週刊 ニュース深読み「“子どもと向きあえない…” 超多忙!学校の先生」 2014.08.23

あっ、あそこですね。
八木地区です。
山の中腹から、土砂がえぐり取られるようにして落ちていまして、その下にある建物を押し流しているのが分かります。
今週20日の未明、猛烈な雨が降った広島市。
広い範囲で、同時多発的に土砂災害が発生。
住み慣れた町は一変しました。
原形をとどめないほど、土砂に押しつぶされた住宅。
子どもからお年寄りまで、多くの命を奪いました。
3人兄弟の長男、平野遥大君。
自宅で土砂に巻き込まれて、一緒にいた2歳の弟、都翔ちゃんと共に亡くなりました。
安佐北消防署の消防隊員、政岡則義さん。
3歳の男の子を救助しようとしたときに、土石流に巻き込まれ、亡くなりました。
発生からきょうで3日。
警察や消防、自衛隊は、懸命に、行方不明になった人の捜索を続けています。
おはようございます。
週刊ニュース深読みです。
できることならスコップを持って駆けつけたいと思いながら、この数日、ニュースを見つめて入らした方、少なくないと思います。
広島市で同時多発的に起きた土砂災害。
これまでに40人の死亡が確認され、行方不明のおそれがあるのは47人となっています。
けさの現場、一体どういう状況になっているのか、喜多アナウンサーに伝えてもらいます。
喜多さん。
広島市安佐南区八木の梅林小学校です。
ここは避難所になっていまして、数百人の人たちが夜を過ごしました。
この学校の校庭は、警察車両の基地にもなっています。
けさは、7時前から多くの隊員たちが、ここから数百メートル離れた土砂災害の現場へと向かいました。
山の斜面は深くえぐられて、茶色い地面が見えています。
この斜面に、見えますでしょうか、白いヘルメットをかぶった人たちの姿があります。
けさは2800人に人数を増やして、捜索活動が行われています。
まだ山からは水がしみ出してくる中での捜索活動です。
捜索に当たる自衛官は、発生から丸3日がたち、時間との戦いです。
一刻も早く行方不明になっている人たちを救出したいと話していました。
広島市安佐南区八木からお伝えしました。
私、広島県出身なんですけど、山がずえるっていうことばがあるんですね。
ですから、ものすごく山崩れの多い地域だという自覚はありましたが、ここまでの被害が出ているというのは、記憶にないですね。
今回の災害では、40人の方が亡くなったと確認されています。
亡くなった方のいる地域というのが、こちらの6つの地区です。
特にこちら、安佐南区の八木地区では最も多い24人の方が亡くなっていて、隣の緑井地区でも9人の方が亡くなっています。
私も広島に勤務したことがあるんですが、この平野部が少ない広島市は、人口増加に伴って、山の斜面にまで宅地開発が進んでいます。
本当に市内を車で走っていますと、山の斜面に住宅が広がっているのが見えるんですが、これ、模型で見るとすごく奥まった場所で被害が起きたように見えるんですが、今回被害が起きた場所というのも、市内の中心部から車で20分程度の場所と、本当に、こんな近くで起きたんだっていう驚きを覚えました。
被害が大きかったこの八木と緑井の各地区、こちらに大きくしたものがあるんですが、私が取材したのは、この大きく崩れている、斜面が崩れている現場のすぐ隣、こちらの2つの住宅のお宅の方なんです。
そのときに何が起きて、そしてどう行動したのか、伺ってきました。
私たちが現場に入ったのは、今週木曜日。
災害が発生した日の翌日でした。
今、中では捜索活動が行われています。
ひざぐらいの高さまでつかって、そして棒を使って、泥の中の様子を探っている状況です。
この泥、手に取ってみると。
砂と小さい石のようなものがたくさん入っているんですね。
水を含んで非常に重たいです、これ。
山に向かって上っていくと。
これ、大きな岩ですよ。
岩が、もう道を塞いでしまっています。
うわー、道がなくなってる。
大量の流木、木がまるまる一本、流されているものもあります。
そしてその右側、白いガードレールのようなもの、ぐにゃぐにゃに曲がってます。
奥には黒い車も流されています。
ずーっと左、見てください、そこには建物の基礎があるんですけれども、その上に乗っていた建物、どこにあるか分かりません。
大きな被害を免れた住宅の方が、取材に応じてくれました。
吉岡肇さんと妻の弓子さんです。
弓子さんは当時、激しい雨や雷の音で、寝付けずにいたといいます。
ぶつかったのは、隣の家の倒れた塀でした。
しかし、停電して真っ暗な状況で、周りがどうなっているのかは分からなかったといいます。
流されてきたんですか?
倒れてきたと。
外に出ると危険だと感じ、1階で寝ていた母親を連れて、2階へ避難しました。
そのころ、吉岡さんの隣の家では、さらに切迫した状況になっていました。
隣の家に住む川口りかさんです。
より山に近い川口さんの家では、1階に土砂が流入。
塀はこのとき倒れたと見られます。
2階に避難した川口さん。
窓越しに、隣の家で同じく2階に避難した吉岡さんが見え、声を掛け合ったといいます。
一方で、自分は助からないかもしれないと感じた川口さん。
友人と携帯電話でこんなことばを交わしたといいます。
そしてようやく迎えた朝。
明るくなったあと、吉岡さんが撮影した映像です。
自宅の庭には、大量の土砂が流れ込んでいました。
状況が少し落ち着き、避難所に向かったのは、午前10時過ぎのことでした。
気象情報担当の南さんです。
住民の方が、すごい雨と雷だったとおっしゃってましたけども、どうしてそんなことになったのか。
その当時の天気図をご覧ください。
20日の午前3時の天気図です。
日本海に前線があって、関東の南東海上に高気圧の中心があります。
高気圧から前線に向かって、風が吹いていくわけなんですけれども、集中的に吹いていく所が出てくるんですね。
南の海上からの湿った空気が流れ込んでくるわけなんですけれども、今回の場合は、この九州と四国の間、豊後水道がありますけれども、豊後水道を上がって、豊後水道を上がると、その北が広島になりますけれども、この広島に向かって、次々と湿った空気が流れ込んできて、湿った空気がどんどんと補給されたため、雨が長時間にわたって続いたということになりましたね。
広島の中でも、なんでこの地区に集中してたんですか?
そうですね、ちょっとこの模型を使って見てみますと、広島湾から広島平野に向かって、湿った空気が流れ込んでくるわけですね。
こんなふうにして入ってきました。
広島市内のこの西、そして北のほうには山があります。
この山に当たって、湿った空気が上昇気流となって、そこの所で雲、積乱雲が発生するわけなんですね。
積乱雲が発生する。
この辺りでいいでしょうか?
