由は認めるか。
木村 社長への批判でも、自由な言論は朝日新聞の幹部である以上、認めるのは当然のことだ。
−−クマラスワミ国連報告への影響は?
杉浦 慰安婦報道がどう影響を与えたのか。朝日だけでは難しい。第三者委員会に検証をゆだねたい。
−−検証でクマラスワミ報告に触れていないのは。
杉浦 触れる必要はないと判断した。
−−報道機関にとって誤報はつきものと思う。しかし、なぜここまで大きなことになったのか。
木村 冒頭説明でも申し上げたが、根底を覆すことが起きた。読者、東電関係者にもご迷惑をかけた。一部の記者の問題だったのか、もっと根深い問題なのかを含めて、社内での委員会で検証し、第三者委員会で徹底的に検証したい。
−−現時点ではわからないということか。
木村 現時点では記者の思い込み、チェック不足が重なったと判断しているが、別の問題があるのか検証したい。
−−取材現場から声がないと再生がない。
木村 吉田調書の問題は、朝日新聞自ら全社で検証する。編集担当とともに話を進めている。「原発とメディア」という連載もした。蓄積を生かしながら、検証をする。朝日新聞という資産を使って検証を進めていく。
−−ご説明だと、何が誤りかがわからない。
杉浦 所長命令は事実だと思っているが、意図的に背いたという事実は無かった。逃げる印象を与える記事は間違いだった。
−−命令があったという事実の根拠は?
杉浦 テレビ会議で第1原発の線量の低いところに退避という命令は音声が記録している。
−−所員は線量の低いところがあれば第1、ダメなら第2原発にいくということになったのでは。条件付きの命令では?
杉浦 ご指摘の通り。命令はあったと思いますが、やむを得ない事情も含め違反としたのが、過ちだったと思っている。これも検証する。
−−信頼回復委員会の具体的中身を。
杉浦 各本社の局長中心。大阪や名古屋も挙げて全社挙げて参加する。
−−調書を読むと、あのような報道にはならない。方向性が決まっていて都合のよい発言を引っこ抜いたのでは。慰安婦報道と同じ構図ではないか。
杉浦 都合よくねじ曲げたことは全くない。ご批判は承知しているが、慰安婦報道を含めて、事実に忠実にということに変わりはない。
−−報道で被害を受けたのは吉田さんのご遺族や福島第1原発の所員。彼らへの直接謝罪はあるか。
杉浦 何らかの形で真剣に対応したい。