生字幕放送でお伝えします道そのものが跡形もなく…。
車も、ひっくり返ってる。
おととい未明広島市を突然の豪雨が襲いました。
市内50か所以上で土石流や崖崩れが同時多発的に発生。
多くの人が逃げる間もなく被害に遭ったことが分かってきました。
土砂災害をもたらした集中豪雨。
僅か3時間で平年の、ひとつき分に及ぶ猛烈な雨が降りました。
この夏不安定な天気が続く日本列島。
今月、近畿地方でも豪雨による大きな被害が出ました。
なぜ、これほど多発しているのか。
そのメカニズムが明らかになってきました。
大量の水蒸気がぶつかり合って次々と積乱雲が発生。
短時間に集中して雨を降らせたのです。
いつ襲ってくるか分からない豪雨そして、土砂災害からどう身を守ればいいのか。
緊急報告です。
おととい土砂災害に見舞われた広島ではその後も雨が降り避難指示が出るなど緊張が続いています。
今回の土砂災害の特徴は同時多発的に土石流や崖崩れが発生したことです。
ご覧のように広島市の安佐北区と安佐南区に集中しています。
その数は50か所以上に上っています。
そして、いまだ被害の全貌は明らかになっていません。
これまでに亡くなったのは40人。
行方不明者の数は47人になるおそれがあります。
災害発生から72時間を超えると生存率が大きく下がるとされていてその時間があす未明に迫っています。
雨で、たびたび中断を余儀なくされる中懸命の捜索が続いています。
そして、この夏は各地で局地的な豪雨が相次いでいます。
きょうも広島だけでなく九州や北日本など各地で激しい雨が降り土砂災害への警戒が必要となっています。
これからも各地で集中的な大雨が懸念される中私たちは、どう備えればよいのか考えていきたいと思います。
まずは、広島市の現場で何が起きていたのか。
多くの犠牲者を出した地区の一つ安佐南区八木地区です。
自宅が土砂崩れに巻き込まれながら九死に一生を得た原田義明さん83歳です。
妻のトシエさんは亡くなりました。
今回、特に被害の大きかった安佐南区八木地区です。
市の中心部まで車で20分ほど。
1万3000人あまりが暮らしています。
原田さんの家はこの地区の中でも山に近い場所にありました。
土砂によって家の3分の2が流されました。
就寝中だった妻のトシエさんは逃げることができませんでした。
自宅のそばで亡くなっているのを原田さん自身が確認したといいます。
助けるができんかったです。
あれが一番残念です。
けんかしながらでも、50年間連れ添っておうたわけですから。
19日の夕方から断続的に雨が降っていた広島市。
八木地区では、日付が変わるころ雨は、いったん弱まっていました。
しかし、20日午前1時過ぎから突然雨が激しさを増していきます。
広島市の上空で、雨雲が急激に発達していったのです。
午前1時15分、気象台と県は土砂災害警戒情報を発表します。
住民たちは、異変を感じ始めたと口々に語っています。
今まで聞いたことのないような…雷もひどかったですよ。
雨だって本当、音がすごかったですね。
湿めっぽいような土くさい…よく私も分からないんだけど普通の私の家のにおいとはちょっと違うないう感じで。
午前2時過ぎさらに、猛烈な雨が降り始めました。
土砂災害警戒情報をきっかけに通常の2倍の態勢を組んだ広島市消防局の通信指令室。
市内の各地から、119番通報が殺到し始めていました。
浸水している。
水が家の中に入ってきそうだ。
電柱が倒れて外が大水でどうすればいいんだ。
2階に避難したほうがいいのか。
とれないくらいの119番通報がありました。
安佐南区山本地区の村上正幸さんです。
2時半ごろ、裏山の異変に気づき家から脱出したといいます。
その直後隣の家には土砂が流れ込み2人の子どもが巻き込まれました。
午前3時21分消防局にこの2人の救出を求める通報が入りました。
土砂崩れの被害を伝える最初の通報でした。
このあと続々と救助を求める通報が市内各地から相次ぎました。
今回、特に被害が大きかった安佐南区八木地区。
住民たちは、午前3時ごろから次々と土砂崩れに見舞われました。
山沿いに建つ団地にも突然、土石流が流れ込みました。
1階に住んでいた高橋利幸さんです。
