おはようございます。
六代文枝でございます。
このごろサラリーマン川柳っていうのが人気ですけど川柳っていうのは五七五たった17文字で面白い事を言ってそしてイメージさせて。
たった17文字で笑いをとるんですからすごいもんですよね。
1位になったのを見て笑いましたね。
「うちの嫁後ろ姿はふなっしー」。
1位なったはいいんですけども作った人どうなんですかね家ん中で…。
えらい目に遭うてるんじゃないでしょうかね。
さて今日の「演芸」でございます。
夫婦漫才の東京太・ゆめ子さん。
そして落語は春風亭一之輔さんで「加賀の千代」です。
どうぞ。
(拍手)いらっしゃいませ!だけどあの〜あれだねあの…何かあの…あれだよねあの…何かあの…そんなあれだよ…。
ああそうですね。
はいはい。
何があれなの?だからあの〜かあちゃん。
何?帰ろうよ。
何言ってんですか。
今来たばかりですからね。
かあちゃんといえば夫婦でございます。
決して親子ではございません。
(笑い)
(2人)ねっ!でもねこの間もね田舎の方から連絡があって行ってきたんですけども。
そういえば行った。
栃木県でね実家は農家です。
農家?オ〜イエス!
(笑い)この間連絡があってね久しぶりに何の連絡かなと思ったら。
何だっけ?同窓会をやろうっちゅう事…。
同窓会?そう。
小学校の同窓会なんですよ。
ちょっと待って。
小学校!?そうなのよ。
小学校っつうとあなた…。
小学校出てから初めての同窓会。
すごいわね。
だから悩んでたの俺。
何で?行こうかよそうか同窓会っつって。
いや〜でも大体どういう話題か目星つくわね。
大体分かる。
「お前血圧はどうか?」とか「コレステロールはどうした」とかそういう話題ばっかりでしょ。
いやそういう話出なかったの。
へえ〜。
もうほとんど糖尿。
何を言ってんですかね。
いやでもあれですよあの…あれだよあのね結局話盛り上がったのはねそら健康の事もそうだけど…。
それが一番でしょ。
だから人間何が大事かって健康だからね。
本当にそうですよね。
俺最近思うけどね俺健康だったらね命はいらねえもん。
(笑い)ちょっと違うけどね。
でも中には大事にしたってやっぱり入院してたやつもいてね。
あっそう?見舞いに行ったんですよ。
そらそうでしょう。
そしたらねやっぱりね年に1回の健康診断はやった方がいいんじゃねえかって言われて。
でしょ?珍しいんですよ。
「行け」って言って行った事がないんです。
でも俺行ってきたんだよ。
あれ何で?ちゅうのはね紹介してくれたお医者さんがね女のお医者さんだったんです。
(笑い)男はいくつになってもバカですよね。
私はずっと毎年言ってて行った事ないじゃない。
…で何で行ったの?だから女の先生紹介されたんで行ってきたの。
あっそう。
聞いたらその女の先生が美人じゃないっていうもんだから行く気になったの。
いやおかしいでしょ。
普通女の先生で美人だから行くんじゃないの?何言ってんのよ。
何?美人はうちで見慣れてるじゃん。
(拍手)もうね正直なだけが取り柄。
ねっ!ふあっ。
いや…で結局何でもなかったんだけどね。
ああそうよかったこと。
よかったねって事になって健康第一だねって。
本当にそうですよ。
でねみんな集まった時にねみんなほら子どもの頃ってみんな夢があったじゃないですか。
ありましたね。
大きくなったらこれになりたいっちゅうの。
やっぱりねそれぞれみんな夢実現していたよ。
へえ〜それすごくない?うん…ちゅうのはね俺の一番の親友だったウエノっちゅうのがいたんですよ。
ウエノさん。
ウエノ。
これは足が速くてねもうね運動神経抜群だったの。
あら〜。
川跳びなんか最高だったよ。
川跳び!?ちょっとした川…ちゅうのは俺子どもの頃ね栃木県って海がなかったんですよ。
多分今もない。
(笑い)そういえばなかったよ。
そうよ。
だから川で泳いで…。
あら残念だったわね。
オリンピックもうすぐなのにね。
若かったらオリンピック選手になれたかも。
ねえ。
だから結局はでも…。
…で今何やってるの?体育の先生ですよ。