そうですね、積乱雲が発生しました。
この積乱雲のもとで、雨がどんどんと降ると。
同じような場所に、集中的に湿った空気が流れ込んできますので、同じような場所で次々と積乱雲が発生して。
次々と積乱雲が発生して。
その下では、長時間にわたって降り続いたということになったわけなんですね。
ただほんのちょっと、ずれている所にいた知人に聞いたらば、雷はすごかったと。
でも雨は、程なくやんだって言うんですよ。
そうですね。
この湿った空気というのが、少し向きが変わるときがあるんですね。
同じような場所に入っていくわけではなくて、少し向きが変わると、ちょっとこう、積乱雲が動くということになりますけれども、ちょっとその動いた先に、ずっと固定されてしまうと、やっぱり同じような場所で続いてしまうと。
ちょっとは動くんだけれども、その動きが遅くなって、同じような場所になってしまうと、次々と降ってしまうと。
これの向きですか?
そうですね、その向きで、雨雲が発生する所が決まってしまうということなんですね。
そうすると、広島に限らず。
そうですね。
今回の場合は、広島に向かって湿った空気流れ込んできましたけれども、それがちょっと西のほうに移ると九州になりますし、それがちょっと東のほうに行くと、四国なるし、さらに東のほうに行くと、紀伊半島になったりということになりますね。
実は、この広島市では、過去にも土砂災害が相次いでいます。
今回の大雨で、この過去の教訓というのは生かされたんでしょうか。
これは15年前、平成11年6月の映像です。
大雨で土石流や崖崩れが起き、広島市などで31人が死亡、1人が行方不明となりました。
これをきっかけに出来たのが、土砂災害防止法です。
この法律では、都道府県が土砂災害の危険箇所を選び、人命に被害が及ぶおそれがある地域を、土砂災害警戒区域に指定。
指定された市町村は、災害情報の伝達や避難が早くできるように、警戒避難態勢を整備することなどが義務づけられます。
広島県内の土砂災害の危険箇所は、全国で最も多い、およそ3万2000か所。
しかし、現地調査や地元との調整に時間がかかり、土砂災害警戒区域に指定されているのは、およそ3分の1の1万1800か所余りにとどまっています。
今回、大きな被害が出た八木地区と緑井地区は、指定されていませんでした。
指定されてなかったんですか?
はい。
実はこの2つの地区では、広島県が9年前、指定に向けて現地調査を行っていました。
しかし、その後の手続きなどに不備があったことなどから、指定には至っていなかったんです。
こうした中、独自の対策を行っている地域もあります。
佐伯区の河内地区です。
地区の自主防災組織を取りまとめている、杉田精司さんです。
15年前の土砂災害で10人が死亡した河内地区。
被害を防ぐ第一歩は、過去の災害を忘れないことだと考えています。
地区の公民館に建てられている石碑。
おととし、杉田さんたちが地域から寄付を募って建てました。
江戸時代から最近に至るまで、この地区を襲った災害の記録が刻まれています。
さらに、この夏から、独自の取り組みを始めました。
地区の住民に防災情報をいち早く伝えるメールの配信です。
今回の大雨では、杉田さんは、佐伯区が災害警戒本部を設置したことを受けて、午前2時半過ぎ、早めの避難を呼びかける一斉メールを送信しました。
広島市が最初の避難勧告を出すよりも、およそ1時間半早い対応でした。
でも今回のように、暗いうちの発生だと、教訓を生かすの、難しそうですね。
そうですね。
過去の災害の例、また過去の大雨の災害の統計的な例を取ってみますと、やはり夜に大雨っていうのが、起こりやすいという、そういう特徴が出ているんですね。
去年発生した伊豆大島の大雨も、あれは夜でした。
そうでしたね。
やはり夜になりますと、停電になるということも考えると、なかなか行動に移りにくいということでもありますので、なるべくやっぱり早めに避難行動を取るというのは必要だというふうに思いますね。
今、早めの避難という話が出ましたけども、そのきっかけがあったのか、ちょっと今回の時系列でまとめました。
広島市で最初の土石流が発生したのは、20日水曜日の午前3時20分ごろと見られています。
その前日には、夜9時26分に、大雨洪水警報が発表されています。
さらに日付がかわって、1時15分には、土砂災害警戒情報も発表されているんです。
ただ、広島市が最初の避難勧告を出したのは、発生後、午前4時15分のことでした。
この中で、早めの避難のタイミングというのはあったんですか?
一つ考えられるのは、やはりこの土砂災害警戒情報が出た時点で、避難行動に移る。
もしくは、この広島市などに大雨洪水警報が出ていますけれども、この段階で避難行動を取るということが非常に大事じゃないかなと思います。
やはり夜ですと、なかなか行動に移せないということもあると思いますけれども、このような情報が出た場合、特に夜中に出た場合は、大雨につながっているということも多いですから、過去の統計の例からすると。
このような情報が出た場合は、せめて情報を取るとか、次の行動はどうするかということを、やはり頭の中で考える。
なおかつ、自分のところの地域は、どのような特性を持っているのかということも合わせて考えて、どのような行動を取るかというのを考えるというのも必要だというふうに思います。
例えば、1階から2階に上がるとか、崖から離れるとか、そういうことも考えておくということですね。
そういうことですね。
ここまで広島市で起きた土砂災害についてお伝えしました。
次は日本人も巻き込まれた、ショッキングなこのニュースです。
19日、インターネットに掲載されたこちらの動画。
黒い布をまとった戦闘員、そして隣にいるのが、おととし、シリアでイスラム過激派に拘束されたアメリカ人ジャーナリストです。
ジャーナリストはこのあと殺害されました。
さらに日本人の男性が、イスラム過激派に拘束されたとする映像も、インターネット上に掲載されました。
今回、私は内戦が続いているシリアに来てます。
千葉市の湯川遥菜さんと見られています。
アメリカ人の殺害と、この日本人の拘束、いずれもイスラム過激派組織イスラム国によるものと見られています。
イスラム国って、国なんですか?
