(かまど)真っ赤に色づいたりんごを一度にこんなにたくさん使ったお菓子といえば…。
りんごをあめ色になるまで煮詰めてタルト生地と共に焼いただけのシンプルだけど奥深〜い味わい。
りんごのうまみを心ゆくまで楽しめるスイーツです。
タルトタタンは100年以上前フランスの小さなホテルで生まれました。
ホテルのオーナーだったタタン姉妹。
彼女たちにはこんな逸話が残っています。
ある日お客さんとおしゃべりに夢中だった姉のステファニーはデザートを用意していなかった事に気付きます。
妹のカロリーヌと共に大急ぎでキッチンにあったりんごを鍋に入れ砂糖をふって火にかけました。
そして大慌てで生地をりんごの上にのせオーブンへ。
焼き上がった鍋を恐る恐るひっくり返してみるとカラメル色の焼き色がついた見事なタルトが出来ていたのです!失敗から偶然生まれたタルトタタンはたちまち評判となり今もその味を求めて多くの人が訪れます。
今日はりんごのおいしさがギュッと詰まったタルトタタンの魅力に迫りますよ!光る石をたどれば行き着く不思議な家にあのお菓子の家のヘンゼルとグレーテルの末裔が暮らしています。
彼らが振る舞うおいしいお菓子の物語をご賞味あれ。
あ〜風が気持ちいい…。
「グレーテルのかまど」へようこそ。
あ〜風が気持ちいい…。
ちょっとかまどマネしないでよ。
そんな感じだったもん今。
ほんとに気持ち良かったから。
そっちまで来てる?風。
来てるよ隙間から入ってくるのよかまどだって。
なんかもう秋っぽくなってきたよね。
いろんな秋ありますけど。
何だろう…読書?おっ!かっこいいね。
読書の秋スポーツの秋ね。
かまど体動かしてるの?うん…かすかに。
ほんと?なまってない?この中で。
その中で頑張ってるんだね。
これ見て。
なになに?この間ねりんごをたくさんもらったの。
このりんごでかまど何か作れないかな?ピンときた!りんごをたくさん使ったスイーツといえばアレです。
アレね!今宵ひもとくお菓子は…。
「タタン姉妹のタルトタタン」。
パリから車で2時間。
タルトタタンが生まれた小さな町ラモット・ブーヴロン。
毎年9月りんごの季節到来と共にタルトタタン祭りが行われます。
祭りにはフランス各地から大勢の観光客が訪れます。
お目当てはもちろんタルトタタン!この祭りを主催しているのはタルトタタン愛好会の皆さんです。
青いマントと赤いスカーフが愛好会の正装。
このメダルは会員だけに与えられる名誉あるものなんです。
会員たちはタタン姉妹が考案した昔ながらのレシピを教えたり実際に試食してもらったりしてその魅力を伝えます。
お祭りのメインイベントは…我こそはという腕自慢の人たちが自作のタルトを持ち寄ります。
参加者の中には8歳の女の子まで!わぁ〜上手ね!この焼き色がいいのよね。
りんごの焼き具合や並べ方も実にさまざま。
愛好会と地元のパティシエが味や出来栄えを審査し順位をつけます。
今年の優勝者はこちらのマダム。
これが彼女のタルトタタン。
味はもちろんりんごがきれいに並んでいる事も高い評価を得ました。
そうタルトタタンは見た目の美しさも大切なんです。
手作りならではの思い思いの味を楽しめるタルトタタン。
そこにはちょっぴりフランスの人々の誇りも隠されていました。
ふ〜ん100年前のフランスであんなお菓子があったんだね。
ね〜。
タルトタタン。
「タ」が多すぎない?タルトタタン。
タルトタタンね。
ぶっちゃけ知らないんだよね。
知らないの?じゃあ楽しみにしてて下さいよ。
びっくりするぐらいすごいたくさんりんごが入ってるから。
そうなんだ。
じゃあ早速作ろうよ。
姉ちゃんも絶対喜ぶからさ。
じゃあ味わいのキメテどうぞ。
りんごのおいしさを味わうスイーツだからりんごにはこだわった方がいいんだよね。
小ぶりでずっしり重い身が詰まってるりんごがいいです。
それを選んだ方がいいんだ。
でこんなに使うわけ?そう10個使います。
ウソ〜!こんなに使うのか。
そうなのそれがタルトタタタ…。
タルトタタンでしょ。
りんごにもたくさん種類があるんだね。
そうなの。
あんまり熟れてるのじゃない方がいいのね。
酸味がある方が。
加熱して甘みを出していくじっくり作っていくやつだから。
よしOK!じゃあここでオキテお願いします。
なんで鍋を2個も使うの?10個分ってすごい量じゃない。
1個のお鍋にガーンと入れちゃうよりもそうやって分けると全体が同じような感じで火が通る。
そういう事ね。
なるほど。
りんごを隙間なく詰めてほしいんだね。
これ難しいよね。
よいしょ。
ちょっとどんな感じでしょうか?こういう事?そういう感じ。
火にかけた時にねりんごの水分が出やすいんです。
こうやって並べてあげちゃうと出やすいからりんごから出た水分で蒸し煮のようにしていくのね。