あ〜…それがどうした?あっ?いやだってね足が速くて運動が優れてて体育の先生じゃそのまんまでしょ。
そのまんまですよね。
だってお客様ウエノさんご存じないのに。
「ウエノがな」つったって何ともない。
何で?「何で?」じゃないでしょ。
あなたは一応漫才師だから漫才師らしく面白おかしく表現しないと。
何言っての?あんた。
何で?漫才やってんのは俺だよ。
そうよ。
ウエノは漫才やってないんだよ。
分かってる分かってるよ。
そしたら面白くなくて当たり前じゃない。
何を言ってんですか。
それじゃ何ですか面白くって…運動神経抜群だったウエノは今悪い事して外国へ高飛びしたって言えばいいの?まあそれもいまいちだわね。
はいご苦労さま。
いまいち
(今市)っていうのは日光の手前だから。
じゃああとはねあとはねウエノ…あっオオミヤっちゅうのがある。
オオミヤさん。
これはね読書家でね暇さえありゃ朝から晩までずっと本読んでたの。
もう学校行く時も本読んでた。
えっ何で?薪しょって本読んでたから。
それ多分小学校の前の銅像じゃない?二宮尊徳さんの。
二宮先生の…必ずそこ行って挨拶してたの朝。
「銅像
(どうぞ)よろしく」つってね。
で抜群に…。
今何やってんの?今ね図書館の館長。
それがどうした?それだけだよ。
ねえ?そのまんまでしょっていう事よ。
そうだよ。
だから何言って…。
ほかに何か表現できないの?表現たって漫才やってんのは俺だよ。
そう分かってるよ。
オオミヤは漫才やってねえんだもん。
分かってるよ。
じゃあいいじゃないですかそれで。
何ですか本の好きだったオオミヤは今でもただで立ち読みしてるって言うの?僕は友達を売るような事できない。
いくら漫才とはいえ。
ちょっといまいちでしたね。
はいご苦労さま。
はい次いくよ。
次はどなた?かあちゃん。
何?その捨てた言い方やめて。
この「絶対立ち読みはウケるからやれ」ってうちで言ったのあんたじゃない。
覚えはない。
言った覚えはない。
言った覚えねえってやらしといてからウケなかった「はいご苦労」…それはなかっぱ〜。
普通でしょ。
自己責任でしょ。
自己責任ってうちで乗せといてNHKで裏切るっちゅうのあんた。
大げさよね。
大げさって夫婦ってそういうもんじゃないよね。
甘い甘い。
男はいつも甘いの。
夫婦ってそういうものなの。
そうなの?いいよもうそういう言い方するならいいよ。
何?もう俺は今日うちへ帰ったって茶わん洗わない。
(笑い)じゃあいいよ。
私ごはん作んないよ。
茶わん洗うよ俺が。
そうそうそう…。
それでいいのよ。
ただね最近はね夫婦で幸せだなと思うようになった。
今手つないで出てきたでしょ。
あ〜はいはい。
これなんか最近ね本当幸せだなと思うようになったわよ。
手つないでるんじゃないんですよ。
本当の事言うと私は手を引いてきてます。
(笑い)もうこれから24時間完全看護態勢。
手引いてんの?そうだよ。
幸せでしょ?うん…。
そう。
幸せだよ俺は。
そうよ。
考えてみたらこうやって漫才も一緒だしうちへ帰ったって一緒だしずっと一緒だよ。
はあ〜あ…。
(笑い)だからあれだよかあちゃんね。
「かあちゃん」やめてね。
「かあちゃん」はやめて。
私あんたを産んだ覚えはないから。
ごめんねばあちゃん。
(笑い)ばあちゃん?ほう〜という事はあんたじいちゃんだ?何この漫才はじいちゃんとばあちゃんの漫才?いいんじゃない。
これが本当の地場
(爺婆)産業。
(笑い)
(2人)ねっ!かあちゃんもう帰ろうよ。
どうもありがとうございました。
(拍手)かあちゃん手は?あ〜そうかそうだ。
忘れてた忘れてた…。
(拍手)
(出囃子)
(出囃子)
(拍手)え〜練習したような拍手を誠にありがとうございます。
一之輔でございまして。
まああの〜何でございますね男と女が世の中にはいる訳でどっちかと言うと今男の方がちょっとぼんやりしてる傾向はございますね。
電車なんか乗ってても車掌さんですか男の人はまあまあまだ多いですけどもね。
この間乗ってましたら「閉まるドアにお気を付け下さい。
イテッ!」って言った人はありました。
(笑い)まずお前が気を付けろという。
