匿名探偵 #7 2014.08.23

先生くれぐれも今度の入札は頼みますよ。
フフフ…。
任せておきなさい。
(カメラのシャッター音)ハハハハ…。
(探偵)あ〜あ…。
清廉な議員先生も一皮むけば裏金まみれか。
泣けてくるぜ。
(犬の吠える声)
(秘書)ん?なんだこの犬!ん…?あっ…。
(秘書)なんだ貴様!いやご家族旅行ですか?
(議員)おいそいつを捕まえろ!早くしろ!行け!
(秘書)待て!
(秘書)待て!君のもんだ!あかん…!あっ!ああっ!こら待てーっ!ほら見て見て見て見て!あーっ!ああっ!貴様!おおっ!おい大丈夫かお前!痛え…!あっあっ!大丈夫か?お前。
ああっ…。
ハハー!お疲れ!ん?いってえ…。
おお危ない!セクハラです!はあ…。
(秘書)助けて!あれ?あれ…?あっ!あれっ!?ああ証拠の写真はもう押さえた。
こんな遠くまで来てやっとだよ。
ただし一つ問題がある。
財布をなくした。
バカとか言うな響子!今?今は駅だよ。
夜になる?おい出来るだけ早く迎えに来てくれよ。
おっ…もしもし?おいもしもし?やれやれ。
あっ…すいません。
片田舎の駅…
それが彼女との出会いだった
(警笛)この日この場所で…ですか。
(鈴原小百合)5年前この場所で私は彼と別れて…。
いえ…彼に捨てられたんです。
それ以来毎年同じ日になるとここでこうして来るはずのない相手を待ってる。
フフ…バカみたいですよね。
いや…。
(雷鳴)
(小百合の声)5年前人間関係に疲れた私は気分転換に東京から離れたこの町にやって来ました。
そこで突然雨に降られて…。
そうですか…絵描きさんですか。
(坂巻英治)でもそろそろ…廃業しようと思って。
え?潮時ですよ。
(坂巻)よかったら最後に一枚描かせてもらえませんか?
(小百合の声)お互い心に傷を持つ者同士…私たちは惹かれ合いすぐに愛し合うようになりました。
2人で新しい人生を始めようとしていたある日坂巻さんは…突然切り出したんです。
英治さん!この町出るってどういう事?すまない。
訳を話して!まさか英治さん…。
違う!僕の君への気持ちに変わりはない。
だけど一緒には暮らせない。
頼む。
僕の事は忘れてくれ。
嫌よ!私待ってる。
ずっと待ってる!あなたの気持ちが変わるまで毎年この日この場所であなたの事待ってる!それで5年が経った…。
ね?特に面白い話じゃないでしょう?
(警笛)あの…東京まで行かれるならこの列車最終です!ああいや…いいんです。
すいません。
(警笛)小百合さん…。
未練がましい女ですよね。
いやそんな事は…。
私はただ…一目英治さんに会いたかった。
他の人と幸せになっててもいい。
ただ一目…英治さんの元気な姿が見たかった。
ごめんなさい。
つまらない話聞かせちゃって。
あの…よかったらその坂巻さん俺に捜させてもらえませんか?え?小百合さん…あなたは言った。
別の誰かと幸せになっていてもいいから一目会いたいと。
あなたにその覚悟があるんだったら…。

匿名探偵
心優しきトラブルシューター
ハードボイルドを身にまとった男の本当の名を知る者はいない
画家の坂巻先生ですか…。
ええ。
こちらに所属していると聞いたんですけど…。
えーと…。
あっありました。
坂巻英治1972年生まれ…。
ああ〜!その方です。
でも現住所はちょっとわかりませんね。
え?この5年間資料のデータが更新されてないんです。
ああ…。
随分前からこれといった創作活動もされてないみたいだし…。
画家を廃業されたんじゃないですか?なるほど。
うん…。
あれ?ん?
(坪倉)随分行き詰まってたようだからね。
筆を折ったんじゃないかね?というと?
