1地球ドラマチック「こぐま物語〜双子の赤ちゃん成長日記〜」 2014.08.23

今日の物語の舞台はヨーロッパのチェコ共和国。
自然あふれる森に双子のヒグマの赤ちゃんが暮らしています。
2匹には母親がいません。
野生では親のいないこぐまが生き延びる可能性はほとんどありません。
2匹もおなかをすかせ命の危険にさらされていました。
ある日双子に救いの手が差し伸べられました。
人間に発見され保護されたのです。
2匹のこぐまは森を遊び場に愛情たっぷりに育てられています。
ベンとリリーと名付けられた双子のこぐまの成長の物語です。
ヨーロッパ東部のカルパチア山脈。
日本の本州ほどの長さおよそ1,500kmにわたって山々が連なっています。
ここには多くの野生動物が生息しています。
ヒグマの数はおよそ6,000頭。
ヨーロッパに生息するヒグマのおよそ半分にあたります。
ヒグマはふだんは植物を食べます。
冬眠に備える時期だけヒツジやヤギなどを獲物にします。
クマの縄張りはおよそ50平方キロメートル。
メスは3年に一度2匹から3匹の子供を産みます。
しかし多くのこぐまが最初の1年で命を落としてしまいます。
病気やケガあるいは飢えなど原因はさまざまです。
特に母親の死はこぐまにとって致命的です。
この2匹は運よく命拾いをしました。
(こぐまのいびき)オスとメスの双子の赤ちゃんです。
生後1か月の今はまだぐっすり眠るだけで自分では何もできません。
2匹を保護したバーツラフ・ハロウペクはオスをベンメスをリリーと名付け育てる事にしました。
バーツラフは以前にもこぐまを育てた事があります。
一般的にクマはなじみのある動物ですがその生態はあまり知られていません。
バーツラフは今回の子育てでクマの生態をより深く観察しようと考えています。
2時間ごとにハチミツを混ぜたヤギのミルクを与えます。
ベンもリリーも食欲旺盛です。
(鳩時計の音)ベンとリリーは生後2か月になりました。
バーツラフのリビングを駆けずり回っています。
人間の子供と同様クマの子供も好奇心のかたまりです。
あれこれ試してはさまざまな事を学習しています。
今度は取っ組み合いを始めました。
バーツラフに呼ばれても夢中で気がつきません。
こぐまの体は取っ組み合いをしながら鍛えられていきます。
この日は初めてのお出かけ。
小さなこぐまにとっては大きな一歩です。
バーツラフは2匹をできるだけ自然の中に連れ出そうと考えています。
いずれ野生に帰すためには自然の環境に慣れさせておく必要があるからです。
2匹は五感を駆使して探検を始めます。
全てが初めての経験です。
何も知らない2匹のこぐま。
バーツラフがお手本を見せ導いてやらなければなりません。
オスのベンはやんちゃで向こう見ず。
一方首回りに白い毛があるメスのリリーは慎重に考えてから行動しているようです。
とはいえどちらも気まぐれです。
この日のお出かけは楽しい事ばかりではなくルールを学ぶ場にもなりました。
こぐまには既に鋭い歯が生えています。
突然ベンがバーツラフの手をかみました。
バーツラフは厳しく注意します。
(ベンの鳴き声)人間にはクマのような分厚い皮がない事を2匹はこうして理解するのです。
4月の終わり。
本格的な春の訪れです。
ベンとリリーも春を満喫しています。
体重15kg。
体は大きくなりましたが中身はまだまだ子供です。
春の森には他の動物もたくさんいます。
他の動物と鉢合わせしたら2匹はどのように反応するのでしょうか。
イノシシの子供です。
2匹のすぐ近くまでやって来ました。
(こぐまのうなり声)イノシシの子供は一向に動じる様子がありません。
一方こぐまは警戒しています。
2匹は安全な場所まで避難しました。
親のイノシシが近くにいる事を本能的に感じ取ったのかもしれません。
森での冒険は続きます。
枝によじ登ったり草むらで戯れたり。
ベンもリリーも夢中で遊び回っています。
トゲのあるイラクサの茂みに落ちてしまいました。
ベンとリリーはミルクを1回につき1.51日6回飲みます。
オスはメスよりも成長が早くより重くたくましく成長します。
愛情たっぷりに2匹を世話しているバーツラフ。
バーツラフとこぐまは深い信頼関係で結ばれています。
ベンとリリーの遊び場は至る所にあります。
水辺で不思議なものを発見しました。
近くにあったと思ったのに…。
2匹は遊具にも興味津々です。