ご夫婦なんてのも同じようなもんで亭主の方がちょいとぼんやりしてるかみさんの方がしっかり者ぐらいがちょうどいいようでございまして。
「ちょっとお前さん!」。
「え?」。
「『え?』じゃないよ。
どうすんの?この書き付けさ。
借金どうすんの?これ」。
「『どうすんの』ってたっていやお金ねえから返せないよ」。
「しょうがないね。
じゃあさご隠居さんのとこ行って借りといで。
借りといでお金」。
「貸してくんねえと思うよ。
だっていつも行ってっからね。
『おめえのとこのべつだから駄目だよ』ってそう言われちゃうよ」。
「そんな事ないよ。
隠居さんはお前さんの事かわいがってるよ」。
「本当に?」。
「うんかわいがってるよ。
犬猫だってかわいがる人あるだろ?植木だってかわいがる人あるしね。
朝顔」。
「え?」。
「朝顔がさ」。
「何だよ?その朝顔って」。
「これ昔ね私がおっかさんから聞いた話でね加賀の国にお千代さんていうね大変にね俳句のうまい人があったんだって。
その俳句のうまいのが国中にフワッと鳴り響いてある日の事加賀の国のお殿様が『千代御前へ伺候せよ』ってこう言ったらしいよ」。
「殿様ってのは鷹揚に育ってっからそういう事平気で言えんだ。
四光なんっつうのはねそんな並大抵に出るもんじゃない。
俺はトメさんとこで一度出したきりだからね」。
「何の話だい?」。
「四光だろう?松に坊主に桜に桐だよ」。
「誰が花札の話してんだよ。
そうじゃないの。
偉い人の前に行く事を伺候ってんだよ。
ね?殿様が前で顔をこうやって下げてるってぇと『面を上げ』こう言われてこう上げる。
キリキリキリと御簾が上がってひょいと目に入ったのが加賀の国の紋梅鉢でしょ。
それ見て詠んだのが『見やぐれば香りも高き梅の花』ってんだい。
うまいもんだろ?」。
「うん…うめえかどうかは分かんねえけどさっき言ってた朝顔っつうのは何なんだい?朝顔ってのは」。
「これはね夏の日の事お千代さんが水おくみに井戸端にいたってぇのね。
そうするってぇと朝顔のつるがつるべにクルクルクルクル巻きついてた。
これを水をくむと花は摘んだり切ったりしなきゃいけないでしょ。
かわいそうだなってんで方々にもらい水に行ったってんだよ。
その時詠んだのが『朝顔につるべ取られてもらい水』ね?これが加賀のお千代さんってね大変に歌のうまい人。
お前さんだってさこれぐらい朝顔みたいにね隠居さんかわいがってくれてんだからお金貸してくれるから。
行っといでよ」。
「ああそうかい。
俺朝顔かね。
行ってこようかな」。
「行っといで」。
「いくら借りてくりゃいい?」。
「いつもの事じゃないからね20円借りといで今日は」。
「20円駄目だよね。
20円なんてふだん借りた事ねえよ。
そんな事言ったら隠居さん驚いちゃうよ。
本当に20円ないとうちは追っつかねえの?」。
「本当の事言うと8円50〜8円60銭あればなんとかなるのよ」。
「そのからくりは一体何なんだ?それ。
8円50〜8円60銭って言わしてくれ。
そっちのが俺は言いやすいや」。
「それはお前さん素人なんだよ」。
「金借りる玄人にはなりたくねえけどさ。
どういう事?」。
「例えばお前さんが8円50〜8円60銭要るところを『10円貸して下さい』って言ってごらん。
向こうはお前さんのべつなんだから半分の5円しか今日は貸せないよって言わりゃ『帯に短したすきに長し』で間に合わないでしょ。
わざわざ今日ははなから上の倍見て『20円貸して下さい』なんて言っとくの。
ねえ?『半分の10円にしておきな』って言わりゃあさ8円50〜8円60銭引いてごらんよ。
1円何十銭はそこにお釣りが出るじゃないの。
これがお金借りるコツってんだよ。
掛値っていうの。
よく覚えてときな。
分かった?」。
「一生ついていきます。
よろしくお願いします。
頭いいねおめえは。
じゃあ行っつくる」。
「これ持っといで」。
「何?これ」。
「おまんじゅう」。
「どこのおまんじゅう?これ」。
「表のお菓子屋さんの」。
「表の菓子屋は駄目なんだよ。
