原巨人、4回一挙6点!メッセ撃ち
◆阪神2―8巨人(9日・甲子園)
虎党のため息をよそに、巨人打線はどこまでも、どこまでもつながった。4回。先頭・坂本の左前安打を手始めに、阿部の四球を挟んで5連打をマーク。今季1度も勝てなかったメッセンジャーを、チーム一丸で打ち破った。
坂本と阿部が作った無死一、二塁から、亀井が左前安打で満塁とした。ここで村田が「センターから逆方向を意識していた」と148キロ直球を中前にはじき返すタイムリー。ロペスも外角スライダーに泳ぎながらも、三遊間を抜ける2点適時打を放つ。さらには片岡も左前安打でつないだ。ここでメッセンジャーは降板し、4回途中6安打8失点でKOした。原監督は「今日はそれぞれ出ている選手に、今までの(対戦した)ものを生かして、自分で対策を立ててくれと伝えた。その中で、いい結果が出たと思う」とナインをたたえた。
この試合まで今季7度対戦し、0勝4敗、防御率1・94と抑え込まれてきた。198センチから振り下ろす150キロ超の直球に加え、打者の手元で変化するツーシーム、高速スライダー、さらにカーブ、フォークも操る。剛と柔を兼ね備える右腕に手を焼いてきた。過去、狙い球を絞るなど対策したが、結果は出なかった。
この日はチーム全体での指示こそなかったが、共通していたのは“つなぐ”意識だ。以前から橋上打撃コーチは「普段大きいのを求められている打者も、軽打を意識する必要がある」と中堅から逆方向への打撃を徹底する必要性を説いていた。4回の5連打は、すべて単打。主力選手はこれまで20打席前後立っており、それぞれ狙い球は違ったが、みなコンパクトなスイングを心がけていた。
さらに試合前のフリー打撃では、打撃投手がホームベースから今までで最も短い12メートルの位置で投げ、速球対策も行っていた。亀井は「もうチーム一丸。何たって最強のピッチャーだからね」と胸を張った。クライマックスシリーズでも戦う可能性のある相手を、ここで叩けた。1勝以上の価値がある白星だった。(井上 信太郎)