(坪倉)売れる絵っていうのはなんていうのかなあ…。
どの作品でもその作者の狂気を感じられるっていうそんな感じなのかな。
それが…坂巻さんの絵には残念ながらなかった。
まあ繊細で優しすぎるというかあの人の人間性っていうのかなあ。
いずれもおとなしい絵だったよ。
技術があっただけにね残念だった。
うん…そうですか…。
じゃあ最後にご主人が坂巻先生に会ったのは…?いやあ…そんなの覚えてないよ。
ハハ…。
あっ。
えっ?どうしました?そうだよ…5年前だ。
(坪倉)坂巻さん?
(坪倉)坂巻さん!坂巻さんがホームレスに?いいキャバクラがあってね。
(タケシ)マジっすか?連れてってくださいよ!
画家だった坂巻英治は鈴原小百合と別れたあとホームレスになっていた…
鈴原小百合の言葉によれば坂巻は5年前何か厄介事を抱えていた様子だが…
俺が調べた限り坂巻には金銭的な事はもちろんトラブルに巻き込まれるような人間には思えなかった
一体鈴原小百合と別れたあと坂巻に何があったのか…
(冴島響子)あっ。
いたいた。
探偵。
おお〜響子。
どうした?
(タケシ)いらっしゃい!何にしましょう?あっいいわすぐ帰るから。
あいよ!で…坂巻の現住所調べた。
どういう風の吹き回しだよ。
珍しく暇だったから。
…にしても最近は色々厳しくなって調べるのに苦労したわ。
感謝しなさい。
ああしてるさ〜いつも。
フフ。
現住所は千葉県南房総市か…。
坂巻は今家族と暮らしてる。
家族…?探偵。
今度ばっかりは親切心が裏目に出たんじゃないの?物語はいつもハッピーエンドで終わるとは限らない…。
いい?ああ。
よいしょ。
ほ〜ら!いつもハッピーエンドとは限らないか…。
行くぞ。
そうですか。
それで彼女は探偵のあなたに調査を…。
ああ。
あの失礼ですが…今の奥様とはいつ…?4年ほど前です。
一度はホームレスに身を落としましたがこれじゃいけないと思って支援施設に就職先を斡旋してもらったんです。
その職場で知り合ったのが彼女でした。
じゃあお子さんは…。
はい。
彼女の前の夫の子供です。
でも今は自分の実の息子のように愛しています。
あの…こんな事を聞いてはなんなんですが…。
どうぞ。
あ…。
5年前なぜ坂巻さんは小百合さんと別れたんですか?小百合さんの話ではお二人は本気で愛し合っていたように感じたんですが…。
ええ。
でも…だからです。
え?5年前私には彼女を養っていくだけの自信がなかった。
画家としての才能の限界を知り全てに絶望していた私はこのままでは彼女の事も不幸にしてしまう。
そう思ったんです。
だから逃げたんです。
彼女の前から…。
(アラーム)ちょっと失礼します。
ああ…。
陽一おい!薬の時間だ!