部屋で眠っていたところ「怖い」という娘の声で目が覚めたといいます。
窓を突き破った土砂が部屋を埋め尽くしていました。
慌てて外に出ましたがひざまでつかる泥水に遮られました。
高橋さんと家族は、その場で朝を待つしかありませんでした。
団地の周辺では多くの人が亡くなったり連絡がとれなくなったりしています。
団地の近くに暮らしていた若い夫婦も行方が分からなくなっています。
湯浅康宏さんと妻のみなみさん。
先月、ここで新婚生活を始めたばかりでした。
同じ区内で暮らしていた弟の健治さんです。
携帯電話に何度電話してもつながらないといいます。
本当に、現実じゃないみたいな感じですかね。
本当に何もなかったんで。
大きな石が建物があったところにぽんとあって。
ただただ、もう本当に生きてさえいてくださったらそれでいいです。
妻のトシエさんを亡くした原田義明さんの家は団地から300mあまりのところにありました。
そのとき、原田さんはトシエさんと別の部屋で寝ていました。
ここへ自分が寝よった。
気づいたときには土砂に体が埋もれていたといいます。
押し潰された感じ。
あのときは死ぬんじゃないかと思うたですね。
これは出られんのじゃないかと。
息苦しいのと一緒で、一刻も早う外へ出たいという気持ちだったですね。
なんとか土砂から這い出した原田さん。
真っ先に妻の姿を捜し名前を呼びましたが返事はありませんでした。
土砂が原田さんのいた部屋以外を押し流していたのです。
まあ、あれでも、声がすればねまだ生きとるぞと思うんですけども声がせんのですから死んどる気が…。
なんでしょうね…まあ。
悪かったのうと。
なんとか生かしてやりたかった。
広島市内に最初の避難勧告が出たのは午前4時過ぎ。
僅か3時間の間に50か所以上で土砂災害が同時多発的に起きていました。
暗闇の中で多くの命が失われていました。
昨日の夕方。
八木地区で連絡のとれない家族を捜す人がいました。
湯浅吉彦さんです。
息子の康宏さんと妻のみなみさん。
吉彦さんは11月に孫が生まれるのを楽しみにしていました。
康宏さんは、結婚を機にふるさとで暮らそうと東京から戻ってきたばかりだったといいます。
多くの命を奪った土砂災害の恐ろしさを痛感します。
では、広島市の現場の今の様子を伝えてもらいます。
中村さん。
安佐南区八木地区です。
私が立つこの場所のすぐ近くにはVTRでもお伝えした、団地が土砂に流された現場もあり多くの人の行方が分かっていません。
きょう午後に入ってこの付近では一人が遺体で収容されもう一人の救出作業が続けられていますが消防の呼びかけには応じないということです。
今、この場所では雨は、やんでいますが広島県では昨夜から、けさにかけて非常に激しい雨が降り、捜索はいったん中断されました。
けさからは再開され現在も警察や消防自衛隊の捜索が続いています。
現場は粘りけのある泥が、深く堆積していてがれきなどを撤去するために必要な重機がなかなか入れません。
警察官や自衛隊員もぬかるみに足をとられながら捜索を続けていて、捜索は難航しています。
私は現場を担当している警察幹部に取材しましたが、捜索が思うように進まない時間的な制約があるができることをやるしかないと話していました。
VTRでお伝えした行方が分からなくなっている湯浅さんの弟は厳しい状況ですが無事に見つかることを祈っていますと話していました。
以上、安佐南区の現場からお伝えしました。
では、ここからは土砂災害がご専門の政策研究大学院大学特任教授池谷浩さん。
そして、社会部災害担当の菅井デスクとお伝えしていきます。
よろしくお願いします。
まず、池谷さん今回広島市内で、まさに同時多発的に発生した土砂災害ですけどもここまで被害が大きくなってしまった要因というのは何なんでしょうか。
私はですね3つの要因があったというふうに考えてます。
1つ目はですね短い時間ではありますが非常に強い雨が降った。
3時間で200ミリを超す雨。
しかも1時間では100ミリを超すような非常に強い雨が降った。
いったん弱まったあとも強まっていったんですね。
短時間の場合は連続的に200ミリになったんですね。
こういう強い雨が降ったということが一つの理由というふうに考えています。