はぁ〜。
おこれじゃないの?上手!鍋にりんごを入れました!本場フランスも認めたタルトタタンが京都の喫茶店にあります。
ご覧下さい。
この芸術品のような美しさ。
りんごを1台に20個以上も使いこのような濃いあめ色になるまでじっくり煮詰めて作り上げます。
このタルトの作り手は松永ユリさん大正生まれの94歳。
むきにくい。
ちょっと大きいのかな。
その時によって違いますね。
およそ40年前からこの地で夫と共にフランス料理店を経営していたユリさん。
パリを訪れた時偶然タルトタタンに出会います。
一口食べてそのおいしさにユリさんは衝撃を受けました。
帰国後ユリさんはパリで食べた味に独自のこだわりを加え世界に1つしかないタルトタタンを作ろうと思ったのです。
まず大事にしたのがりんごの層の高さ。
試行錯誤の末1つの鍋にりんごを2段に重ねて入れる事にしました。
水を一切加えずりんごの水分だけで煮詰めていくとても手間と時間のかかる方法です。
今高齢のユリさんに代わってこの作り方を守るのは孫の麻耶さん。
弱火で煮詰めること40分。
りんごからこんなに水分が!でもこれもユリさんが大事にしてきたポイントなんです。
できるだけ水分を飛ばして干し柿のような食感と言うと変ですけどそういう凝縮されたうまみを追求してるので。
鍋に山盛りだったりんごがこれだけの分量に!干し柿のような食感にするため煮崩れしないように気を付けながらじっくりじっくり火を通していきます。
火の通り具合を見極める目安は焼き色。
1切れずつ裏返して確かめます。
「ほんのちょっと」をずうっと続けてきたユリさん。
この濃厚な焼き色こそが時間をかけて煮詰めた証し。
ここまでなるにはトータルで4〜5時間もかかるのです。
りんごのうまみとユリさんの思いがギューッと詰まったタルトタタン。
ユリさんの美学が生み出したおいしさです。
あのおいしそうな色見た?見た見た。
すごいいい色だよね。
香ばしそうな。
そうそうおいしそうだった。
私たちも煮ていきましょう。
分かりました。
1つオキテお願いします。
干し柿?ユリさんとこでも言ってなかったっけそんな事?言ってたね。
どんな食感だと思う?干し柿でしょ。
硬くもなく柔らかくもなく…。
すごく難しいね表現のしかたが。
干し柿ちゃんと思い出してる?アップルパイのりんごほどはシャキシャキしてません。
ジャムのように煮崩れてもいません。
かなり難しいです今回。
覚悟して下さい。
まずは中火で15分ぐらい煮て下さいよ。
はい。
これで15分様子を見ながら。
あんまり触らない方がいいのね。
水分出てきてるねりんごから。
きてるでしょほら。
ひっくり返してみようか。
そんな急がなくていいから気を付けてね。
ひっくり返すの結構難しいね。
敷き詰めてあるから。
あっ柔らかくなってきてる下の方。
ヘンゼル格闘しております。
よいしょ…。
ヘンゼルにいさん隣も同じように頑張ってるのよりんご。
そうだよね。
ヤバイ!満遍なくお願いしますよ。
こっちもね。
そうですよ。
かまどどうかなこれ?ん〜?全体が薄茶色になってますね。
なってるね。
じゃあOKで〜す。
よし!型に入れていきます。
きれいにね。
崩れないように入れないとね。
その器の中にねお鍋2つ分全部入れるから。
そうだよね。
だからきちっときちっと。
すごいよ。
これ隙間をね見つけるのが大変。
頑張った!イエーイやりましたおめでとう!ほんとにできましたね。
お鍋の底も…。
うわ〜おいしそうだな…。
上手にできたわ。
うわ〜贅沢。
重いよそれ今持ったら。
これが実はかまどスペシャルなんです。
かまどスペシャル?というのはね京都のユリさんは4〜5時間かけて煮てたでしょ。
それをユリさんの味に近いんだけどもかまど的には時間をかけずにオーブンを使ってりんごに火を通す事にしました。
お〜!よし。
かまどスペシャール!かまどスペシャル!何回も言わせてもらう。
かまどスペシャール!お店の片隅にあるユリさんの指定席。
ユリさんは毎日ここで過ごします。
2005年ユリさんは日本人で初めてタルトタタン愛好会からメダルを授与されました。
30年以上にわたる功績が認められたのです。
今タルトタタン作りは孫の麻耶さんが中心になっています。
長時間厨房に立つのが難しくなったユリさんの姿を見て麻耶さんが自ら申し出ました。
世界でたった1つのおばあちゃんの味。
子供の頃から食べ慣れたその味を麻耶さんは残したかったと言います。
軽く温めてヨーグルトをかけるのがユリさん流のスタイル。
ヨーグルトの酸味がりんごの甘みを引き立てます。
この日の出来栄えは…いかが?ユリおばあちゃん。
(麻耶)おいしいですか?よかった。