国ではなくて、国をつくるぞというふうに言っている過激派組織ということなんですね。
以前、この番組でもお伝えしたんですが、もう一度、ちょっと見てみましょう。
このイスラム国、イラク第2の都市を制圧するとともに、隣国シリアでも勢力を拡大しています。
6月にはシリアとイラクの国境の枠を超えて、一方的にイスラム国家の樹立を宣言しました。
いまや、あのアルカイダをしのぐ、世界最大規模の過激派組織となっています。
ではなぜこのイスラム国、ここまで勢力を拡大しているんでしょうか。
イスラム過激派組織イスラム国。
先月ひとつきで、シリア人5000人が戦闘員として加わったと見られています。
急速に力を増しているイスラム国。
専門家は、占拠した町で食料を配るなど、豊富な資金力によって、人々の信頼を得ていることが背景にあると指摘します。
さらに、イスラム国には欧米からの参加者も相次いでいます。
アメリカ人を殺害したイスラム国の戦闘員。
これについて、イギリスのキャメロン首相は。
イギリスの有力紙も、この男が、人質の間ではほかのメンバーと共にビートルズと呼ばれ、ジョン・レノンさんと同じジョンと名乗っていたと伝えました。
なぜイギリス人と疑われる人物がいるのか。
過激派組織は、インターネットを駆使した巧みな宣伝で、欧米の若者たちを取り込もうとしています。
狙いは、経済的な苦しさなどで、疎外感を感じている欧米の若者。
先月だけで、ヨーロッパなどから1300人が加わったと見られています。
一方、世界各国は、イスラム国への圧力を強めています。
現在、空爆を行っているアメリカは、今後もイラクで空爆を続ける姿勢を示しています。
さらに国連の安全保障理事会でも、イスラム国に対する国際的な包囲網を強める決議が、全会一致で採択されました。
しかし、専門家はイスラム国の活動を抑えるのは困難だといいます。
残虐な手口と、巧みな人心掌握術。
国際社会の危機感をよそに、過激派組織は拡大し続けています。
続いてはこちらです。
東京・中野区の中古品販売店、まんだらけで、27万円で売られていた人気アニメのおもちゃが万引きされた事件。
千葉市の50歳の男が逮捕されました。
この事件を巡っては、店側が、防犯カメラに映っていた万引きしたとする人物について、おもちゃを返さないと、顔の画像を公開すると警告し、議論を呼びました。
男は3日後、このおもちゃを別の中古品販売店で、6万4000円で売却したということで、売ったあと騒ぎを知った。
返そうにも返せなかったと供述しているということです。
世界的な歌手、レディー・ガガさん。
そして、映画監督のスティーブン・スピルバーグさん。
かぶったのは、氷水です。
実はこれ、全身の筋肉が動かなくなる難病、ALSの患者への支援を呼びかける活動です。
参加した人は、氷水をかぶるか、ALSの支援団体に寄付をすることになっているほか、知人を指名して、同じことをするよう求めることができます。
サッカーブラジル代表のネイマール選手。
指名したのはこの人。
ワールドカップで、ネイマール選手と激しく接触した、コロンビア代表のスニガ選手でした。
参加者には、ノーベル賞を受賞した山中伸弥さんも。
iPS細胞の研究は、ALSなど、難病患者を救いたいという思いがきっかけでした。
世界的な広がりを見せているこの活動。
21日までに集まった寄付金は、日本円で43億円余りに上るということです。
続いてニュースの深層に迫る深読みのコーナー。
多くの地域ではもうすぐ2学期を迎えますがその学校が今大変なことになっているんです。
今週水曜日、札幌市の小学校で一足早く始業式が行われました。
新学期に期待を膨らませる子どもたち。
ところが今、学校では子どもの指導に先生が十分な時間をとれない実態が…。
ある国際機関の調査では日本の先生は週54時間と最も長く働いています。
しかし働く時間の多くが会議や事務作業など授業以外の時間で占められているんです。
入ってみましょう。
失礼致します。
さまざまな仕事に追われる学校の先生。
どう感じているのか?2学期に向け準備を進めている先生たちに聞きました。
先生がこんなに忙しくて子どもたちは大丈夫なの?そもそも、なんで先生は忙しくなっているの?きょうはとことん深読みします。
はーい、授業を始めます。
おはようございます。
おはようございます。
起立。
きょうもテレビの前の皆さんからのメール、ツイッターでのご参加、お待ちしております。
早速ですが、先生からの声、たくさん寄せられました。
昔、先生、そんなに忙しそうに見えてましたっけ?
いや、ある意味、マンツーマンで接してくれた記憶はありますけれどもね。
子どもたちに。
安田さんのころは?
忙しいとは思いますけど、もちろん。
でも、なんか一緒にドッジボールしたりとか、もっとお話とか、すごいした覚えはありますね。
僕らは、放課後とかに、勉強頑張ってる子のところにそっと来て、ないしょだよって言って、なんかアイスクリームくれたりとか、覚えてますけどね。
そういう時間もありましたよね、コミュニケーション取る時間。
その時代と今と、一体何が違うのか、どうして先生たちは、そんなに忙しくなってしまったのか、中山アナウンサーのこんなプレゼンからスタートです。
おはようございます。
失礼いたします。
先生たち、かなりの人たちに今回、取材をさせていただいて、どのようにして忙しくなっているのかというのを、模型にいたしまして。
授業だけじゃないということですね。
そうなんです。
何があるんでしょうか。
何があるのか、その代表に登場していただきます。
じゃあ、先生お呼びします。
3年B組深八先生。
深八さん!
ありがとうございます。
深八先生はですね、とにかく人を育てたいんです。
夢をしっかりと抱いた子ども、自分の力で人生を切り開ける子どもを育てたいと考えている。
というのにも、訳がありまして、文部科学省が、先生の役割をこのように書いております。
自立した人間を育て、個人の能力を伸ばすとともに、国家や社会の形成者である国民を育成する役割を担うということで、まさに先ほど、ゲストのお2人がおっしゃってましたけれども、いろんな形でですよ、生徒ととにかく接したいと、深八先生も考えております。
一日をこのように過ごしたいと考えていたんです。
授業以外の時間は、とにかく生徒と朝からコミュニケーション取っていきましょうよと。
そしてお昼になっても生徒と話し、放課後も、ギター片手に話すのか分かりませんけれども、とにかく生徒と接したい、こう考えていた深八先生。
さあ実際、どのような一日になっていくのか見ていきましょう。
深八先生が学校に来るのは、生徒が来る1時間半前です。
早い!
ここで、校門で生徒たちを出迎えましょうというふうに思っていたんですが。
まっすぐ入っていっちゃった。
職員室に直行です。
ここですることがあるんですね。
何をしているのか。
これです。
授業の準備です。
先生ですから。
でもこれがね、今、非常に、量が増えてる。
えっ?
昔よりも増えているんですか?