2番目の理由はこの地域を覆っているもろい地質。
これは花こう岩地域なんですけども風化した、まさ土と呼ばれる土で覆われていたんですね。
これは、水を含みますともろくて崩れやすくなりますのでこれが災害を大きくした1つの理由であります。
3番目の理由が私は一番大きな理由と考えておるんですが真夜中の現象といいましょうか真夜中の災害。
これは実際起こってみるとですね外に出てみると外は真っ暗ですよね。
それから大雨が降ってる。
ひょっとしたら家の前の道路は川のようになっている。
そういう状態ですとこれ、避難ができません。
安全なところに移ろうと思ってもなかなか行動ができないという避難行動を阻害する要因というのが非常に大きいわけですね。
そういう原因が重なって大きな災害になったというふうに考えています。
危険を感じてももう身動きが取れない状況になってしまっていたということですね。
菅井さん、今回は自治体や気象台が防災のための情報をいくつか出していますよね。
ただ、あまりに雨が急激に強まっていって追いつかなかったというのが現実なんでしょうか。
結果的にそういうことがいえると思います。
広島市が最初の避難勧告を出したのが午前4時過ぎ。
すでにこの段階で災害が発生していたとみられています。
今後、検証が必要ですけどもただ、この発表が多少早かったとしてもですね安全な避難ができる状況ではなかったかもしれません。
今回のように事態が急変する災害はですね情報を待っていては身を守れないという現実があることですねわれわれ知っておかなければならないと思います。
この情報に関して2つ、指摘したいことがあります。
1つは、こちら午前1時過ぎに出されています土砂災害警戒情報です。
この情報は土砂災害の危険性が高くなった市町村を対象に発表されます。
実は去年10月に起きた伊豆大島の土砂災害の際もこの情報が災害発生前に発表されていたんです。
このため現在、大島町はこの情報を目安として避難勧告を発表することになっています。
土砂災害警戒情報で自分の住む町の情報が出た場合にはこの情報の重みをきちんと受け止めていただきたいと思います。
また自治体もこの情報が出たら早めに避難の呼びかけをしていく必要があると思います。
もう一点なんですが気象庁が去年から運用を始めた特別警報についてです。
特別警報というのは重大大規模な災害の危険性があってしかもその危険性がある程度地域的な広がりがある場合に発表されます。
今回これだけの被害が出ていることから考えますと特別警報がなぜ発表されなかったのかと疑問を持ってらっしゃる方も多いのではないかと思います。
一方で特別警報が新たにできたことで従来の警報などが軽視されているという指摘もあります。
大雨警報、土砂災害警戒情報こういった従来の情報も危険性を伝えるうえでは非常に重要な情報です。
そのうえで、気象庁では特別警報を含め、防災情報の在り方、私たちが受け止めやすいものに見直していただくこと。
それから情報の意味を社会全体に徹底的に周知する努力を求めたいと思います。
そして、池谷さん先ほど、周辺が崩れやすい地質であったというご指摘ありましたけどもこうした土砂災害というのは広島だけでなくて各地で起こりうるんでしょうか。
広島の場合は花こう岩という話をしましたが花こう岩一つとってもこれは全国的に分布してますしとりわけ近畿地方から中国地方そして、九州北部にかけて広く分布しています。
しかし、花こう岩だけではなくて最近の土砂災害、土石流災害を見ていただきますと例えば秋田県で起こったり伊豆大島で起こったりしていますよね。
こういうことを見ていますと地質に限らず大きな雨が降れば、日本全国どこででも危ないと土砂災害の危険があるよと思っていただくほうがいいのではないかと思いますね。
やはり山あいだけではなくて都市部でも起こりうると。
一般的に、よく年では土砂災害って起こらないよねって聞かれるんですね。
皆さん、都市部というのは近代的な建物があって土砂災害とは無縁のようにお考えになってるかもしれませんが例えばですけども日本の県庁所在地47ありますがこの県庁所在地だけで土砂災害の危険な箇所ってどのくらいあるかお分かりですか?
