1977年この地で88歳の生涯を終えました。
「移住のきっかけはここから」。
大分県のとある市役所。
ここに一人でも多くの人を呼び寄せたいと奮闘する職員がいます。
(後藤)一度大家さんの方にというお話をしたんです。
先ほど大家さんに電話をして…。
たった一人の担当者です。
大分県竹田市人口2万4,000人。
かつては城下町として栄えた町も最新の調査では…過疎化も急速に進む中大きな問題が生まれています。
それが空き家です。
市内にある空き家の数は400軒以上。
景観を損なうだけでなく放っておくと倒壊する危険もあり対策が必要です。
寂れていく町にどうすれば活気を取り戻せるか。
その鍵が空き家に人を移住させる事だと後藤さんは考えています。
空き家を見たい人がいれば土日も休まず案内。
雨漏りがしてないので一番いいと。
一人一人のニーズに合わせた仕事ぶりで2年間で100人以上の移住を実現してきました。
ちょっともう6時に長湯なんで申し訳ない。
先に行きます。
じゃあまたすいません。
お疲れさまです。
気を付けて。
ふるさとを諦めない。
たった一人の移住担当職員後藤さんの日々を追いました。
おはようございます。
竹田市…ここが後藤さんの職場です。
後藤さんの仕事は空き家を人が住めるようにして移住を希望する人にあっせんする事です。
「空き家バンク」という竹田市のホームページです。
家の外観や間取り。
すぐに使える家具やソファー。
更には家から見える景色まで。
後藤さんが自分で集めた情報が詳しく掲載されています。
移住に関心がある人はこの情報をもとに市役所に連絡を取ります。
後藤さんは要望を細かく聞きそれぞれに合った空き家を紹介。
入居するまでサポートを行います。
こうしたきめ細かな取り組みが功を奏し移住の担当になってから2年で全国各地から112人を呼び寄せてきました。
後藤さんの仕事ぶりが評価されあるシニア向け雑誌では住みたい田舎第3位にランクインしました。
「竹田って本当にいいですね」って言われるのがすごく楽しい。
…って言うかうれしいし。
そういった方と出会えるというのがこの仕事を担当させてもらってすごく充実してる。
後藤さんが大切にしているのは空き家の状況をなるべく細かく把握する事です。
空き家のうちすぐに人が住めるのは3割にすぎません。
床が抜けていないか。
水回りに問題はないか。
一つ一つ写真を撮りながら確認していきます。
空き家になったばかりのこの家でも湯沸かし器が壊れていました。
大家さんに代わって修理の発注や立ち会いをする事もあります。
昔から暮らす住民とのトラブルを未然に防ぐ事も大切です。
どこまでが空き家の土地なのか大家さんと図面を見ながらチェックしていきます。
住んでから周りの方とトラブルにならないように自分が疑問に思うとこや絶対聞いとかないといけない事は所有者さんにきちんと確認をしとくっていうのが一番大事なところ。
そのあとのトラブルにつながりかねないのできちんと全てをこちらで把握しておくのが大事なところです。
移住を希望する人の案内のしかたにも後藤さんはこだわっています。
長野県から来た早瀬さん夫妻です。
これまでいろんな地域で空き家を探してきましたがいい物件が見つからずにいました。
ギター職人の早瀬さん。
希望はすぐに住む事ができて作業スペースも取れる広い家。
へえ〜。
後藤さんが紹介したのは和室が5部屋もあるかつての農家です。
空き家になって7年たっていますが少し手を入れれば住む事ができます。
ボロボロだったんですよ。
全然いいんですよ。
奥さんの希望も大切です。
家庭菜園をやりたい妻の弥生さん。
相当広いね。
ですよね。
トマトや大根が作れる畑を用意しました。
後藤さんの案内は空き家の紹介だけでは終わりません。
こんにちは。
先に移住した先輩の体験からアドバイスをしてもらいます。
移住希望者で。
早瀬といいます。
よろしくお願いします。
この日は廃校を竹細工の工房に使っている岩田淳子さんに引き合わせました。
朝と昼とものすごい違うのがよく似てますね。
へえ〜。
実際に暮らす人の本音を後藤さんは大切にしています。
こんにちは。
1週間後早瀬さん夫妻は竹田市に移住を決めました。
早速地元の人たちに紹介します。
(早瀬)必要ですよね。
何も持っちょらんとな。
暮らしに必要なものや地域の風習について自治会長から説明を受けます。
ほかの集落はもうやめたとこが多いけど。
少しでも早く地域に溶け込めるようにという後藤さんの配慮です。
後藤さんすごいいい人で。
本当に。
それで半分くらい引っ張られてきちゃったかな。
もし後藤さんに会わなかったら竹田は通り過ぎてたかなって感じですよね。
すいません。
竹田市役所企画情報課の後藤と申しますが夜分にすいません。
お世話になります。
夜8時ほかの職員が帰ったあとも後藤さんの仕事は続きます。
・はい企画情報課後藤です。
移住の問い合わせは毎月50件以上。
時には夜11時まで残業し連絡を取ります。
今のうちに明日の分までやっとこうかなと…。
あんまり遅くならないようにします。
すいません。
若い自分が率先して取り組まないとふるさとは守れない。
そんな使命感が後藤さんを支えています。
竹田の事をこれから考えなくちゃいけないのは僕ら世代だと思うのでやはりなかなかこれから先の明るい未来というか…それが僕の一番の目標というかそれが少しずつでもかなえばいいなと思ってやってます。
一人でも多くの人に移住してほしい。
今年後藤さんは新たな取り組みを始めました。
それが地域おこし協力隊の募集です。
地域おこし協力隊は3年間都市部から地方へ移り住みまちおこしの活動を行ってもらう国の制度です。
将来はその土地で定住する事も目指しています。