増えてるんですね。
深八先生は社会科の先生です。
例えばこんなもの。
世界の宗教ですとか、裁判員制度。
というのも、世界の宗教、グローバル人材が求められる世の中になっている、ということは、いろんなことも、生徒たちは知らないといけない、昔より。
そして裁判員制度、これは5年前から始まった裁判員に、生徒たちが大人になったときに関わることがあるかもしれない。
授業であるんですか?
授業で今や新しいこと、どんどん教えるようになっていて、それを分かりやすく興味深く伝えるためには、授業の準備、やはり時間がかかる。
なるほどね。
自分がまず理解しないことには伝えられないですもんね。
そうなんですね。
それで教室が生徒たち、どんどん登校して集まってきてるんですが、なかなか職員室から出ることができなかったということなんです。
そうこうするうちに、授業が始まります。
午前中はみっちりと授業。
で、昼、ちょっと授業分からなかったっていう生徒いるかもしれない。
その生徒の質問に答えましょうとなるわけですが、これがあるのでできない。
校務分掌や、調査・報告書の提出。
はい、先生。
校務分掌ってなんですか?
校務分掌というのは、校務っていうのが、学校を運営する仕事。
それを先生たち、実は分担して行っているんです。
これ例えば、分担という点で、深八先生はコンピューター担当。
ホームページ、最近の学校の出来事を書いて、更新をしていく。
学校内のコンピューター、インターネットにつながらないものなんかが出てきたら、それをメンテナンスするっていう仕事もある。
それも先生の仕事?
先生が。
ほかにも、ほかの先生が、備品の管理もすると。
これ、机、いすなど、ほかにも、黒板消しとか、ほかの文房具類に体育用具などなど、いろんな備品があるわけですが、それらを管理する、足りなくなったらそれを発注する。
いろんな仕事があるわけなんです。
そうこうするうちに、なかなか。
そういうことも先生の仕事なんですね。
担当者がいそうですけどね。
なかなか職員室を出られないということになっていく。
これ、かわいそうですね。
こんなことまでやってるんですね。
まだありますよ、仕事。
調査・報告書作成、これは私も取材させていただいた先生たち、最近、非常に増えていて、非常に大変なんですっていうようなことをおっしゃってました。
何かっていうと、社会が何かが問題になると、国や県、市町村など、いろんなところから調査、報告、アンケートなどを求められるわけなんです。
例えばどんなものがあるのか聞きました。
これです。
スマホ依存の問題があったときに、スマホ・スマートフォンを、子どもたち、どれぐらい持ってますか、誰とどのようにやり取りしているんですか、調べてくださいですとか、光化学スモッグ、学校、どのように対策取ってますか、調査してください、などなどあるわけなんです。
分からないのは、その下の、米粉の使用って、なんですか?
これ、気になっていましたか?米粉、ブームになったら、話題になったときに、給食でどれぐらい米粉を利用してますか?っていうようなことも、調べてくださいね、現状を知りたいので。
それ、先生が調べるんですか?
それを、学校の現場にいる先生が調べるということなんだそうです。
誰に報告するんですか?
これ、いろんなところからやっぱり要望が来るそうで。
その人たちが来て、調べてくれればいいわけですよね、本当はね。
ただ、対策を取るためには、本当の現場の現場を知らないといけないっていう点において、どうしても先生に頼る部分が。
マスコミもいろいろお願いしてそうで、ちょっと心配になりますね。
われわれ側もね。
そういうこともありまして、やはり、職員室から出ることができない。
この量としては、学校アンケート、200回以上、多いところ、しているという話もありました。
200回以上?
年間で。
でも、でもです。
生徒と接するチャンス、放課後があります。
さあ放課後。
先ほど、いろいろとされてましたって話、ありましたけれども、こういったことがあって、なかなか親身に話すことができないんだそうですね。
職員会議っていうと、行事をどんなふうに今後やっていきますかっていうことを、話さないといけない。
やっぱり大切なことなんだそうですね。
こういうのは昔からありましたよね。
で、なんとかですよ、こうした中で、生徒たちと触れ合いたいんですが、もう気がつけば夜になっちゃう。
生徒たち、帰っております。
でも翌朝ね、またなんとか、校門に出て生徒たちとあいさつするために、授業の準備だけは夜なんとかしたい。
したいと思ったんですが。
出た。
電話が鳴ってる。
この人たちか。
誰?
うわー、なるほど。
地域や保護者の方々から、ありとあらゆる要望が、今、くるようになっているんだそうです。
例えば、近隣の住民から、運動場の砂ぼこりが家に入ってきてちょっと困るんですけれども、どうにかしてもらえませんでしょうか。
そんなクレーム?
保護者の方からは、こんなことが。
うちの子どもがどうしても朝起きられないんですが、朝、電話で起こしていただきたい。
先生、お願いできませんでしょうかとか、これ、実際のことなんだそうです。
それ、先生が対応しなきゃいけないんですか?モーニングコールも。
電話がかかってきたら取るのは、やはり先生なんですね。
あまりに雑に扱えないですよね。
かかってくるっていうことがあるわけですからね。
で、しかも先生がかけることもあるんです。
給食費払っていない家庭に催促の電話をしたり、どうしても払ってもらえないと、集金に行くということもあるんだそうです。
そういうことをしているうちに、こうして一日が終わってしまいました。
結局、授業の準備は、次の日の朝になるということなんです。
忙しいなぁ。
校門で子どもたちを出迎えることもできないとなると、教室、いじめや非行に不登校、さまざまな問題を見落としていました。
これも懸念される。
さらに、こんな国際機関が出したある調査結果があります。
これ、6月に出されたものです。
世界のほとんどの先生が、自分の指導に自信を持っていると答えたのに、日本の先生、自信を持っていると答えられた方、2割にも満たなかった。
という現実なんですね。
うわー、18%というのは相当低いですよね。
謙虚な方々だっていうことも、ないんですかね。
でもなんか、自信あって先生やってますって、言ってほしいなっていう感じは。
そういう人に預けたいなと思いますけれども。
きょうは、どんな質問にもお答えくださる専門家の方々に来ていただいています。
なんでもどうぞ。
よろしくお願いします。
何からいきましょうか。
でもまあ、基本的には授業以外でこういう仕事があるというのを、ほかに回すことはできないのかっていうことですね。
ですよね、断れないの?っていうことについては、いかがでしょうか。
よろしいですか?実は私、民間の企業から校長になったんですけれども、今5年目なんですけれども、民間の会社と、先生たちの、この学校っていうのが、あまりに違うんでびっくりしたんですけれども、まず、仕事の業務の範囲があいまいなんですよ。
なんでもやらなきゃいけない。
例えば、これに加えて、会計簿をつけたり、給食とか部費とか学級費とか。
それとかあと、掃除も先生の仕事です、教室の。
それから誰か業者さんが来て、受け付けも先生の仕事です。
お金の、銀行に行くのも先生の仕事です。
うわ、大変だ。
だから全部やらなきゃいけない。
じゃあ、土日に授業の研究やればいいじゃないかって、土日、またこれが、部活動があります。
だから1か月の中で一回も休んでいないっていう先生も、たくさんいるんです。
そんな大変な中で、アンケートなんか、ちょっと忙しいんでって、断れないもんなんですか?