いや…ちょっと想像がつかないですけど…。
数えてみますと約5万4000か所あるんですよ。
これ数を見ただけでも都会も土砂災害とまさに背中合わせの生活を余儀なくされているというのがよくお分かりだと思います。
すなわち都会にいるから安全ではなくてどこに住んでいても土砂災害については十分注意していただきたいなと思います。
もっとこうした記録的な豪雨になった場合どこでも危険は高まっていくということなんですね。
さて、今回被害の拡大を招いた原因の一つとなりました短時間の大雨。
その発生のメカニズムが取材で明らかになってきました。
地元に防災情報を伝える広島地方気象台。
台長の三角幸夫さんは今回の局地的豪雨は予測の限界を超えていたといいます。
雨が強まり始めたのは午前1時過ぎ。
気象台は今後、雨がさらに強まると判断し1時15分土砂災害警戒情報を出しました。
しかし、1時間に100ミリを超えるような猛烈な雨が降るとは予測していませんでした。
ところが雨は予想をはるかに超えました。
午前4時までの1時間に101ミリ3時間で200ミリを超えるという観測史上最大の雨量を記録したのです。
予測できない豪雨はどのようにして発生したのか。
気象研究所の加藤輝之さんが解析を始めています。
今回、大雨をもたらしたのは画面の赤い部分。
細長く延びる雨雲でした。
線状降水帯と呼ばれます。
線状降水帯の断面を見ると…。
9個もの積乱雲が連なってできていることが分かりました。
通常の積乱雲は上昇気流によって生まれ雨量は、多くても1時間に30ミリ程度で雲は消えていきます。
ところが今回は積乱雲が同じ場所で次々と発生しました。
バックビルディング現象と呼ばれています。
この雨雲が狭い範囲に雨を集中させたのです。
バックビルディング現象はなぜ起きたのか?当時、前線の影響で赤色で示した湿った空気の帯が九州から中国・四国地方を覆っていました。
この湿った空気の帯の下ではどこでも強い雨が降りやすい状態になっています。
加藤さんの詳しい解析によってさらに悪条件が重なったことが明らかになってきました。
広島の南側に位置する豊後水道。
四国と九州の山地に挟まれいわば谷のようになっています。
その谷目がけて太平洋から赤い色で示した大量の暖かい水蒸気が流れ込みました。
これが、豊後水道を通り抜け広島を直撃したのです。
夜遅く、豊後水道から流れ込んだ水蒸気の固まり。
それが広島上空を覆っていた湿った空気の帯にぶつかります。
湿った空気の帯には弱い上昇気流が発生し続けています。
そこに、水蒸気の固まりがぶつかると大量の水分が供給され上昇気流が一気に強まります。
この上昇気流が積乱雲を次々と発生させるバックビルディング現象を引き起こしたのです。
今月16日から17日にかけて京都府で1時間に80ミリ以上の雨量を観測した局地的豪雨。
2800棟以上が浸水する被害が出ました。
実は、これもバックビルディング現象がもたらしていました。
おととしの九州北部豪雨。
3時間で300ミリ近い雨が降り土砂災害が発生。
30人以上が犠牲になりました。
この雨もバックビルディング現象による線状降水帯がもたらしました。
さらに今回の被害を拡大させたのは明け方に豪雨が発生したことです。
加藤さんは今後も明け方の雨の降り方に注意が必要だと指摘しています。
過去に、西日本で30ミリ以上の激しい雨が降った時間帯を分析した結果です。
縦軸は激しい雨が降った面積。
横軸は時間帯です。
すると、午前3時から9時ごろが最もよく激しい雨が降り午前6時ごろがピークだということが分かりました。
特に集中豪雨を警戒すべき時間帯は明け方なのです。
雨の降り方が変わってきていると実感している方も多いと思うんですがこういうメカニズムがあったんですね。
菅井さん、今回の災害でも寝ているところを土砂に襲われたという方が多いと思うんですが明け方に豪雨が多いと。
起こりやすいというのは私たちにとって怖いですね。
ただ、この分析なんですけど完全に解明されたということではなくて今のところ限られた時期あるいは地域についての分析だということなんです。
ただ、過去に多くの犠牲者が出ている災害を振り返りますと、やはり深夜から明け方の時間帯に多くの方が寝てる時間帯に起きてるというケースが目立っているのは事実です。
今のVTRにもありましたけども心配な地域の方はやはり念のため早めに安全な建物に避難しておくということが大切だと思います。
被害が大きくなりやすい時間帯でもあると。
各地で相次いでいる豪雨なんですけども水蒸気が影響しているという指摘がありましたね。
最も大きな要因だったと思います。
こちらで振り返りたいと思います。
こちら、おとといの午前3時の天気図なんですけども。
土砂災害が起きたころですね。