竹田市は全国でも異例の18人を採用しました。
スガワ先生という方が竹田市でアドバイザーとして来て頂く事になりました。
後藤さんは市の窓口として地域おこし協力隊をサポートしできる事を一緒に考えていく事になりました。
協力隊の一人中下和則さんです。
農業の経験はありませんが使っていない農地をまちおこしに活用できればと応募しました。
自分が何をやればいいかというのを探していきたいかな…っていうのが今考えてるとこですね。
まあちょっとは焦りながらしっかり見極めてやっていければなと思っています。
後藤さんは中下さんに地元の農家を紹介し農業のいろはを学んでもらう事にしました。
この日は3時間ひたすらキャベツを入れる箱の組み立てと運搬の作業が続きました。
中下さんがやりたいっていうお話を聞いてですねそういうんであれば本当に真剣にというかやって頂きたいなという思いがあって…。
本当に今後竹田市の農業の担い手の一人として頑張ってもらいたいというか…。
この土地を気に入って頂いて本当にずっと暮らしてもらいたい。
定住を目指す中下さんをどうすればサポートできるか。
後藤さんは信頼する移住者のもとを訪ねました。
染色家の辻岡快さんです。
後藤さんが担当になって間もない頃移住してきた人で今では相談相手として頼りにしています。
辻岡さんは藍染めだけでなく竹田市のまちおこしにつながる新しい事に取り組みたいと考えていました。
僕がちょっと考えている構想があってそれは竹田を藍とか植物染料の一大産地にしたいなという思いがあっていつか事業化したいですねって話をしてて…。
染料のもとになる藍を栽培し竹田ブランドの藍染めの製品を作りたい。
自ら畑を借りて新しい農業の形にも挑戦しています。
後藤さんは辻岡さんの畑に中下さんを連れていきました。
すごいでしょ景色。
祖母山。
あそこ祖母山っすか?よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
染め物の原料藍です。
辻岡さんは除草剤を使わない栽培にこだわっています。
土と向き合いひたすら雑草を取る。
藍作りも楽ではありません。
(取材者)お疲れさまです。
どうでした?いや意外とハードでした。
イメージよりもきつそうです。
気分的にはやっぱりもうちょっと楽なのかなとは思ってたんだけどそんな甘くなかったっていうのが正直なところになります。
翌週辻岡さんの藍畑に中下さんの姿がありました。
辻岡さんに耕うん機の使い方を教わりながら少しずつ農業の技術を身につけようとしています。
(辻岡)えっ?まっすぐできない。
ああいいよ。
ちょこっと過ぎていい?11時。
(中下)ああ大丈夫です。
ミヤザキ君ちょっと11時過ぎていい?ちょっと肥料を少しまこう。
(ミヤザキ)分かりました。
新しい農業に挑戦している辻岡さんの下で中下さんは定住に向けた一歩を踏み出しました。
もう…草取り合戦みたいな戦争なんですよ草と。
それを中下君に言ったら自主的に朝来て…。
雨が降ってたんですけど自主的に来てくれてね。
一生懸命やってくれるのを見てね本気さは感じますよ。
やっぱり熱い方だなっていうのがすごい印象としてあってやっぱり藍も…特に本藍っていうのにこだわって本物の藍を作りたいっていうところがあって昔ながらのやり方でやってるっていうところにすごく情熱を感じて…。
いろいろと面倒を見てもらってるところがすごくうれしいっていうところがあって…。
自分も一生懸命手伝わないといけないかなってのが出てきたっていう感じですね。
移住者たちの新たなつながりが過疎に悩む竹田市を変えようとしています。
責任があると思うんですよ。
そこでじゃああとは頑張って下さいっていう…それはもう…それこそ無責任だし。
やっぱり来てもらった以上ここに住んでよかったと思って頂けるのが僕の仕事だと思ってるからできる限りの事は精いっぱいやりたいという思いで…。
6月27日。
おはようございます。
・おはようございます。
後藤さんは移住してきた早瀬さんの家を訪ねました。
どうぞ。
いいですか。
いやまだまだ。
ここでギターを作りながら小さな畑を耕す生活が始まります。
後藤さんが呼んだ113人目と114人目の移住者です。
まあノーコメントで…。
アハハハ!すいませんありがとうございます。
ちょっともう6時に長湯なんで申し訳ない。
先に行きます。
じゃあまたすいません。
お疲れさまです。
気を付けて。
空き家が増え活気を失いつつあるふるさとを移住者でよみがえらせたい。
後藤さんは今日もこう呼びかけます。
「竹田市に住みませんか?」。
2014/08/23(土) 11:30〜11:54
NHK総合1・神戸
目撃!日本列島・選「竹田市、住みません課?〜移住に取り組む市職員の物語〜」[字]
高齢化・過疎化が進み、増える一方の「空き家」。それを「宝の山」に変えようと、ひとり奮闘する若き市役所職員が大分県にいる。合言葉は「竹田市に、住みませんか?」
詳細情報
番組内容
シニア向け雑誌で「住みたい田舎」ベスト3に選ばれた大分県竹田市。市役所職員の後藤雅人さんは、2年余りで100人を超す人たちを「空き家」に移住させてきた、たったひとりの担当者だ。成果の秘けつは、住む人の立場にたった空き家の管理と、移住した人が土地になじむための、地元の人たちとのきめ細かな橋渡しにある。空き家が増え、にぎわいを失いつつあるふるさとに、活気を取り戻したいと奔走する後藤さんの姿を追う。
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
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