(麻耶)おばあちゃんがこのケーキだけで30年近い間それだけをメインにやってきたという事は本当に尊敬するしそれを残してくれた事にはすごく感謝するしそれを守らないといけないという何かは感じてます。
タルトタタンをこよなく愛するユリさんの存在こそが孫の麻耶さんの原動力です。
お孫さんに引き継ぐなんていい話だね。
ステキだよね。
なんかほっとする。
いつまでも元気でいてほしいね。
は〜い。
じゃあタルトの生地を準備しましょうか。
材料全部冷やしておいて下さい。
それが大事な事です。
バターが溶けないようにね。
冷えてるでしょ。
冷えてるね。
よいしょ。
そしたら水と卵黄があるでしょ。
まず先に混ぜちゃってそれに入れて下さい。
おお〜すごい!OKで〜す!タルトタタンといえば上に生地をかぶせる!そ〜っとりんごたちにかぶせて下さい。
お!きました!もう一度180℃のオーブンで焼いていきましょう。
もうすぐだな。
うれしい。
スタート!スタート!あとはオーブンにお任せします。
はい。
よいしょ…。
お〜かまど見て!出来た出来た!出来たね〜!すごい!いい色だね。
いい色ね。
わあおいしそう。
おいしそうだが一晩冷蔵庫でねかせて下さい。
え〜…。
え〜じゃない。
そうする事によってりんご同士がピタッとくっつくので。
え〜でもりんごが「食べてほしい」って言ってます。
言ってない全然言ってない。
いや食べたいな〜。
「冷蔵庫連れてけ早く早く!ピッタリひっつきたいんだ…」早く!
(鳩時計の時報)出していい?出していいわよ。
そっとよ。
よいしょ。
ふふ…。
もうひっくり返していいのかな。
なんか楽しみだね見るのが。
緊張の瞬間だね。
いきますよ。
ほっ!どういう事になってるのやら…。
おお〜きたきたきた!そっとそっとそっと…よろしくお願いします。
おお〜!すごい!ちょっときれいなタタンが…!ツヤツヤじゃないこれ!きれ〜い!食べたいな早く!
(チャイム)おっ姉ちゃんお帰り〜!すっごいの出来たよ〜!フランスの小さな町で生まれ長く人々を魅了し続けてきたタルトタタン。
10個ものりんごが凝縮された甘みと酸味が絶妙のバランス。
まるで干し柿のように濃厚なりんご独特の食感とうまみが口いっぱいに広がります。
タルトタタンが誕生したホテルにはタタン姉妹が使っていたかまどが当時のまま残されています。
100年以上前に失敗から偶然生まれたスイーツ。
時を経て国境を越えて日本でも愛されるようになりました。
本場の愛好会の皆さんから京都のユリさんにメッセージが!タルトタタンで結ばれた友情です。
ユリさんの人生を支えてきたタルトタタン。
これからも変わらぬ味で受け継がれていきます。
今日の「グレーテルのかまど」いかがでしたか?100年以上前にフランスで生まれたタルトタタン。
それが日本で今ユリさんからお孫さんへ受け継がれようとしています。
僕らも次の世代そして更に次の世代へと伝えていきたいそんなスイーツでした。
ではまたこのキッチンでお目にかかりましょう。
じゃあちょっと失礼して…もう我慢ができない!いただきます!まあステキなテーブルセッティングで。
ボナペティ?ボナペティ?イエス!ふふ…イエスじゃないよ。
すごい!おいしい?りんごそのものを食べてるって感じ。
でも砂糖とかがちゃんとしみこんでるからおいしいね。
これ何個分だろうね?その1切れで1個分。
これで1個分!?1個分すごくない?おなかいっぱいになるよ。
贅沢だね。
ていうかかまどにもちょうだい。
ん?ん?ふふ聞こえたでしょ。
かまどは読書の秋。
イジワル!ふふふ…。
2014/08/22(金) 21:30〜21:55
NHKEテレ1大阪
グレーテルのかまど・選「タタン姉妹のタルトタタン」[字][デ]
リンゴをあめ色になるまで焼き上げ、うま味を凝縮させたスイーツといえばタルトタタン!その誕生秘話、京都の名人の味に迫る!多数のアンコールにお応えして再放送します!
詳細情報
番組内容
100年前のフランスの小さな町で、タタン姉妹の失敗から生まれたスイーツ「タルトタタン」。1度にリンゴを10〜20個も使い、あめ色になるまで焼き上げたタルトは、リンゴのうまみたっぷり。発祥の地ではタルトタタン祭りが開かれ、腕自慢が集う。現地の人々も認める名人が京都にも! 松永ユリさん、ことし95歳。手間を惜しまず、独特の美意識でその味を守り続けてきた。タルトタタンを愛する人々とそのおいしさに迫る。
出演者
【出演】瀬戸康史,【語り】キムラ緑子
ジャンル :
情報/ワイドショー – グルメ・料理
バラエティ – 料理バラエティ
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
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