通常、夏場はこの南の高気圧が日本付近を広く覆うわけですけどこれが、あまり強くない状態というのが続いています。
この高気圧の縁は時計回りに、こういう風が流れていますので、ちょうど日本列島付近にこういった湿った空気がしかも大量にですねずっと流れ続けているという状態なんです。
これは、雨雲の材料ということになりますので先ほど予測が難しいという話がありましたけどもちょっとした風向きの変化でいろんなところで雲がわくという状況が長く続いているということなんですね。
どこで降ってもおかしくない。
あるいは予測が難しいということです。
また、長期的に見てもですね地球温暖化の影響で海水温が高くなると水蒸気量が増えるという予測もありますので、日本では今後、豪雨が発生しやすい状態が恒常化していくというふうに考えておいたほうがいいと思います。
本当に僅かな条件で雨の降る場所降り方も変わってくると非常に予測することも難しいという状況があるかと思うんですけどそういった中で不安に思う方多いと思うんですがどうすれば、具体的にどう対処していけばいいんでしょうか。
土砂災害の防止という視点で考えてみますと私は2つのことを考えたらどうかなと思っていますね。
その2つのことというのは異常を知るということですね。
1つは雨の降り方の異常を知る。
例えば雨音とか雨粒ですね。
過去に皆さんたいていの方が、どんな雨かは経験しているわけですね。
その過去に経験したことがある雨とはちょっと違うなと。
いつもの雨とは違うなと思ったときには、土砂災害を警戒してみるということが必要じゃないかなというのが1点目です。
もう一つは土砂災害そのものですが土砂災害が起こるときにはなんらかの現象が起こることがあるんですね。
これ、前兆現象とよく言われるんですが例えば、今回の広島でも木が裂けるような音がしたとかゴロゴロという音がしてから土石流がきたとか音のことがいわれてますね。
それから、ある方は土のにおいがしたと言われている方もいます。
においですね。
そして、振動ですね。
こういうふだん起こらない現象が起こってるときはやはり土砂災害が発生する可能性があるという気持ちを持っていただいて安全なところに移動するという行動をとっていただきたいと思いますね。
音や、におい、振動といった前兆現象ということですね。
一方でこれまで自分が経験して雨その記憶や経験だけではなかなか対処できない事態もあると。
雨の降り方が変わってきてますので今まで安全だからこれからも安全だという気持ちはぜひやめていただいて大きな雨が降ったらやはり、土砂災害に気をつけてみるという気持ちを持つことが非常に大切だと思いますね。
さて、今回の災害なんですがこれまで進められてきた土砂災害対策に大きな課題を突きつけました。
国は、土砂災害のおそれのある地域を警戒区域に指定する制度を作ってさまざまな防災対策を講じることで被害を防ごうとしてきました。
しかし、今回大きな被害を受けたほとんどが、警戒区域に指定されていませんでした。
広島県では、15年前にも32人が犠牲となる土砂災害がありました。
その教訓から2年後の平成13年土砂災害防止法が定められました。
都道府県は、地形などから土砂災害の恐れがある危険箇所を選びます。
その中で、人命に被害が及ぶ恐れがある地域を警戒区域に指定。
土砂災害ハザードマップを配布し住民の避難計画を作成することが市町村に義務付けられます。
現在、広島県内の危険箇所はおよそ3万2000。
このうち警戒区域に指定されているのはおよそ3分の1に留まっています。
今回、大きな被害が出た7つの地区のうち6つの地区は警戒区域に指定されていませんでした。
特に被害が大きかった安佐南区の八木地区。
多くの危険箇所がありましたが警戒区域に指定されていません。
私たちが取材した住民の多くはこれまで土砂災害の危険性を感じたことはなかったといいます。
なぜ警戒区域の指定は進んでいなかったのか。
土砂災害の対策を担当している広島県の砂防課です。
警戒区域の指定にはまず、地形や地質などを現地で詳細に調査する必要があります。
調査は民間の調査会社に委託することが多く費用は、一つの地域だけで20万円から40万円。
期間も半年ほどかかるといいます。
広島県では毎年およそ1200か所を警戒区域に指定してきましたが対象地域が多く調査が追いついていませんでした。
さらに、指定までには住民の理解を得ることが欠かせません。
警戒区域に指定されると土地や建物の売買の際に警戒区域であることを説明する義務が生じます。
危険性が高い地域は特別警戒区域に指定され新たな住宅の建築が制限されるほかすでにある住宅には移転するよう勧告されることもあります。
こうした制限も住民に受け入れてもらうのは容易ではありません。
土砂災害対策を研究している広島大学大学院の海堀正博教授です。