おめえ知らねえかもしんねえけどでもせこなまんじゅうでね皮なんかパサパサであんこなんかこんなちょっとしか入ってなくてさみんなあそこねまずいまずいって食わねえんだ。
あそこのまんじゅうはみんな罰ゲームに使うまんじゅうだから。
悪いやつがいるとあれ食わしてねだまそうじゃねえかっていうそういういたずらに使う…」。
「いいんだよ。
食べても食べなくても」。
「どういう事なんだよ。
食べなきゃしょうがないでしょ」。
「いいの。
義理を立てるためだけに持ってくんだからね。
お金借りやすくなんでしょ。
これね向こう持ってって向こう行ったら必ず『ご隠居さんいますか?』って聞くの。
『います』って言われたら『お目にかけて下さい』っておまんじゅう出すんだよ。
『いない』って言われたら『町内一回りしてきます』ってまたグルッと行ってまた行きゃ必ず帰ってくるから。
分かった?お前さんの稼ぎが少ないからこういう事になるんだから。
早く行っといで!」。
「行っつくるよ。
うるせえかかあだな。
『金がない』とかね『お前さんの稼ぎが少ない』とかね。
もう聞き飽きたよ。
暮れになるといつも『年越せないんだよお金ないと』『年越せないんだよお金ないと』とは言うけどね俺は思うね年なんか越せなくてもいいんだよ。
ずっと今年でいいと思う」。
(笑い)「あいつはもうしょうがねえ。
決まり悪いな…。
こんにちは!隠居さんいますか?」。
「はいはいどちら様でござい…あらま甚兵衛さんじゃございませんの。
何かご用で?」。
「お清さんちょっと伺いますけどご隠居さんいますか?」。
「いますよ」。
「あっそうですか…ちょっとお目にかけて下さい。
おまんじゅうなんですけどどうぞ」。
「あらまあありがとうございます。
少々お待ち下さいませな。
ご隠居様」。
「どうした?お清」。
「甚兵衛さんがお見えになりました」。
「甚兵衛さんが来た?あっそう?うれしいね。
私あの人ね大好きなんだよ。
うん…本当に本当に。
かわいいとこがあんだよ。
どこにいんだい?表にいんの?早く入れてあげなさい。
あっ甚兵衛さんかい?そこにいんのかい?開けてお入りなさい。
甚兵衛さん」。
「フフフッ…かわいいねお前さんは。
相変わらずだね。
遠慮しないで入っておいで。
甚兵衛さん」。
「絶好調だね」。
(笑い)「抱き締めたいぐらいだ。
どうしたの?今日は」。
「その目の前にあるのは何ですかね?隠居さんそれ。
それおまんじゅうなんですけど。
それは誰が持ってきたの?」。
「アッハハ悪かったね」。
「『悪かったね』とかじゃなくてそういうものをもらったら何か言わなきゃいけない事があるんじゃないですか。
ご隠居さんはどういう育ちして…」。
「何だ。
お前さんにお礼の催促されるとは思わなかった。
ありがとうありがとう。
すまないね。
おまんじゅうだって?でもねこんなもん要らないんだよ。
持ってこなくていいんだよ。
ええ?要らないよおまんじゅうなんて」。
「えっ?」。
「要らないよ」。
「そうでしょ。
私も言ったんですよかかあにね。
『駄目だよ。
隠居さんあんなせこなまずいまんじゅうね食わしねえんだから。
口がおごってんだからね持ってたって食わねえよ。
怒られちゃうよ』って言ってやったんですよ。
そしたらうちのかかあ強情だからね『何言ってんの!食べても食べなくてもいいんだからとりあえず義理を立てるためだけに持ってくんだから持ってきゃいいんだよ。
見せときゃいいんだから早く持ってけ〜!』って言われたから持ってきたくねえなって思いながらしかたなくいやいや持ってきたんですけどね。
あんな表のまずい菓子屋のまんじゅうなんか隠居さん食べないでしょ?ねえ?」。
「意地でも頂きます。
そういう素直なとこ大好きだよ。
こういうものを持ってくるところを見るとまたお金を借りに来たのかい?」。
「ハハッよく分かりますね」。
「あっそう?いくらだい?言ってごらん」。
「いくらか言わないです」。
「言わなきゃ分かんないから。
言ってごらん」。
「言うとね隠居さん驚くと思うんですよ」。
「驚かないから言ってごらん。
いくら?」。
「あっそうですか。
驚くと思いますよ。
じゃあ思い切って言いますけどねヘヘッ…驚いちゃ駄目ですよ。