それはね、昔っていうか、10年ほど前に問題になって、文部科学省も減らしましょうっていうことを、各地の教育委員会に通知を出したんですね。
そのときは減ったんです。
だけど、そのあと、いじめの問題とか、体罰の問題とか起きちゃいましたよね。
そうすると、また調査が増えていくってことなんですね。
調査が増えるだけじゃなくて、途中の県であるとか、町、市町村であるとかっていうところが、いろんな問い合わせが来るので、国からきた調査にさらにプラスして、また調査を増やしていくということで、どんどんどんどん調査が増えていく。
そういう悪循環になる。
断れない?
まさしくそのとおりでですね、次々にいろんな、学校っていうのは、いろんなことが起きるところが学校で、いろんな問題が起きるたびに、そういう調査が入ってきますね。
実態を知るために。
実際、昔って、僕らが接してたとき、昭和40年代とか50年代っていうのは、なんか熱い先生がいて、そういう触れ合いとか結構あったんですけど、そのときに比べて、かなり情報っていうか、伝えなきゃいけないことが多くなってきているということですか?
堀田さんは長年、中学校の先生をなさってて、今は教育委員会の教育長というお立場なんですけれども、どうでしょう?その変化っていうのは。
変化はですね、以前は、今おっしゃったように、そういういろんな問題が起きても、それを学校独自で解決していました。
そんなに大きくならないうちに。
今、本当にマスコミ、いろんな社会の情報の中で、いろんな問題が出てきたときに、それがいろんな所に聞こえるってことで、教育委員会あたりも実態を知りたい、県教委も同じなんですけど、そういうので、だから本当はこういう問題が起きても、学校で責任を持って解決しましたよっていうところがあれば、こんな調査もいらないんですけど、そこらへんがまだまだ不十分なところかなと思ってます。
学校の先生たちに、過度な期待が集まるようになったというのは、堀田さんが先生になった当時っていうかね、1970年代の後半あたりなんですね。
そのころ、学校が荒れたという時代だった。
ありましたね。
それで校内暴力だとか、いじめとかいう問題があったんで、じゃあ、先生たち、何やってんだっていうことで、世間の風当たりが強くなった。
一方で、金八先生のような、理想の先生がモデルとなったテレビドラマとか出てきまして、そうした活躍をしてほしいっていう希望っていうか、世間の期待感も高まったんですね。
やっぱり親は、そういう先生に預けたいなと思いますもんね。
でも、あれは理想なんですね。
その一方で、先生、一生懸命やってる先生もいるんだけど、ぶらぶらしている先生もいるじゃないかということをね、世間から、その当時ですよ、追及されて、だんだんだんだん仕事が増えていったっていう歴史があるんですね。
先生が子どもと接するために、例えば会計担当とか、ネット担当とか、食事担当とかっていう担当の人をつけられたりしないんですか。
まさにつけてほしいぐらいです。
本当に職員室に1人、事務、そういうことをやってくれる秘書的なこととか、事務とか、置いてほしいなと思いますし、技術員さんだって、学校に1人しか、1.5人とか2人とかいないという中で、全部、校庭の草抜きとか、全部あの広い所できるかっていうと、できないので。
でもやらないと、近所からやっぱり、学校が汚いっていって、それこそ放課後、電話がかかってくるんですね。
国の補助とかはないんですか?そこに対しての。
学校では、そういう人の裁量っていうのはないですね。
定数がありますから、この規模だったら、これだけの先生たちですよ、定数はあるから、それはなかなか改善されてないんですね。
でもそれを法律で変えれば改善されますよね。
日本の場合ですね、今、教育費っていうのが、国や地方自治体が出している公的な支出っていうのが非常に少ないんですね。
世界でこの平均で見ますと、5.4%ぐらい、GDP費、国内総生産の割合なんですけれども、デンマークだと7.6%ぐらいあるんですけれども、日本は各国平均の5.4%よりさらに低くて、3.6%。
これ、OECDっていう、先進国30か国あるんですけど、その中の最低なんですね。
少ないんですね。
ちょっと、ツイッターにいろんな意見が来ているので、ご紹介させていただきます。
校務分掌、何も先生自身がやらなくても。
別に事務員を置いてやればいいこともあるのにと思いますが。
教師が多忙というが、能力が低いのでは。
子どもの数は少なくなっているし、勉強は塾が代行しているではないかという声が来ています。
公務員のくせに言っていることが甘すぎ。
もっとハードな仕事量をこなしている仕事は山ほどあります。
しかも派遣契約社員ですけどっていう声。
一方で、世の中の方々は、ご存じないでしょうが、学校はまさにブラックな業界です。
いい先生ほど蓄積疲労で、心身ともにぎりぎりのところでやっています。
教師が多忙というが、本来は親がやるべきことまで背負わされていることも一因では。
しつけとか。
両方の見方があるようですね。
まさしくそうですね。
いい先生ほどっていうのは、本当に学校の中で、ついつい、この先生はすごくさばける、会社なんかも同じかもしれませんがね、だから、きちっとその分担を、これだけの組織の中でやるんだからということでやればいいんですけど、ついついさばける先生がうんと持つとか、校務分掌あたりも、1人で3つも4つも持ってる先生もおるんですね。
そういう実態を本当に改善していかないと、さっきおっしゃったように、あの先生はいい先生、あの先生はちょっとっていうのは、現実に学校現場でも、そういう声は出てくることがあります。
保護者の中からですね。
ブラック企業ということばが出ましたけれども、こんな朝7時から夜7時まで働いて、残業代って付くんですか?
教職員には残業っていうのはないんですね。
これはですね、歴史的な経過があって、昭和40年代に先生たちがどれぐらい働いているのかっていう調査があったんですね。
そうすると、週当たり2時間程度、残業しているっていう結果が出たんです。
それが勤務時間の全体からすると、4%ぐらい、残業しているということになって、その4%分が給料に上乗せされた状態になってるんですね。
それが昭和40年代からずーっと変わらずに、50年間来てるっていうことですね。
月間8時間しか残業してないと見なされているっていうことですか?そうしたら、実質、何時間してることになるんですか?この方たちは。
現在は週でいうと14時間オーバーしてるわけですね。
14時間、週14時間?え?50時間、60時間?
