菅野、虎に引導！同い年・錦織に「負けてられない」

　１０日の阪神戦（甲子園）で４０日ぶりに１軍復帰する巨人・菅野智之投手（２４）が８日、離脱の借りを返す快投を誓った。右手中指の腱（けん）の炎症は完治。「（阪神を）しっかり封じ込めないといけない」と決意を示した。テニスの全米オープン男子シングルスで決勝へ進出した錦織圭（２４）＝日清食品＝の快進撃にも刺激を受けた。まずは４・５ゲーム差の３位・阪神を突き放す。

　指にかかった直球に威力があった。菅野は不安なく、全力で右腕を振った。Ｇ球場の室内練習場でブルペンに入り、スライダー、フォーク、カットボールなど５球種を投じて計４４球。「何も問題ないです。チームに迷惑をかけてきたので、しっかり存在感を示すことが大事だと思っています」。１０日の阪神戦に向け、万全の状態をアピールした。

　右手中指の腱の炎症のため、８月４日に出場選手登録を抹消された。前半戦はフル回転して９勝を挙げたが、後半戦は未勝利。「開幕投手を任せてもらった以上、そのシーズンはお前を中心で回すぞ、ということだと思ってやってきた。その中で離脱したことは悔しいですし、責任を感じています」。夏場にチームの力になれず、巻き返しに燃えている。

　復帰戦は敵地、甲子園。レギュラーシーズン最後の阪神３連戦だ。開幕戦でも戦った阪神には今季、２登板で１勝１敗、防御率０・６４。「今は失速気味ですが、乗せたら怖い相手というのは分かっている。今後の戦いもあるので、しっかり封じ込めないといけないと思います」。クライマックスシリーズで戦う可能性があるだけに、嫌な印象を植え付けるつもりだ。

　発奮材料がある。同じ１９８９年生まれの男子テニス・錦織圭が、全米オープンで日本人初の決勝進出。「同い年ですし、結果は気にして見ています。世界の舞台で活躍している姿を見ると同じ日本人として誇りに思いますし、自分も負けていられないと思います」。同世代のアスリートの快挙に大きな刺激を受けた。

　チームは９日から９連戦。９日に勝ち、２位・広島が中日に敗れれば優勝マジック１８が再点灯する。原監督はＪＲ新横浜駅で「９連戦だけど、９という数字は考えない。一つ一つ」と強調。菅野には「じっくりと時間を与えたわけだから、いいスタートを切ってもらいたい。リスタートだ」と期待した。

　大竹が右肩の違和感のため７日に２軍落ちし、１４日（ＤｅＮＡ戦）に投げる代役が未定。この先、安定した先発ローテーションを組むためにも菅野の完全復活は欠かせない。「レギュラーシーズンだけでなく、ＣＳ（クライマックスシリーズ）、その先もある。何度も言うように、存在感を示すことが大事だと思います」。２年連続２ケタ勝利を達成して、日本一をつかむまで突っ走る。（片岡　優帆）

　◆Ｇ菅野の経過

　▽７月１６日　ヤクルト戦（東京Ｄ）で、二ゴロを打った際の衝撃で右手中指を負傷。

　▽８月１日　広島戦（東京Ｄ）に先発し、６回６安打２失点で勝敗つかず。

　▽４日　患部の腫れが引かず、プロ入り後初めて出場選手登録を抹消。

　▽１４日　キャッチボール再開。３０メートルまで距離を延ばして、計７０球。

　▽２１日　ブルペン投球再開。捕手を立たせて２６球、中腰で１４球の計４０球。

　▽２３日　腰に違和感を訴え、予定していたブルペン投球を回避。

　▽２９日　腰が順調に回復し、ブルペン入り。捕手を立たせて１４球、中腰で２６球の計４０球。

　▽３１日　腰の違和感を訴えてから初めてブルペンで捕手を座らせて５４球。

　▽９月４日　イースタン・ロッテ戦（Ｇ球場）で３４日ぶりに実戦復帰。先発で２回４６球を投げ、７安打３失点。

　▽７日　１軍に合流。