人間のために作られたものですがこぐまにとっても楽しいようです。
リリーが新しい遊びを見つけました。
滑り台です。
もう一度チャレンジ。
一方ベンは逆向きに登ろうとしています。
リリーはベンに突進。
今度はベンもリリーに続いてはしごを登ります。
日に日に大きくなる2匹のためにバーツラフは庭に専用の小屋を作る事にしました。
寝床には干し草を敷きます。
クマは暗い場所の方が安心するため窓はありません。
(鳴き声)この日2匹は初めてバーツラフとは別々に小屋で夜を過ごします。
寝る前にたっぷりのミルクを与えてもらいます。
満腹になったところで寝床に向かいます。
おなかがいっぱいになって眠たくなってきたようです。
バーツラフは小屋の戸を閉めて2匹のもとを去ります。
小屋の壁は補強され戸締まりも万全です。
バーツラフのいない初めての夜です。
夜が更けてきました。
奇妙な音が聞こえてきます。
2匹は目を覚ましてしまいました。
(こぐまたちの鳴き声)しかし頼りとなるバーツラフはやって来ません。
小屋の扉は閉ざされたままです。
2匹は朝になってもバーツラフを呼び続けます。
(鳴き声)ようやくバーツラフがやって来ました。
これで一安心です。
水浴びをして気分をリフレッシュします。
口の中もさっぱり。
ずぶぬれになるまで水遊びをしたら次の冒険に向かいます。
バーツラフは2匹に課題を与えどのように解決するか観察する事にしました。
木箱にハチミツを入れスライド式の蓋を閉じます。
果たして2匹は蓋を開ける事ができるでしょうか。
オスのベンがハチミツの匂いに気付きました。
箱に近づき匂いを確認します。
どうやって開けるのでしょうか。
手荒な方法ですがご褒美は手に入れました。
バーツラフは更にハードルを上げます。
箱が落ちないようにくぎで固定しました。
今度はメスのリリーが挑戦します。
手を使って蓋を滑らせます。
お見事!ベンとリリーは一日置きに森へと出かけます。
手付かずの自然の森は2匹がもともと暮らしていた場所ですが来る度に新たな発見があります。
小さな生き物もこぐまを引き付けます。
アリです。
アリの臭いに誘われたのかベンとリリーはアリの巣に飛びつきました。
手を使って巣を掘ります。
アリは巣を守ろうと液を出して抵抗しますが効き目はありません。
クマは成長するとアリの卵を食べます。
今は遊んでいるだけですがこの生まれながらの本能が後で役に立つのです。
(雷鳴)雨の季節がやって来ました。
いつもは静かな小川の水が驚くほど水かさを増しています。
バーツラフはこの日あるテストをする事にしました。
ベンとリリーに気付かれないように草陰に身を隠し森の中で2匹だけで過ごさせるのです。
バーツラフが見当たらない事に気付いた2匹。
必死に捜しますが雨のせいでバーツラフの匂いが分かりません。
水かさの増した川です。
ベンはジャンプして向こう岸へ。
一方リリーはなかなか渡ろうとしません。
一体どうするのでしょうか。
リリーは流れが緩やかな場所を見つけ無事に反対側に渡りました。
バーツラフを見つけられずすっかり疲れてしまったベンとリリー。
手をしゃぶっています。
人間の赤ちゃんが指をしゃぶるのと同じです。
こうする事で安心し気持ちを落ち着かせているのです。
(バーツラフの声)バーツラフです。
2匹はやっと安心しました。
雨によって森は様変わりしました。
これまで穴を掘って遊んでいた場所に池が現れました。
ベンは迷わず水の中へ飛び込み遊び始めました。
ところが思っていたよりも水が深かったようです。
必死に泳ぎますがなかなか進みません。
ようやく岸にたどりつきました。
急いで水から上がります。
ベンとリリーはだんだんと森の植物を口にするようになってきました。
しかし中には下痢を引き起こすものもあります。
バーツラフは食べてよいものといけないものを2匹に教え込みます。
バーツラフが食べるように促すのはブナの実や若い茎。
どちらもクマがよく食べるものです。
たんぱく質が豊富な球根や虫も大切な食料です。
バーツラフの力を借りて木の葉や花も食べる事ができました。
この日2匹は森でさまざまな事を学びました。
しかし一番の驚きの体験はこのあとに待っていました。
ヤギとヒツジです。
双子との間を隔てるものはフェンスしかありません。
双子は興味津々。
初めはお互いに近づこうとしますが…。