せ〜の…はっ!」。
「お前さんが驚いてんじゃん。
何してんだよ。
言ってごらん」。
「思い切って言いますよ。
驚いちゃいけない。
せ〜の。
20円貸して下さい。
お願いします。
このとおりです」。
「ああ20円でいいのかい?はい持ってきな」。
「そりゃないでしょ」。
「お前さんが貸してくれって言ったんだよ」。
「そうじゃないんですよ。
何でそうやってものが分からないんです?そこで一度驚かないと話が前に転がっていかないじゃないですか。
驚きなさいよ隠居さん」。
「何だよそれ。
驚きゃいいのかい?じゃあはなからやってごらん」。
「そうですかはい。
こんにちは!隠居さんいますか〜?」。
「戻り過ぎだよ。
先進みなさい」。
「そうですか。
ホンジャヨンヒャクゴチョゴチョアラマフジコチョコチョコウメエコチョコチョ…」。
「何やってんだ?一人で。
何やってんの?」。
「いきますよ。
20円貸して下さい。
お願いします」。
「え〜!20円!?」。
「不器用ですね」。
「うるさいよ。
お前さんがやらしたんだ。
20円な持ってきなさい」。
「そうじゃないんですよ。
違うんだな〜分かんない人だな」。
「何なんだよ?」。
「そんな20円じゃないんですよ」。
「あっ違うの?…うん120円かい?はい持ってきな」。
「そんな訳…ないでしょ」。
「ああ…220円かい?」。
「あっああ〜…!バカな事を言っちゃいけない。
そんな…そんなんじゃない」。
「ああ320円?500?1,020?ちょっ…ちょっと待ちな。
今…今ね本家へ電話するから。
いや…そのままいなさいね。
お清お清!すぐにな本家に電話する支度してな。
甚兵衛さんが何か大変な事態に陥ったらしいから。
多額なお金が要るみたいだからな支度だけして。
まだ電話しなくていいからな。
いくらなんだい?そう言ってごらん」。
「あのだからはあ…ううっ…」。
「いくら欲しいんだ?言ってごらん」。
「あのだから…ふっ…ふん」。
「震えてちゃ分からないよ。
いくらだ?言ってごらん」。
「あの…はっ…ふっ…8円50〜8円60銭」。
「電話しなくていいよ。
何だ8円50〜8円60銭。
それくらいの金すんなり言いなさい」。
「それがあの…隠居さんは素人なんですよ」。
「何だその素人ってのは」。
「だってそうでしょ。
例えば8円50〜8円60銭私がいるところに10円貸して下さいって言ってごらんなさい。
隠居さんはしみったれだからね『お前はのべつなんだから半分の5円しか貸せないんだよハハッ』なんて事を言うと思うんですよ。
そうすりゃ帯に…『帯に長したすきに短し』で」。
「『帯に短したすきに長し』」。
「そうそう。
後ろで聞いた?」。
「誰も聞いてないよ」。
「間に合わないでしょ。
だからこういう時はわざとはなから倍の20円貸して下さいってトンと言っとくんですよ。
そうすりゃ隠居さんは『あっそうかい。
じゃあ半分の10円だね』って言うと思うんです。
そこで8円50〜60銭引けば1円何十銭かお釣りが出るじゃないのさっていう…。
これがお金借りるコツよ。
よく覚えておきなさい。
分かった?」。
「大変に勉強になりました。
何だ10円でいいのか。
はなから言いな。
はいはい…これ持ってきなさい」。
「ハハッ…ありがとうございます。
いつもすいませんね。
あのこれ何っつかね…私はやっぱり隠居さん…朝顔っつか?」。
「何だ?朝顔って」。
「知らないんですか?『朝顔につるべ取られてもらい水』っていうんですよ。
どうもありがとうございました。
さいなら!」。
「ちょっと待ちなよ。
もう帰っちまうのかい?現金な人だね。
何か言ったな…『朝顔につるべ取られてもらい水』?『朝顔につるべ…』ああ!それ何だろ…加賀の千代だろ?」。
「いや嬶の智恵」。
(笑い)
(拍手)橋さん自体もねもうそんな早うに全てのものを手に入れた訳でしょ?まあ言うたら名声とお金と結婚もされました。
結婚されたのは何歳ですか?27歳ですね。
ちょうどデビュー10年後なんです。
27歳でしょ?同じ年ですから私は28歳なんです。
結婚がですか?ええ。