(坂巻陽一)ねえおじちゃん。
うん。
ワンちゃんにご飯あげていい?ああいいよ。
やった〜!フフ…。
探偵さん。
私は愛した女を捨てた卑怯な男です。
だから彼女に伝えてください。
もう私の事など忘れて自分の幸せを探すようにと…。
いい思い出をありがとうと…。
それが私に出来る唯一の贖罪です。
(小百合)あなた本当に探偵さんだったんですね。
ええ。
何か飲まれますか?いえ。
それより…英治さんの居所はわかったんですか?はい。
今では画家を廃業されて南房総で小さな農園を経営されてました。
英治さんが農園を…?詳しくはこれに。
英治さん…結婚してるんですね。
心中お察しします。
よかった…。
え?よかった元気で…。
私…英治さんを待つうちに悪い想像もしてたんです。
私と離れた理由が何か危険な事だったらって…。
でも…よかった…。
小百合さん…。
英治さんとやり直せないのは残念ですけど本当によかった…。
響子の言うとおりだったよ。
え?物語はいつもハッピーエンドで終わるとは限らない。
だが俺は彼女の姿を見てわかったねえ…。
彼女がどれだけ坂巻英治の事を愛していたかって事が…。
あれはもうある意味一つのハッピーエンドだよ。
それなんだけど…なんか腑に落ちないのよね。
何が?どうして5年前別れちゃったのかしら。
だからそれは5年前坂巻英治が画家として絶望しててだなあ…。
違う。
女のほう。
鈴原小百合?そう。
別の女性と一緒になった男を今でも愛してるような女…。
そんな女がなぜ5年前別れようなんて男の言葉に素直に従ったのかしら。
あなたがもし彼女の立場なら素直にイエスって言えた?今でも諦めきれないから苦しんでるんでしょ?ひと言余計だったみたいね。
(マスター)気にしないほうがいいよ。
フフ…。
でも私にも責任の一端がある。
探偵が彼女と出会うきっかけを作ったのは私みたいなものだから…。
話したい事があるんなら…聞くよ。
フフ…そうね。
あれは…10年前だった。
当時新人弁護士だった私は探偵にある案件の調査を依頼したの。
(響子の声)それはとあるミュージカル女優の調査と護衛だった。
あとになって言ってた。
調査中に仕事を忘れそうになったのはあの時が初めてだって…。
(響子の声)実は彼女は私の昔からの知り合いだった。
その後2人がどれだけの時間を共にして関係を深めたのかはわからない。
だけどある日…。

(響子の声)なんとか一命は取り留めたけど彼女はミュージカル女優の命とも言える声を失ってしまった。
そして…。
姿を消した…。
彼女は彼を苦しめたくなかったのね。
探偵はその日以来自分を責めながら今でも彼女を待ち続けているの。
う〜ん…。
(相田香織)難しい顔して…。
また厄介事ですか?ああ…。
なあ一つ教えてくれ。
愛するがゆえに愛する者を捨てる時っていうのはどんな時だ?フフ…それって禅問答ですか?いやあ真面目な話さ。
女は男よりも現実的な生き物ですから。
そうか…。
じゃあ男の場合はどうだ?それは嘘をついてますね。
え?男は夢や理想に生きてますから。
だから現実的な女は男のそういう部分に惹かれちゃうんです。
なるほど…。
あくまでも個人的意見ですけどね。
うん…。
なあ一つ教えてくれ。
俺みたいな男は君から見たらどう見える?フフ…知りたいですか?あっああ…。
知りたいねえ…。
えっ!だったら…。

(陽一)パパ〜!
(坂巻和子)わ〜!ほら!スイカ冷やそう!
(和子)美味しそう〜!
(坂巻)はい〜!
(和子)あとで食べようね冷たくして。
何やってんだ!大丈夫か?放して!お願い死なせて!暴れるな!放して!バカ野郎!
(小百合)どうして探偵さんがここに…?あんたの事が気になってあとをつけてたんですよ。
なんだってあんなバカなまねを…。
坂巻さんと…何かあったんですか?何も…。
何もなかった。
何も…。
(陽一)パパ〜!水〜!フフ…ちょっと待って。
(小百合)英治さん。
あの…!うちに何かご用ですか?私はただ一目英治さんに会って私はうらんでないってそう伝えたかっただけなのに…。
なのにあの時の英治さんの目…まるで見知らぬ他人を見てるみたいだった。
5年もあれば人は変わると言ったのはあなただ。
(小百合)そうよ!私は別にやり直そうなんて思ってなかった。
英治さんが幸せならそれでいいと思ってた。
でも私との事を忘れるなんて…。
英治さんの人生にとって私はそれだけの存在だったんだと思うと私…。
待ち続けたこの5年はなんだったの…?こんな事探偵さんに言っても私の気持ちはわからないでしょうけど…。
ハハ…。
過去にこだわってる限り新しい人生を踏み出す事は出来ないんだよ。
忘れるんだ。
出来ません私には…。
だけど…。
そうなってしまった事を元に戻す事は出来ないんだ。
これ以上自分を苦しめる事はやめるんだ。
だったら…だったら調べてください。
何を?私と別れたあと英治さんに何があったのか。
英治さんはどうして私の事を忘れてしまったのか…。
それがわからない限り私はこれ以上前に進めません。
わかりました。
乗りかかった船だ。
しかしその前に小百合さんあなたに聞きたい事がある。
(小百合)えっ?5年前あなた坂巻さんに別れてほしいと言われた時にどうしてそれを素直に受け入れたんですか?それほどまでに愛してるのになぜ黙って待つ事を選んだんですか?小百合さん…あなた何か隠してる事があるんじゃないですか?わかりました。
全てお話しします。
5年前私は大沼という男につきまとわれていました。
初めは優しそうな姿に惹かれて付き合い始めたんですけど…。
(小百合)どういう事?