フェンスが邪魔をします。
いずれ大きく成長したらヤギやヒツジを獲物にする日が来るのでしょうか。
バーツラフはカヌーに乗りこぐまが興味を示すか試してみる事にしました。
2匹は安全な岸辺を歩いています。
カヌーに果たして乗り込むでしょうか。
ベンは木に登ってしまいました。
一方リリーはカヌーに近づこうとしています。
しかし水の中から乗り込む事はできません。
するとリリーは驚くべき行動に出ました。
泳いで岸に上がると土手を走りボートに乗り込める場所に向かったのです。
リリーは無事にカヌーに乗り込む事ができました。
体がぬれる事なく水の上を移動できるカヌー。
多少ぐらついてもバーツラフと一緒なら安心です。
しかしいつも一緒のベンがいません。
ベンは岸にとどまっています。
リリーはカヌーから降りてしまいました。
いつも一緒の双子。
離れ離れになると不安なのかもしれません。
リリーはベンと一緒にいるのが一番のようです。
リリーがハチの巣箱を見つけました。
おいしそうな蜜の匂いが周囲に漂っています。
巣箱の蓋を開けます。
ハチの巣をうまく取り出しました。
ごちそうにありつくリリー。
ベンもやって来ました。
初夏。
チョウが舞い色とりどりの花が咲き乱れています。
花は蜜を探す昆虫を引き付けます。
しかしクマには色の区別がつきません。
クマの目には世界は白黒で見えていると考えられています。
そのかわりクマには鋭い嗅覚があります。
ベンとリリーは生後5か月になりました。
探検する場所はどんどん広がっています。
マルハナバチの巣です。
2匹は遠く離れた場所からハチの巣の匂いを嗅ぎつけました。
クマの嗅覚は人間より1,000倍も優れていると考えられています。
本能的に巣を掘り返す2匹。
しかしいつもうまくいくとは限りません。
時には手痛い反撃に遭う事もあります。
サクランボの季節がやって来ました。
初めて食べるサクランボの味にこぐまは夢中です。
2匹は高い所にあるサクランボを取りに行く事にしました。
ベンとリリーのサクランボ狩りが始まりました。
高い所になっている熟れた甘い実を取るためベンは危なっかしい様子で枝の先に向かいます。
クマの手は人間の手のように器用ではありません。
時には口を使った方がうまくいく事もあります。
馬がやって来ました。
2匹が初めて見る動物です。
バーツラフが危険が迫っている事を知らせます。
2匹はすぐに反応し安全かつ上から様子を見る事ができる木の上に避難しました。
えたいの知れない動物は去っていきました。
それにしてもかなりの大きさでした。
森にはまだまだ見知らぬ動物がいるようです。
ベンとリリーは狩猟小屋を見つけました。
ベンが中に入ります。
リリーが続いて入ろうとすると扉が閉まってしまいました。
(鳴き声)中からも外からも開ける事はできません。
(鳴き声)2匹は離れ離れになってしまいました。
最悪の事態です。
小屋の外からリリーが力ずくでこじあけようとしますが扉はびくともしません。
リリーは他の入り口を探してはしごを登りますがうまくいきません。
やがてベンが窓に隙間があるのを見つけました。
狭い上高い場所ですが下からはリリーが助けてくれます。
ようやく外に出られました。
2匹は自分たちの力でピンチを脱したのです。

(バーツラフの声)ベンとリリーは日に日に成長しています。
バーツラフはある実験をする事にしました。
バーツラフが使ったのは実物大のイノシシの置物です。
2匹はまだ大人のイノシシを見た事がありません。
それでも距離を置いて警戒しています。
置物は動きもしなければ臭いもしません。
なぜそれほど恐れるのでしょうか。
バーツラフはこぐまがイノシシや他のクマなど大きな動物に対して本能的に恐怖を感じ取っているのだと考えています。
次にバーツラフは置物を倒し恐れる必要がない事を示します。
しかし2匹はまだ信じていません。
バーツラフに倒された置物はもはやイノシシのようには見えません。
やがてベンが近づいてきました。
先ほどまでの恐怖心は薄れたようです。
もはやイノシシには見えないこの置物をベンはじっくりと調べます。
一方リリーはまだ疑っているようです。
いつまた何かが起こらないとも限りません。
そしてその読みは当たりました。
突然イノシシが復活したのです。
2匹は急いで避難します。
一体こぐまは何を感じ取っているのでしょうか。