やっぱりそれは一つのまあ言うたら転換期みたいなね。
そうですね。
いかがでした?自分では。
確かに10年間あっという間に忙しくてバ〜ッて来ましたからちょうど今の家内とつきあい始めたのが結婚する2年半ぐらい前なんですよ。
だから年齢で言うと…。
スッチー?ええ。
25歳ぐらい…。
スッチーですよね?スッチーです。
機上で会ったんですけどそれでつきあい始めて…。
すごいですね。
2年半ぐらいたってそろそろ結婚する年代かなと思って。
僕はある意味で10年ぐらいたったんでねちょっと自分のスランプですよね。
このままずっと芸能界やっててもどうなのかなと思い始めて…。
歌の世界はもう本当に我々もそうですけどもそれ以上に次から次から若い人が出てくるし若い人ばっかりじゃありませんけどももう「歌は世につれ世は歌につれ」という言葉がありますけども。
ある意味では歌謡曲全盛時代っていうのがずっと来てテレビに移っていく時ですからね。
それでちょっと自分でスランプ状態になったっていうので「ひょっとしたらな…」ってうちの家内に言ったんですよ。
「俺やめちゃうかもしれないよ」って言ったら「いいんじゃない」って言われたんですよ。
「珍しい事言うな〜」と思って。
普通はね「やめたらあれじゃないの」とか。
だからそういう意味では本当に個人と個人がつきあってるって感じだったのでそういう答えをされたんです。
それがすごく僕には新鮮だったですね。
「そうかやめてもいいって言うんだな」って感じで。
僕が…おうちへ寄らせて頂いたりとかいう時は何かレコードの吹き込みスタジオか何かの経営…社長みたいな。
レコード会社ですね。
それ僕がビクターをやめて…。
そのあとですかね?あとです。
結婚してしばらくしてからそういうスランプ状態があって大体心に思ってたんですよ。
石原裕ちゃんがね映画スターになって何かのインタビューで「俳優は男子一生の仕事にあらず」って。
格好いい事言ったじゃないですか。
ずっと一生やってはりましたけどね。
それがね僕はすごい格好いいなと思ったんですよ。
そんな気持ちが僕の中にも芽生えてね歌を捨てる訳じゃないんだけど違う職業もやってみたいなと思ったりして。
ある後援者の1人が作った会社なのでねそこ行って移籍したんですね。
でもご自分もお金を…?いやお金は一銭も出しません。
移籍してそこへ?それで最初は歌手で移籍したんですけどそのうちに1年半ぐらい後に代表になれって言われて…。
社長?いや副社長です。
うれしかったんですね内々。
しばらく歌休業じゃないんですけどほとんど力入んなかったですね。
その事業は何でうまくいかなかったんですか?いやそれはねうまくいってた訳でもないしいかない訳でもないんです。
約7年ぐらいやったんですよ。
どんどんどんどん改革して職員も替えたりあるいはタレントも移籍させたりいろんな事しました。
だけど会社自体が大きな…本社の方が大きな問題起こしてある種犠牲になって全部整理されちゃったんですよ。
倒産じゃないんですよ。
整理対象になっちゃったんですね。
そういう事もあり〜ので「いややっぱり自分には歌しかない」と。
それで結局会社の副社長までやったけども閉鎖ですから明日からどうしようかなと思った時にもちろん恩師の先生にも相談したしいろんな事あるごとに相談する方にもしたんです。
そうしたらみんな異口同音に「歌に戻んなさい」って言われて。
それはでもやっぱりいろんな事をやったからそこへ戻っていう経験ができてそれ非常によかったですよね。
それがダラダラこう…ダラダラいう事ないけど続けてるよりはまた違いますよね。
歌に対する意識が変わりましたね。
やっぱり違うもんですかね?変わりましたね全然。
自分の心の中が。
それまではもちろんぞんざいに歌った事は一回もないですけどやっぱりやってて当たり前になってきたしだんだん惰性になるし仕事をもっとこういうのやりたいなって欲ばっかり出てきてた。
そうじゃなくてもう一回戻った時からは歌う曲歌える事の大事さありがたさ。
それからこれを聴いて下さるファンの皆さんがどういう思いで応援してくれてるのか。