(大沼)だから今度の接待君がお客さんの面倒見てくれ。
その人に抱かれろって事?ああ。
嫌よそんなの。
(大沼)頼むよ。
大事な取引なんだ。
なあ小百合…。
絶対に嫌!お前しか頼れる人間がいないんだよ。
離して!
(小百合の声)私は逆らう事が出来ず言いなりになるしかありませんでした。
(小百合の声)そして死に場所を求めた旅先で英治さんに出会ったんです。
(小百合)私は英治さんに救われ彼を愛するようになりました。
でもそれを知った大沼は…。
好きな男が出来たから別れたい?
(小百合)お願い。
わかって。
嫌だね。
別れるつもりはない。
お前は俺のものだ。
誰にも渡さない。
もしお前がそいつと一緒になるって言うならお前を殺して俺も死ぬ。
わかったか?
(大沼)わかったのか?だから私は英治さんの言葉を受け入れるしかなかったんです。
どんなに頼んでも大沼は絶対に私を手放そうとしませんでした。
私には待つ事しか出来なかったんです。
でその大沼っていう男とは…。
いえ…今はもう別れました。
英治さんと私は確かに愛し合ってた。
なのに英治さんが私の事を忘れるなんておかしいと思いませんか?で坂巻さんの何が知りたいの?ああ…。
いや坂巻さんちね4年前に一家でこのへんに越してきたらしいけどさそのあとなんか変わった事ってなかった?例えば?例えば坂巻さん事故に遭って強く頭を打ったとか熱…すっごい高い熱出してしばらく入院してたとか。
いや…聞かないよな?うん。
本当?ああ。
でも何しろ小さい町だからねそんな事あればすぐ噂広まるから。
そりゃそうだよね。
ハハハ…。
ありがとうね。
今日ボウズでさダメだわ。
あ〜ダメか。
もう全然ダメ。
ツルッパゲか?
(男性)そうツルッパゲ。
ハハハ…。
そうか…。
こんにちは。
探偵さん。
実は先日依頼人の鈴原小百合さんがあなたを訪ねた時の事なんですが…。
あの…!うちに何かご用ですか?それが何か?どうして知らないふりしたんですか?当然でしょう。
この前も言ったように私は今の生活を大切にしたい。
幼い頃に家族を失った私には今の生活が一番なんです。
妻は彼女を知りません。
あの時は妻もそばにいた。
彼女に何か言えるわけないでしょう。
本当にそれだけですか?どういう意味です?他に何か理由があるんじゃないですか?バカバカしい…。
そんなものあるわけないじゃないですか。
変な言いがかりはやめてください。
うっ…。
パパをいじめるな!陽一!あっ…。
あなた一体どうしたの?別になんでもない。
お話はそれだけですか?悪いけど忙しいんで。
お帰りください。
あっいや別に私は…。
お願いだからもう来ないで。
私たちの幸せな家庭を壊さないで。
あそうだ響子ちょっと調べてもらいたい事があるんだ。
どうやら幸せな家族にとって俺は招かれざる闖入者だったらしい
鈴原小百合の依頼を全うするため俺はもう一人の男大沼について調べてみる事にした
(青島一平)おおーっ!本当に…マジでおごってくれるんですか?ああ。
お前も疲れてんだろ?ほら食え食え。
やったー!ゴチになります!はいよ。
でどうだったんだよ?バッチリ見つけましたよ。
この女です。
うわっ。