目と尻尾そして毛があればどんな置物でもだまされるのでしょうか。
バーツラフはそれを確かめるため今度は動物に見立てたスーツケースを置いてみる事にしました。
果たしてこぐまの反応は…。
ベンは少しもおびえた様子を見せません。
この置物は無害だと分かっているのです。
リリーは怖がる事なくそれどころか興味津々です。
こぐまは敵がどのような姿をしているか本能的に理解しているのです。
このスーツケースは双子の新しいおもちゃになりました。
夏の夜。
バーツラフは2匹をリビングに招き入れます。
ベンとリリーは火を怖がりません。
小さい頃リビングで過ごしていたので慣れているのです。
バーツラフは焼きたてのソーセージを頬張ります。
おいしそうな匂いにベンとリリーは居ても立ってもいられないようです。
腕をしゃぶって催促します。
ようやくごちそうにありつく事ができました。
ベンとリリーはこの日も森を訪れました。
2匹は相変わらず元気いっぱい。
体が隠れるほど伸びた草の中を駆け回ります。
小川も難なく渡ります。
野生のこぐまは母親と取っ組み合いをして遊びます。
ベンとリリーの相手はバーツラフです。
2匹は体も大きく力強くなりましたがバーツラフにケガをさせるような事はありません。
秋がやって来ました。
枯れ葉が森を覆い歩く度にカサカサと音を立てます。
ベンとリリーはもうすぐ1歳。
自分たちで食べ物を見つける事にもすっかり慣れました。
ベンは既に体重50kgになりました。
力強く成長した今バーツラフとの別れの時が近づいています。
リリーはキノコに夢中です。
木の幹に生えたキノコも難なく採りに行きます。
秋は実りの季節です。
バーツラフが2匹を取って置きの場所に連れていきます。
ベリーはクマの大好物。
1つずつ実を探しては夢中で頬張ります。
もうじき冬がやって来ます。
ベンとリリーはどのようにして冬を乗り切るのでしょうか。
野生のヒグマと同じように冬眠するのでしょうか。
それともバーツラフの庭の小屋で過ごすのでしょうか。
実はバーツラフは既に準備を進めていました。
離れた所に新しい住みかを用意したのです。
木々に囲まれ泳ぐ事もできる場所です。
別れの時は近づいています。
冬の初め。
とうとう別れの日がやって来ました。
車で移動するのが大好きなベンとリリーはこの日も進んでトレーラーに乗り込みました。
野生のこぐまは2歳から3歳で母親から自立します。
ベンとリリーは1歳でバーツラフと離れて暮らす事になりました。
この古い城が2匹の新しい住みかです。
数日後バーツラフが2匹の様子を見に城を訪れました。
いました。
元気そうです。
(バーツラフの声)バーツラフに会ってもいつもと変わらぬ様子です。
しかし再会の喜びもつかの間2匹はバーツラフから離れて遊び始めました。
ベンとリリーにとってはきょうだいで一緒にいるのが一番のようです。
2匹にとってバーツラフとの別れは自立への第一歩となったようです。
それでもやはりバーツラフへの愛情を表す事は忘れていませんでした。
2014/08/23(土) 19:00〜19:45
NHKEテレ1大阪
地球ドラマチック「こぐま物語〜双子の赤ちゃん成長日記〜」[二][字]

ぬいぐるみのように愛くるしい双子のこぐま、ベンとリリー。ヨーロッパの森ですくすくと育つ2匹を1年間追った。こぐまと四季折々の美しい映像は絵本の世界そのもの。

詳細情報
番組内容
舞台はヨーロッパのチェコ共和国。手つかずの自然が残るカルパチア山脈は野生動物の楽園だ。母親をなくしたペンとリリーは森に暮らす男性に保護された。生後1か月。2時間ごとにミルクを飲み、ぐっすりと眠る。いたずら盛りで家の中はめちゃくちゃに。生後2か月で初めての散歩。やんちゃなベンと慎重な性格のリリー。森の中で食べられる植物と食べられないものを教わる。野生に戻る日まで時は穏やかに流れる。2014年ドイツ
出演者
【語り】渡辺徹

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
ドキュメンタリー/教養 – 宇宙・科学・医学
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
英語
サンプリングレート : 48kHz

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