警戒区域の指定を進めるためには住民に説明を尽くすほかないと指摘します。
一方で、今回の豪雨は警戒区域の指定だけでは被害を十分に防ぐことができないという課題も浮かび上がりました。
大きな被害があった7つの地区のうち唯一、警戒区域に指定されていた安佐北区、可部東地区です。
おととし、およそ2000世帯が警戒区域に指定されました。
この地区に50年前から住む宮本和夫さんです。
警戒区域の指定以降宮本さんはハザードマップで避難経路を確認したり避難訓練に参加したりするようになりました。
今回、宮本さんは雨が強くなったのをきっかけにラジオや懐中電灯などが入った非常用の持ち出し袋を準備しました。
外の状況を確認しながら指示があればすぐに避難できるよう備えていました。
しかし、この地区でも避難勧告が出る前に土砂崩れが発生し複数の住民が命を落としています。
この地区で避難訓練の責任者を務めていた林田利昭さんです。
深夜に短時間で状況が悪化する今回のような災害からどう身を守ればよいのか大きな課題だと感じています。
警戒区域に指定するのもなかなか簡単なことではないという状況があるわけですね。
池谷さんは土砂災害防止法などの策定に関わったご経験もあるということですけども全国の状況ですね危険箇所が今ご覧いただいていますように52万か所あるのに対して警戒区域に指定されているのはそのうちの35万か所にとどまっていると。
この現状をどうご覧になりますか。
土砂災害対策っていうのは基本的にいいますと砂防えん堤などを造るハード対策と避難対策などのソフト対策という2つの対策を総合的に行うということでなされているんですね。
ところが、実際、ハード対策の整備率というのでみてみますと全国平均で約2割なんですね。
ということは何を意味するかというと土砂災害防止法等のいわゆるソフト面を強化していかなければいけないということを意味するんですね。
そういう点で土砂災害防止法を見てみますと土砂災害警戒区域の指定ですよねそういうものがなされると何がメリットがあるかというとですね行政にとっては、避難勧告等の避難情報を出すという役割が強くなるわけですね。
一方で住民の皆さんはハザードマップ等で自分が住んでいるところがどんな土砂災害の危険があるか知る、そういう場になるんですね。
いわゆる行政の防災情報を出す役割と私は行政の知らせる役割といいますかそれから努力といいましょうかね。
それから住民の皆さんには自分のところがどう危ないかということを知るいわゆる知る機会を土砂災害防止法は出しているというそういう意味があると思っております。
では自分の住んでいる地域にどんな具体的な危険があるのかというのを自分たちで調べる方法っていうのは菅井さんあるんでしょうか。
まず警戒区域に指定されている地域は必ずハザードマップが配布されていると思います。
ただ、指定がない地域についても各都道府県がホームページなどで土砂災害警戒情報を公表しているんです。
一つ、例をご覧いただきたいんですけどこちらが広島県のホームページです。
安佐南区の辺りを見ていますが中央に見える黄色い扇形の部分ですね。
これが、土石流が流れ下るおそれがある範囲を示しています。
こういった形でかなり詳しい情報が各都道府県あるいは国土交通省のホームページから入っていくことができるようになっているんです。
最近、警戒区域の指定がなかなか進まないということで自治体の中には例えば、危険箇所について住民説明会を開いて、少しでも理解を深めてもらうといった工夫をして取り組んでいる自治体も出てきていますのでぜひ、そういう情報を自分の住んでいる地域の情報は知っておいてほしいというふうに思います。
池谷さん警戒区域に指定されていても今回、一部被害が出た地域もありましたけどそうした情報を知ったうえで具体的に命を守るための行動につなげていくにはどうしたらいいんでしょうか。
まず、前提として皆さんがおっしゃったように自分の住んでいるところがどういう状況なのかを知っていただくということがスタートだと思いますね。
その際に、これまで安全だからこれからも安全だという考えはぜひ捨てていただきたい。
雨の降り方が変わってきてますのでまず、その考えを捨てたうえでその土地の歴史とか、災害の歴史とかこういうものを知っていただくのが非常に重要だと思います。
そのうえでですねいざというときの場合は状況に応じて行動をとっていただきたいと思います。
例えば、一般的に言いますと土砂災害警戒情報のような気象情報とか市町村から出されます避難勧告などの防災情報ですね。
こういったものによって避難をするというのが一般的ですが例えば、真夜中の大雨のようなときになかなか、そういうものが出ないケースもありますよね。