またまた随分フェロモンむんむんっていうかエロい女だねえ。
名前は渡瀬典子。
5年前まで大沼の秘書兼色々やってました。
色々って事は愛人の一人って事か?正解。
ああやっぱり。
今何やってるの?この女。
西麻布のミスティってクラブでキャバ嬢やってます。
源氏名はミサ。
ホステスか。
あの…白焼きも頼んでいいですか?ああいいよ。
やった…!すいません!白焼き特上追加でお願いします!かしこまりました!さてと早速当たってみようかな。
行ってくるからな。
じゃああとはよろしくな。
えっ?よろしくって?大将こいつ払うから。
えっ?ちょっと伝票は?ねえ…おごってくれるんじゃなかったんですか?よいしょー!しかもみんなが盛り上がってくれたらマスターシャンパン入れてくれるって。
そう…ミサちゃんは5年前までOLやってたの。
(ミサ)はい。
それがまたどうしてこの仕事に?色々あって…。
それより私絵描きさんのお客さん初めてです。
あら…。
どんな絵描くんですか?美人が専門…。
(話し声)色んな人連れてくるのよ。
女子アナとかさ…。
うるせえな…。
美人はね…いいよ美人は…。
そうだ今度君僕のモデルになってくれないかな?私が?そう。
君には爆発的なエロスがある。
脚を…。
(ミサ)こう…ですか?君ってさなんかそこらにいる女の子と違って人間的な厚みを感じさせるよね。
ひょっとして色々苦労したんでしょ?わかります?男だろ?ああ…そう…男…。
どんな男?
(ミサ)あっ…。
うっ…うう…。
表では青年実業家って顔をしてるんだけどあ…とんでもない悪党よ。
恐喝や詐欺で何人も…人を破滅させたわ。
あっ…ああ…。
今は?今は?殺されたわ。
あ…5年前に被害者の一人に頭を殴られて…。
殺された…。
あっ…。
(ミサ)ああっ!あっ…!
(ドアの開く音)バーボンモヒート。
あっ…。
言われたとおり調べておいたわよ。
坂巻の奥さんの事。
で?坂巻の奥さんは7年前に前の旦那と離婚してる。
息子はその時の子供。
わかってるよそんな事は。
話はここから。
前の旦那は服役中。
名前は田崎誠。
その田崎は何やらかした?殺人よ。
大沼って男を殺してる。
事件があったのはいつだ?5年前8月15日。
鈴原小百合と坂巻英治が別れる直前か…。
あっ…。
それで何かわかりましたか?
(阿南幸一)当たり前だ。
この俺を誰だと思ってる?
(棟方)探偵。
探偵?お前の言ったとおり田崎は大沼の被害者だった。
7年前大沼に騙されて経営していた町工場は倒産。
全てを失った揚げ句妻子とも離婚してホームレスに転落した。
当初現場にあった遺留指紋も前歴者にはヒットせず捜査は長引くかなと思われたが3か月後田崎が警察に出頭した。
それで?指紋は一致田崎の供述にも不自然なところがなかった事から逮捕に至ったってわけだ。
もちろん田崎は素直に罪を認めてる。
公判でも一審の判決を受け入れ現在は服役中だ。
他のホシも奴みたいに素直ならいいんですけどね。
そんなに素直なんですか?ああ。
今も模範囚だそうだ。
時間があれば絵を描いておとなしく過ごしているらしい。
絵を…?まさか…そんな偶然が…。
(長山逸朗)フランス料理なんかどうだ?一緒に。
(久美)いいですね。