僕が取材した先生もおっしゃってましたね。
月50時間ぐらいは。
給料からすると割に合わない計算になるんですね。
残業代も付かずに働いていらっしゃる。
お子さんとかいらっしゃる先生とかって、大変かなと思うんですよね。
自分の教え子もいるし、自分の子もいるし、どっちもやっぱり教育したいと思っているし。
奥さんに自分の子どもを見てよって言われてしまったっていう先生、今回いらっしゃいましたね。
帰りが11時半ぐらいになっちゃうっていう先生がいて。
先生側の立場も分かるんですよね、やっぱりね。
だから政府がもっと考えてくれるっていうふうな方向はないんですか?やっぱり、子どもってやっぱり宝だと思うんですね。
その今の子どもたちが、将来の日本をしょって立つようになるわけですから。
そこがね、なかなか難しいところで、2つ理由があるんですけれども、一つは国の懐に余裕がないってことですよね。
もう一つは、政治家にとって教育っていうのは、票にならないってことなんですね。
義務教育を担う先生の人件費っていうのは、国の負担してるお金が1兆5000億くらいあるんですよ。
これ、文部科学省予算の3割ぐらい占めてて、これ、財政難の折に、教育費だけ増やそうかということに対しては、なかなか腰が上がらない。
つまり高齢者の年金であるとか、医療費であるとか、防衛費とか公共事業とか、国が使いたいお金、たくさんあるわけですね。
そこを削ってまで、教育費に回すのかどうかっていう判断ができない。
で、ところが、政治家に対して投票してくれるのは高齢者。
うわ、何それ。
子どもの票は入らないので、なかなかそっちにお金が回るように議論が進んでいかないっていう。
でも本当に、教育をちゃんとしっかりとして、大人になっていったら、またいろいろなことを考えてくれるわけじゃないですか。
そこをまず考えてもらいたいと思うんですけれどもね。
ことばで言っているのは、人づくりは国づくりとかいいますよね。
私たちとしても、人づくりが町づくりだということばをよく言います。
そのことばと、現実がちょっと、うまくいっていないということですね。
そういうことばを言うんだったら、本当にもっと、人づくりっていうのは、教育だから、そこらへんにもっと力を入れてほしい。
社会性とかコミュニケーション力とか、そういうことも教えるのは、すごい大事じゃないですか。
すごく大事だよね。
違うほうに行っちゃってて、そこがもったいない。
やっぱり海外に比べて、お金、やっぱりかけなさ過ぎてるんですね。
一番分かりやすい例で言うと、私は前職、留学あっせん会社、やってましたので、欧米のほうの学校、500校ぐらい見てきたんですけど、大体1クラス15人から25人ですよ。
日本はやっぱり40人ですよね。
35人学級、一応、小学校低学年では始まりましたけれども。
全員を見れないですよね。
それが結局、こういうことなんです。
日本は少なすぎる、教育にかけるお金がという数字ですね。
ですから原資はそれは少なくなってきているのは変わりませんので、子どもにかけるっていうふうに決めるかどうかなんです。
子どもには参政権ありませんから。
そうか、なるほどね。
ない袖は振れないっていうことですか。
でも、ない袖振れないけれども、一応、税金を払っている、納めている側からすれば、大事なとこには使って欲しいっていう思いは。
ありますよね。
だって少なからず、この数字が、子どもとかに影響してるような気もしますよね。
そうですね、おっしゃるとおり、ここに日本の子どもは自己肯定感が低い、まさしく自尊感情。
すみません、ちょっとこっちに向けていただいていいですか。
自己肯定感が低い?
だからこれは、そういうことが、こういう子どもに降りかかっていますね。
子どもたちというのは、私たち大人もそうですけど、先生たちとじっくり触れ合うことで、認めてもらいたい、褒めてもらいたいっていうようなことで、だんだんだんだん一人一人、すごいいいもの持ってます、すごい個性を持ってますけど、そこを本当に会話の中で、コミュニケーションする中で、あなた、すごいんだよ、よく頑張ったねって、そういう会話をする時間を増やさないと、こういう自己肯定感っていうのが低くなりますね。
先ほどの、自分の指導に自信を持っているという、18%という低い数字は、ここからつながっている可能性がありますよね。
本当です、比例してますよね。
だから本当に、自分が子どもに、本当にさっき、自立した子どもを作りたいという目的があるんですよね。
本当にそういう教育を自分がやれているんだろうかっていう不安ですよ。
なんか、理想は本当にありますね、そこにちゃんと。
だけど、お金がないっていうとき、どうすればいいんでしょうか。
だから本当はね、人、物、金をつぎ込まなきゃいけないんだけれども、それが今、ならないとすれば、ちょっとみんなで考えたほうがいいなっていうのが、私、3つ挙げたいと思うんですね。
1つは、脱長時間勤務。
これはまあ、あたりまえのように見えますけれども、つまりは先生は忙しくて当たり前という考え方を変えること。
これが1つですね。
それから、2つ目は、借、地域力を借りる。
地域を借りる地域力。
つまり地域の力を借りて…、支援しようじゃないかということ。
3つ目は、鍵は授業力。
つまり授業にきちんと取り組んでいることを、先生のそういったことを評価しようじゃないかと。
この3つをやれば、忙しさ、忙しさっていうか、多忙感ですね、を、解消できるんじゃないかなと思うんですね。
ツイッターでも、父は中学校の先生。
毎月80時間の時間外労働が当たり前になっているのが現状です。
もう少し改善できたらいいな。
改善に参加したいけど、外部の人間が入れる仕組みがない。
といった声がきていまして、じゃあ、どうすれば、先生たちがもっと子どもと向き合う時間が取れるのかということのヒントを探してきました。
きょうお越しの専門家のお2人の取り組みです。
子どもと向き合う時間を作るヒントとして、まず堀田さんの取り組み。
熊本県の山鹿中学校。
おととしまで校長を堀田さん、務めていらっしゃった。
堀田さんがこちらの学校に赴任された6年前、学校はこんな状態だったそうです。
いろんな問題が山積み。
荒れていたそうなんですね。
先生たちも忙しくて。
忙しくて、なかなか職員室を出ることができなかったというところがあってですね、こんな学校にはちょっと行きたくないなっていう生徒さんもいて、不登校、全校生徒743人のうち、41人いたそうなんですよ。
これは多いですよね。
これはなんとかしないといけないということで、したんですよ、堀田さんが。
これです。
えっ?誰もいない。
先生、辞めてもらった?