そういうときどうするかというとやはり、土石流の危険なところにお住まいの方は土石流というのは流れですから、ある幅を持って流れますのでその幅から外に出るという努力をしていただく。
より遠くへ…。
川から離れたほうに行っていただくと。
これ、水平避難といいますが横方向ですね。
川と直角方向に逃げていただくと。
できれば、平時からそういうところのお宅と仲よくしていただいていざというときは早めの、そのお宅に避難をすると。
こういうようなことをしていただくといいんじゃないかと思います。
一方、崖崩れなどはこれは、2階建ての家の2階に住んでいたり崖と反対の部屋にいると助かったりがたくさんあります。
2階に行く例なんかは垂直避難といいます。
こういうことを行うことでいざというときの状況で判断をして住民の皆さんは行動をとっていただきたい。
そのためには平時の情報を取ることが非常に大切だということですね。
ふだんから近所との関係を築いていくということも大事ですし、いざというときにどういう行動をとるかを十分に考えておくということが大事なんですね。
それが平時からの備え。
平時にできないことを異常時にはできないと思うんですね。
さて、では改めまして広島市の現場から伝えてもらいます。
中村さん。
行方が分からなくなっている人たちの捜索活動は今夜も夜を徹して行われる予定です。
県や市は、これまでに降った大量の雨で地盤が緩み僅かなきっかけで崩れるおそれがあるとして壊れた住宅などには近づかないよう注意を呼びかけています。
大きな被害を受けたこの八木地区を含めた安佐南区と安佐北区の避難所には合わせて2200人を超える人が避難しています。
避難している人たちは長引く避難生活に疲れや不安な様子を見せていました。
このほか、広島市ではおよそ700世帯が停電しているほか300世帯以上が断水しています。
一方で支援の輪も少しずつ広がってきています。
広島市内ではボランティアを受け付けるボランティアセンターが設置されました。
被災した人たちの義援金の受け付けも、きょうから始まっています。
災害から3日目の夜になります。
住民たちは先の見えない不安な気持ちの中で過ごしています。
以上、現場からお伝えしました。
災害の発生したあとも雨がありましたしなかなか捜索も思うように進まない現状があるということですね。
菅井さん、大気が不安定な状態が多くなっていまして油断できない状況というのが続きますね。
今夜も各地で雨が降っています。
現在の状況を雨具もレーダーでちょっと見てみたいと思うんですけども。
こちら気象庁のホームページから見ています。
よく見ますとですね、赤や黄色発達した雨雲が北日本、それから関東の北部などにあるのが分かります。
これは、ちょうど今の状況ということで
日本海側もかなり…。
各地、点在していますよね。
こうした情報はホームページでも見ることができますしたとえばテレビのデータ放送などでも見ることができますので見方をふだんから知っておくといいかもしれません。
それから最新の情報なんですけど午後8時までの1時間に栃木県内で1時間で50ミリ以上の非常に激しい雨を観測していると。
そして、こちらは青森空港の今の様子ですけど。
やはり北日本ちょっと雨が強まっています。
雷も恐らく今、雷鳴だと思いますが…。
青森空港の様子です。
そして、もう1か所です。
北海道の小樽市内ですね。
こちらのほうが雨が強いようですね。
かなり路面にたたきつけるように降っている様子が分かりますね。
あしたにかけてもこのように北日本西日本にかけて広い範囲、大気の不安定な状態が続きますので局地的には非常に激しい雨が降るおそれがあります。
2014/08/22(金) 19:45〜20:40
NHK総合1・神戸
NHKスペシャル「緊急報告 広島 同時多発土砂災害」[字]
広島市を襲った局地的豪雨。山麓の様々な場所で土砂災害が発生、多くの命が奪われた。なぜ局地的な豪雨が降ったのか、被害は未然に防げなかったのか。今後の手だてを考える
詳細情報
番組内容
日本列島を襲った局地的豪雨。20日未明から豪雨に見舞われた広島市では山のふもとのさまざまな場所で土砂災害が発生し、多くの命が奪われた。広島市は平成11年、25年と相次いで土砂災害に見舞われ対策が進められてきた。それにも関わらず今回、同時多発的に発生した大規模土砂災害。なぜ局地的な豪雨が降ったのか。被害は未然に防げなかったのか。さまざまな角度から土砂災害を検証し、今後の災害を防ぐための手立てを考える
出演者
【ゲスト】政策研究大学院大学特任教授…池谷浩,【解説】菅井賢治,【キャスター】瀧川剛史
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
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