【西武】森、史上初の高卒新人代打3発!9回登場で一時逆転

2014年9月10日6時0分  スポーツ報知
  • 9回1死二塁、右越えに逆転2ランを放つ代打の森

    9回1死二塁、右越えに逆転2ランを放つ代打の森

 ◆ロッテ3x―2西武=延長11回=(9日・QVCマリン)

 迷いはなかった。無心でしばき上げた。ドラフト1位・森の打球は破壊音を響かせながら、バックスクリーン右に突き刺さった。起死回生の一発。「ストライクなら何でも、初球から振ろうと決めていた」。歓喜に沸くベンチのハイタッチの出迎えに、170センチの身長を目いっぱい伸ばして応えた。

 1点を追う9回1死二塁。西野の初球、真ん中低めのフォークを捉えた。代打で一時は逆転とする4号2ラン。代打では高卒新人初の3発となり、通算10打数6安打5打点。神様、仏様、森様が、窮地でまばゆい光を放った。

 8月に3戦連発を放ったが、最近は14打席無安打が続いていた。6月に2軍打撃コーチから昇格した高木打撃コーチは言う。「ファームでも100打席くらい立ったときにスランプがあった。低めに落ちる球を我慢できず、振らされていた。打席の中で迷いがあった」

 「自分の良さは何なんだ?」。高木コーチの問いかけに、森は答えた。「来た球を思い切り打つことです」。1軍でも、シンプルな打撃でプチ不振を脱却。「状態は悪くなかった」と15打席ぶりの快音で豪快なアーチをかけた。

 1週間ぶりのリベンジも果たした。2日の同カード(西武D)。9回の代打で、西野のフォークに一ゴロに倒れた。「ボール1個分上なら右翼線二塁打。1個半上だったら本塁打だった」と宮地打撃コーチ。同じ投手の同じコース、球種を今度はスタンドに放り込んだ。

 チームは延長11回の末、今季5度目のサヨナラ負けで5位転落。「(勝ちにつながればよかった?)そうですね」と19歳は唇をかみ締めた。森のバットよ。低迷する獅子を、よみがえらせろ。(山崎 智)

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