いえいえ、なかなか先生たち、職員室出られなかったのを、とにかく出ろと。
そして子どもたちと接する時間を作れというふうに、指示したんです。
どのように時間を作ったのかというと、これです。
毎日行っていた職員会議をやめようよと。
職員会議って、例年行われているような行事の話し合いなどがあったんですけども、そういったものはマニュアルにまとめて、先生たちに読んでもらって、把握してもらおうと。
どうしても職員会議開かないといけないことなどは、春休みとか、夏休みとか、生徒がいない、学校にいないようなときに行うようにしましょうよということで、取り組み、進めていかれたんです。
すると、先生たちが、まさに、先ほど深八先生が思い描いていたようなことに。
朝、廊下や校門はもちろんですけれども、教室内で生徒とコミュニケーションを取れるようになった。
朝や放課後に勉強の個別指導を行えるようになる。
さらにはこんなことも。
一日でも学校を休んだ生徒がいたら家を訪ねる。
そして、ちょっときょうはどうしたの?病気なの?それとも何か嫌なことあったの?とかですね、生徒と、何か、問題が大きくなる前に、しっかりとコミュニケーションを取る、接するようにする、寄り添うようにする時間が作れるようになったそうなんです。
結果、不登校、ほとんどなくなった。
今や2人だけになったそうです。
しかも、勉強の成果も、学力が上がり、全国学力テストは全項目で、全国の平均以上、取るようになったそうなんです。
やる気スイッチがしっかりと押されたという状態ですよね。
やっぱ大事なんですね、触れ合うことが。
大事なんだね。
堀田さん、これはどこの中学校でもできることなんでしょうか?
やろうと思えばできるんだろうと思いますけれども、どこを、仕事がたくさんあるのは、もうどこの学校も同じです、先生方も。
だから自分の学校の課題がどんな課題があるのか、それを課題を解消するために、校長として何をするのかっていうのは、やはり、先生と子どもの触れ合いしかないと、私は判断した。
そのためには、校長として、先生方にお願いするばかりじゃいかん、そんな時間を作ってあげようということ。
その時間の中で、子どもとの本気の関わりをやろうと。
子どもの心を読み取れるぐらいの会話をやろうということの取り組みでしたね。
やっぱり成果あったなって感じてますか?
ありましたね。
職員の意見も、会議、研修等よりも、子どもと触れ合いながら、子どもが例えば、成績が上がったことで喜んでいる顔を見るのがとてもうれしいと、そういう回答が来ます。
やはり教師です。
やはり教師の本望である、勉強をしっかり教えるとか、厳しい子どもたちに関わるとかっていうのが教師です。
そこを、以前は、昔はやっていました。
それを取り戻したっていうことですね。
先生自身の意識改革っていうのも、私は必要じゃないかなと思っていますね。
先生自身が、長く働くのはあたりまえだっていう感覚が染み付いちゃってるんで、そこから変えていかないと、なかなか変わっていかないんじゃないかなと思うんですね。
ある学級通信に、こんなことが書いてあったそうなんですけれども、毎日午後8時まで学校にいるんで、何かあったら遠慮なく電話してくださいみたいなこと、それは、美徳のように見えるんだけども、毎日残業していますよ、この時間まで残ってますよっていうことを言ってるわけで、そこの意識から変わっていかないと、いけないんじゃないかなっていうふうに思いますね。
番組には、視聴者の方からこんな声も寄せられています。
まさにその点を、平川さん、取り組まれた方法があったんですよ。
先生の負担を軽くするのにこれを使おうと考えた。
外部の力。
これで子どもと向き合う時間を増やそうと考えられたと。
こちら、平川さんの取り組みですけれども、市ヶ尾中学校、今、校長先生でいらっしゃいますが、まず、こんな方を呼びました。
児童文学評論家。
こちらの方に、図書室の本を選んでもらおうということをしたんです。
というのも、図書室、学校の本というのは、年間800冊ほど購入されるそうなんですが、それらをまさに、校務分掌で、先生が請け負っていた。
忙しい中で、先生が一つ一つ本を選んで、いろんなジャンルありますよね、歴史に文学に、アートなどなど、そういったものを選び、探し出し、発注などなどっていうのは、大変な手間がかかったそうなんです。
でも、児童文学評論家は、その道のプロ。
お薦めできる本もよーく把握しております。
その方が厳選して選んだことで、校務分掌、先生の負担が減ったということなんです。
外部パワーという点で、さらにこんな方々にも頼みました。
地域の大人です。
地域の大人たちに授業に積極的に参加してもらおうよと。
これです。
例えば美術の時間には、地元の陶芸クラブのメンバー。
今は陶芸の授業なんてものもあるそうなんですけれども、そこで、先生と一緒に教えてもらうと。
家庭科の授業には、子育てを終えた主婦。
特別支援学級の調理実習などで、包丁の使い方などを先生と一緒に教えてもらうと。
こうして複数の大人の目が入ることによって、先生の負担が軽減される。
すると、余裕が出てくる。
一人一人のことをより、これまで以上に見ることができるようになったというんですね。
でも、代わりに授業をしてくださるわけではないんですよね。
先生は絶対そこにいなきゃいけないんだったら、そんなに、仕事の量としては変わらないってことはないんですか?
もちろんその先生は、例えば美術の陶芸の時間なんか、いなければいけませんけれども、考えてみてください、1人の美術の先生が陶芸で、こねこねやっててですね、40人見れますかって話なんです。
先生、先生、先生って、必ずそういうふうになりますから、班に、4、5人に1人ずつ、地域の方に入っていただくことによって、そこで教えてもらう。
そしてもう一ついいことは、その中で会話が生まれるんですね。
ふだん、昔は普通にあった地域社会のおじちゃん、おばちゃんとか、隣のお母さん、お父さんとか、こういったお兄さん、お姉さんとのふれあいっていうのが、今もう、地域社会がなくなって、全く、子どもたちが接するのは、自分の保護者か、それとも先生だけっていう、こういうちょっとさみしい人間関係になってきてるんで、それをわざと学校の中で、企業の方であったり、地域の方であったり、ちょっと有名人なんかに来ていただいて、触れ合う機会ですね、それを作ることによって、豊かな教育活動ということが、やっぱり一番重要なんじゃないかなと。
コミュニケーション能力は高まりますよね。
そうなんです。
ご近所づきあいなくなりましたもんね、でも。
いや、なくなりましたよね、昔ほどね。
安心ですよね、町で会えたら、なんか、安心するっていうか。
この間授業で会った、なんとかちゃんね、元気?っていうこととかですね、あるいは大人と本当に話す機会っていうのがなくなってますので、そういう点でわざと学校で授業の単元に合わせて、わざとそういう、マッチングをするっていうことが、重要なんじゃないかなと。
これ先生、ボランティアでやっていただいてるんですか?