長さん!なんでもいいよ。
もう食べたいもの…。
長さん!長さん!ちょっと…。
ちょっとごめんな。
あっはい。
すいません。
なんだよお前。
かわいいだろお前。
ちょっと聞きたい事があるんだ。
長さんはやっぱりさ偶然っていうのは何回目まで信じますか?さあな。
ちょっと待ってよ!そうだなうーん…こういう言葉知ってるか?1度目は偶然と言いそれが2回目となると奇跡。
しかしそれが3回続いたとなるともはやそれはイカサマと言うべきだって。
それ聖書の言葉?70年代にラスベガスで活躍したギャンブラー様のお言葉だよ。
まあ俺思うにさ偶然なんてお前そんなもんじゃねえの?悪いなちょっと…。
参考になりましたよ。
(長山)あっごめんね。
(久美)いえいえ。
(長山)そうかそうか。
ふーん。
田崎入れ。
MFK法律事務所の冴島です。
今日は田崎さんあなたにお伺いしたい事がありまして伺いました。
いや…もういい…。
えっ?どういう事?もう十分だ…。
全てわかった。
調査結果をお伝えします。
はい。
しかしその前に今回の調査結果には2つの結末があります。
このどちらを選ぶかは小百合さんあなた次第です。
どういう事でしょう?調査結果その1。
先日お話ししたとおり南房総であなたと会った男性は色々な記録から坂巻英治さんに間違いありません。
坂巻さんはご家族と新しい家庭を守るためにあなたの事をあえて知らないふりをした。
以上です。
それだけですか?だって…。
いえちょっと待ってください。
言ったはずですよ。
結末は2つあると。
調査結果その2。
南房総であなたが会った男性は坂巻英治さんではありません。
坂巻英治の名前を語った別人です。
本物の坂巻英治さんは今別の場所にいます。
えっ?恐らく5年前坂巻さんは大沼とあなたの関係を知っていた。
小百合と別れろ?ああ。
もう小百合の事は十分に苦しめただろ?頼むから彼女を解放してやってくれ。
だったら俺の目の前に積んでみなよ。
5千万。
そしたら考えてやる。
無理だそんな金…!なら諦めろ。
それともこの写真ネットにばら撒いてやろうか?これは…。
これでわかっただろ。
あの女は死ぬまで俺の奴隷なんだ。
あんな具合のいい女誰がただで手放すって言うんだ?あんたって奴は…。
愛だ?寝ぼけるのもいい加減にしろ。
お前らみたいな貧乏人の人生はな俺のような人間に踏み潰されるためにあるんだよ。
だから英治さんは私と別れようと…?いや…最初坂巻さんは大沼を説得するつもりだったんでしょう。
大沼を説き伏せあなたと新しい人生を踏み出そうとした。
だが…追い詰められた坂巻さんはある決意をした。
大沼を殺してあなたを自由にする…。
そしていざ犯行に及ぼうとしたら予想外の出来事が起こった。
(大沼)今さらそんな金返せるわけないだろうが。
騙されたお前がバカなんだよ。
(田崎誠)頼むよ…息子の…陽一の治療費が必要なんだ!あんたに騙し取られた金それさえあれば陽一は…!うわっ!くどいぞてめえ。
俺はボランティアじゃねえんだ。
てめえの息子がどうなろうが知った事じゃねえんだよ!もうよせ!それ以上やったら死んじまうぞ!お前…。
(田崎)ああーっ!
(大沼)離せ!あっ!