そういう心と心みたいなものがね本当に親身に感じるようになったんですよ。
私も年齢とともにねもうちょっと何でこれ早う気付けへんかったんか思うの60過ぎてぐらいからね気が付きましたですね。
若い時は「笑わそう笑わそう」ばっかり考えてましたですけどもそうじゃないんだというのを…私は60ですけどちょっと気が付くの遅かったんですけども。
僕は40代後半でしたね。
早かったですね。
いやいやちょっとですよ。
(笑い声)今日は君これからこういう事を考えて生きていけと色紙を書いて頂く事になってるんですよ。
色紙ですね。
私にね。
これはもう番組にね残していきたいと思います。
いろんな字書いてますけどやっぱりこの字が一番いいかなと思ってね。
「夢」ですか。
これですね。
またきれいな「夢」ですねこれは。
でねこれは師匠に対しては…。
「いつまでも」…「いつでも夢」を。
「いつでも」じゃないんですよ。
ここが問題なんですよ。
「いつまでも」です。
「いつまでも夢を」。
なるほど。
きれい。
ねっ!これやっぱり…。
達筆ですな。
「いつでも夢を」じゃなくて「いつまでも夢を」。
そう。
何でそんな橋さんの字小さいんですか?これ「Yukio」です。
Yukio。
いやここガッと橋…。
いやいや端っこでいいです。
端っこでいいですか。
ええ。
いや〜これは本当に涙が出るような…。
いつでもじゃなくていつまでも夢を持ってなきゃいけないでしょ。
いい言葉ですね。
人間というのはね。
ちょっとこの「いつまでも夢を」いう言葉頂いていいですか?どうぞ。
「いつまでも夢をいらっしゃ〜い」と書いていいですか?いいじゃないですかね。
(笑い声)いいですよ。
お使い下さい。
ありがとうございます。
いや〜まあお互いに70なった訳です。
70古希になって…僕生まれて初めてなんですよ古希になったん。
当たり前でしょ。
当たり前なんですけどね。
2回はなれないでしょ。
2回なれないでしょ。
感じるとか思うところってあるんですかね?ご自分ではどうですか?私はね創作落語をこんだけ作ろうというのと私としては伝統芸能ですから一応ね。
次へつなぐと。
若い人の応援をできるだけしていきたいなという事ですね。
橋さんは70になってどう感じられてどういうふうにやっておられるんですか?あんまり意識はしないですけど還暦の時は11年前の方がむしろもう一回ゼロに戻ってっていう意識が強かったですね。
だけどそれから11年たった古希過ぎた1年目…何だろうねこのままス〜ッと自然体で生きていきたい。
特に目先で言うと5年後ね6年後オリンピックが来るじゃないですか。
僕らちょうど東京でオリンピックあった時代ですよね。
それから五十何年ぶりに日本に来る。
ここまで夢をつないでいきたいなと思うしね。
オリンピックの歌を歌いたい?いいですねそれもね。
そういうのも夢かもしれないですね。
出して下さいよ。
オリンピック音頭をね。
オリンピック音頭ね。
公式に取り上げられたらうれしいじゃないですか。
もう決まってるんですか…。
詞を書いてくれませんか?詞を。
私の詞では…採用されないか…。
駄目ですか。
2014/08/24(日) 05:15〜05:45
NHK総合1・神戸
桂文枝の演芸図鑑「東京太・ゆめ子、春風亭一之輔、橋幸夫」[字]
落語家・桂文枝のナビゲートで、とっておきの演芸と対談をお届けします。演芸は、東京太・ゆめ子の漫才、春風亭一之輔の落語「加賀の千代」。対談のゲストは橋幸夫
詳細情報
番組内容
落語家・桂文枝のナビゲートで、とっておきの演芸と対談をお届けします。演芸は、東京太・ゆめ子の漫才、春風亭一之輔の落語「加賀の千代」。対談のゲストは橋幸夫
出演者
【出演】東京太・ゆめ子,春風亭一之輔,橋幸夫,【ナビゲーター】桂文枝
ジャンル :
バラエティ – お笑い・コメディ
劇場/公演 – 落語・演芸
バラエティ – その他
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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