ボランティアです。
なるほど。
これは全国かなりやってますね、どこでもやっていますね。
大分、やっぱり地域の力を入れようっていうのは、かなりやっています。
そこに部活動あたりが非常に先生方の多忙になってるんですね。
放課後の部活動、さっきもちょっと出ていましたけど。
そういうので、部活動あたりが、先生方の一番に来てます、多忙で。
だからそこで、放課後も教材研究ができないとかですね、そこらへんで外部の地域の指導者を、学校の中に力を貸してもらおうというのが。
うちの学区なんかは、部活というか、クラブ活動に関しては、外部の方がボランティアでやっていますね。
野球とかサッカーとか、バスケットボールとかは、その外部の方に来ていただいて、本当、ボランティアですね。
外部の方がされることで、保護者との、先生たちがやることで、もちろん先生方も一緒にやるんですけど、どうしてもやっぱり先生方がやると、いろんなことで、もう部活動あたりは、勝ち負け、勝負をとても気にする保護者も多いから、そこらへんで、地域の方が加勢してくれる、同じ保護者としての仲間だから、そこらへんが緩和されますね。
ツイッターの中で質問がきてるんですが、何か起こったときの責任は取れないのですかという質問も来ていますが、どうすれば。
そこは学校管理下ということばがありまして、子どもが家から出て、校門から入って、学校にいる間、それから家に帰るまでは学校の責任なんです。
なので、授業の中で、先生が必ず授業にいなきゃいけないんですけれども、ボランティアの方は、アシスタント的にというか、先生ナンバー2、ナンバー3っていう形で、ナンバー1はやっぱり、先生が責任を取りますので。
この先生よりも人気のあるボランティアの方が出てきちゃったら大変じゃないですか。
そっちのほうが求心力あったりとか。
国の施策で、少人数学級とか、チームティーチングっていうのは、国から加配が来るんですけれども、そういうのを市町村によっては、例えば私の山鹿市では、非常に教育に力を入れてもらってますよ。
サポートティーチャーというような形で、これ、教員の免許を持ってなくてもやれる、補助教員みたいなもんで、免許はないんですけども。
外部パワーとして呼ばれた人たちには、手当か何かあるんですかっていう質問きてますけど、これ、ボランティアで。
手当が若干ちょっと、ほうしょう費という形で、ちょっとこう、お仕事でやっていらっしゃる方、でも1万円とか2万円ですよ。
そういう形でやっていただいて、ほとんどはボランティアでやっていただくんですけれども。
地域とうまくつながるっていうことは、ただ学校が得するだけじゃなくて、地域の側にもメリットがあるんです。
例えばね、これ、東日本大震災のときなんですけれども、学校に設けられた避難所に、地域住民による自治組織がスムーズに立ち上がったかどうか、行った調査なんですけれども、日頃から地域の人たちがボランティアとして、授業の手伝いをしているような学校では、95%が順調に立ち上がったと答えているんですけれども、そうでない学校は、順調だったというのは35%に過ぎないと。
全然違いますね。
日頃からいい関係が出来ていれば、学校も得するし、地域も得する、そういう関係なんですね。
まさしくそうですね。
学校の臨時事務員をやっていましたっていう方から、ツイッターが来ています。
市の予算削減で全員解雇。
外部者対応で忙しい放課後は、事務室は空っぽです。
教育は学校だけではない。
その親がだめなら、学校を改革しても、全く効果はない。
まず家庭教育だね。
本来、親がやるべきことを学校に任せすぎ。
そして賄いきれず、保育園や幼稚園まで下りてくる。
子どもみたいな親が本当に増えています。
教職員だった父さんは、もう定年退職したけれど、再任用で、まだ働けるのに、もう先生はやりたくないと、遠い目で言っていたのが印象的でした。
私も二十数年、教師して辞めましたが、真面目な人が疲労していく、疲弊していく構造になっています。
と書いてあります。
まさしくそうですね。
今、そのとおりで、だから、そういう保護者の人たちと、うまく連携をするためには、やはり、子どもと教師の関係と同じように、大人と学校ももっと連携をしながら、関わらないとだめですね。
ふれあわないと。
昔ほど、私たちもなかなか外に出るっていうのが、昔ほど多くなくなりましたね。
やっぱり関わるっていうのが、なんでも、触れ合うっていうことですね。
だから、学校教育にあまりご理解がない保護者の人たちも、しっかり話すことで、関わることで、だんだんと理解はしていただけるんじゃないかと思いますね。
みんなやっぱり、自分の子どもを預けてる学校を信用したいし、頑張ってほしいというのは、みんな保護者の方、思っておられますね。
だからそこらへんの気持ちが一体化しないと、なかなか、誰が悪い、彼が悪いといっても、なかなか教育は成り立たないですね。
子どもたちと向き合えるんなら頑張りたいって、先生方も思っておられるんですよね。
先ほど私、3つ挙げたんですけれども、結局、最後のところは鍵になるのは授業力。
とにかく授業をきちんとやって、そのための努力を惜しまない先生を、きちんと評価しようじゃないかということなんですね。
かつて、荒れた学校から立ち直った学校もあるんです。
そういったことでね。
授業をきちっとやる、そして子どもたちが分かると、子どもたちもどんどん学校に戻っ2014/08/23(土) 08:15〜09:30
NHK総合1・神戸
週刊 ニュース深読み「“子どもと向きあえない…” 超多忙!学校の先生」[字]

今年6月、ある国際機関の調査で日本の教師は最も多忙であることが明らかになった。なぜ教師の業務量が増えているのか?子どもたちへの影響は?とことん深読みする。

詳細情報
番組内容
新学期を前に、“教師の多忙化”について考える。今年6月、OECD・経済協力開発機構の調査で、日本の教師は最も多忙であることが明らかになった。一週間の労働時間は、調査対象国の平均である38時間を大幅に上回る54時間。しかし、授業につかった時間は17時間で、事務作業などに多くの時間が割かれているのが現状だ。なぜ教師が多忙となっているのか?子どもたちへの影響は?とことん深読みする。
出演者
【ゲスト】レッド吉田,安田美沙子,【解説】熊本県山鹿市教育委員会教育長…堀田浩一郎,横浜市立市ヶ尾中学校校長…平川理恵,NHK解説委員…早川信夫,【キャスター】小野文惠,高井正智ほか

ジャンル :
ニュース/報道 – 定時・総合
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
スポーツ – スポーツニュース

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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