(頭をぶつける音)あっ…。
おい…大丈夫か?おい!死んでる…。
俺が悪いんじゃない…。
そいつが…大沼が悪いんだ!ひょっとして…兄さん?まさか…英治?皮肉にもそこで出会った田崎は坂巻さんと生き別れになったお兄さんだった。
まさか…。
いや間違いない。
念のため記録を当たったところ幼い頃に両親を亡くした2人はそれぞれ田崎家と坂巻家に養子に出されてた。
最初は俺も信じられませんでしたよ。
しかし2人が血の繋がった兄弟だとしたら全ての事に納得がいく。
骨髄移植?ああ…。
陽一は白血病で治療には俺の骨髄が必要だ。
だったらグズグズしてないですぐ逃げないと…。
出来ない。
なぜ?もたもたしてたら誰かに見つかるぞ。
無理だ。
たとえ逃げたところで俺が大沼の奴を捜し回ってた事はみんなが知ってる。
警察から逃げられるわけがない。
俺はもうおしまいだ…。
兄さん…。
何してる?指紋だ。
兄さんの指紋を拭き取る!他に触ったところはないか?だから言っただろ?無駄なんだ。
無駄かどうかなんてやってみなきゃわからないだろ!僕が兄さんの身代わりになる。
僕が田崎誠として警察に出頭する。
だから兄さんは僕の代わりにこれから先坂巻英治として生きてくれ。
何を言ってるんだ?いいか?もし僕が坂巻英治として警察に捕まれば間違いなく動機が割れて恋人の小百合は世間のさらし者になる。
けど僕が田崎誠として捕まれば動機は金で済む。
待てよ…だったら俺が自首すれば…。
ダメだ。
そんな事をしたら誰が兄さんの息子を助ける?陽一君には兄さんの骨髄移植が必要なんだろ?英治…どうして…。
一度は捨てようとした命だ。
才能に限界を感じ死に場所を求めた旅先で小百合に出会った。
僕は小百合に救われた。
だから彼女を救うにはこれが一番なんだ。
それにそうすれば兄さんの息子も救えるかもしれない。
他に方法はない。
そうだろ?英治…。
礼なんていい。
僕と兄さんは兄弟じゃないか。
幸い2人の姿形は兄弟だけあってよく似ていた。
しかも現場指紋と一致したとなればそれ以上疑われる事はまずない。
本当なんですか?さあ…わかりません。
別に証拠があるわけではない。
ただ…坂巻さんはそうする事で2人の人間を救ったんだ。
田崎の息子陽一君とそして…あなたを。
どちらの結果を信じるかはそれはあなた次第です。
どうぞ。

どちらの結末を信じるのかそれは依頼人である彼女が決める事だ
だが恐らく彼女はこの先も坂巻を待ち続けるだろう
愛する者と再び出会うまで…
坂巻は自分の決断を悔いた事がないのかしら?人はいざとなればいくらでも我が身を犠牲に出来るもんさ。
心から愛する人間のためならな。
であなたも待つの?この先も…。
フッ…。
優しいのね。
男は優しくなければ生きていけない。
だけど優しいだけじゃなあ。
フフフ…。
なんだよ…。
(安岡圭子)主人が浮気してるんです。
相手の女突き止めてください!
(山村サキ)報酬を少しアップして頂けないですか?お楽しみのところ悪いんだが大勢で女一人によってたかって乱暴するってのはどうなの?2014/08/23(土) 00:54〜01:54
ABCテレビ1
匿名探偵 #7[字]

探偵(高橋克典)は、駅で別れた恋人を待ち続ける女と出会う。
胸を打たれた探偵は自ら進んで、元恋人の捜索を開始。
だが、彼が別の女性と結婚していることが判明し…!?

詳細情報
◇番組内容
【第7話 探偵と待ちぼうけの女】東京から遠く離れた片田舎の駅で、探偵(高橋克典)は鈴原小百合(安達祐実)と出会う。小百合は5年前、人間関係に疲れてこの町に来訪。旅をしていた画家・坂巻英治(葛山信吾)と出会い、愛し合うようになった。だが坂巻はある日突然、別れを切り出し姿を消した。それ以来、小百合は坂巻を待ち続けているという。小百合の一途さと涙に心を動かされた探偵は自ら志願し、調査を開始する…。
◇出演者
高橋克典、片瀬那奈、山口大地、原幹恵、森次晃嗣、田山涼成、柴俊夫
【第7話ゲスト】安達祐実、葛山信吾
◇脚本
高山直也
◇音楽
仲西匡
◇演出
秋山純(テレビ朝日)
◇主題歌
EDGE of LIFE『Can’t Stop』(avex trax)
◇スタッフ
【ゼネラルプロデューサー】黒田徹也(テレビ朝日)
【プロデューサー】池田邦晃(テレビ朝日)、遠田孝一(MMJ)、神通勉(MMJ)
◇おしらせ
☆番組HP
 http://www.tv-asahi.co.jp/tokumeitantei/

※この番組は放送時間が変更になる場合があります

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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