(ロシュフォール)このようなことになり申しわけございません。
(リシュリュー枢機卿)その言葉聞きあきたわ。
(男1)リシュリュー枢機卿ごきげんよう。
(リシュリュー)いらっしゃいませ。
(男2)最高のパーティーですな。
(リシュリュー)これはこれは。
楽しんでおられますか?
(女)もちろんですわ。
うん?
(ポルトス)おれおどってこようかな?
(アトス)プハ〜ッ!おどれるのか?見たことない?おれとおどった女はみんなイチコロだよ。
三銃士の諸君元気そうでなにより。
枢機卿こそお変わりもなく。
今夜は…楽しんでいってくれ。
フッフッフッフ。
相変わらずうす気味悪いヤロウだ。
(コンスタンス)みなさんダルタニアンは?
(アラミス)まだもどってきてません。
首かざりが見つかったらすぐにお伝えします。
だいじょうぶ。
きっと見つかるよ。
お願いします。
(アンヌ王妃)どんな様子ですか?もうすぐ首かざりはとう着します。
ご心配なく。
(ルイ13世)王妃!とってもと〜ってもきれいだね。
ありがとうございます国王陛下。
しかしながらわたくしの目のさっ覚でしょうか。
王妃は国王陛下からいただいた12個のダイヤのついた首かざりをつけていらっしゃらないようにお見受けしますが。
本当だ。
余はあれをつけたすがたが見たかったのに。
王妃これはどういうことでしょうか?まさか手もとにないというのでは?そうなのか?それは…。
(コンスタンス)そんなことはございませんわ。
あれは陛下からいただいたたいせつな品。
人前でつけてぬすまれるようなことがあったらたいへんだと王妃はそうお考えになられたのです。
そうですよね?そのとおりです。
そこまで大事に考えてくれていたんだね。
ご安心ください。
この舞踏会に人様のものをぬすむようなやからは一人もおりませぬ。
すぐに部屋にもどってつけてこられますよう。
待っているよ。
ではすぐにもどります。
首かざりがとどきしだいおむかえにあがります。
コンスタンス生きたここちがしません。
ダルタニアン!
(ダルタニアン)すごいやすごいや!
(プランシェ)ウワ〜ッ!はなやかなパーティーだな〜。
何のんきなこと言ってるんですか。
え?首かざりは?それが…どこをさがしてもないんです。
どうなってるんだ!?プランシェがとちゅうで落としてそれをケティにうばわれてそれで屋根の上で争ってる間に…。
どっか行っちゃったってか。
はい。
早く見つけ出さないと…。
ウキキキ〜…。
(マンステール)あ〜ああ〜あ…。
(アラミス)少なくとも向こう側の手に落ちたわけではなさそうだ。
うん。
マンステール。
(マンステール)おおっ!まずいですよ。
ロシュフォール様に殺されます。
あなた方本当に首かざり持ってないんですか?持ってたらこっちだってもっと楽しく酒飲んでるよ。
はあ〜。
・
(ロシュフォール)マンステール!ただいま!まずいよな〜。
おなかいたい。
首かざりは?ただいま親衛隊を総動員してパリの街をさがしております。
なんとしてでも見つけ出せ!
(ミレディー)いいんじゃない?もう。
そうはいかん!必ず見つけ出すのだ。
三銃士たちよりも早く。
かしこまりました。
まじめな方々ね。
ごあいさつしてきま〜す。
あら!ボクノセイ…。
あんまり気にするな。
落ちこんでるの?先帰ってねてれば?ウキッソウシマス…。
はっ!ミレディー。
また会ったわね。
よくもこんな所へ顔を出せたな。
あら失礼しちゃうわ。
わたしだって宮殿に仕える身ですのよ。
許さん!ダルタニアン国王陛下もいらっしゃる。
だけど!かかわるな。
時間のむだだ。
すぐに出てけ。
ごじょう談でしょ。
ここはおまえのいる場所ではない。
悪いことは言わんから出ていけ。
アッカンベ〜。
パリの地図を持ってきました。
よし。
これを使ってプランシェのたどった道を確にんしよう。
(ミレディー)考えてみたらこんな情けない光景もないわね。
王妃のうわ気のしりぬぐいをさ大の大人ががん首そろえてさ。
トレヴィル隊長。
(トレヴィル)せいだいな舞踏会だのう。
あ〜フッフッフッフ…体がうずくわい。
フォウ!
(三銃士)おお〜!おどりは得意なんですか?得意なんてもんじゃないよ。
見ておれ!フォウ!
(アトス)おっ今どきだ。
(ポルトス)すごいすごい!やるな!つかれた〜。
はあ〜。
いやいやそれにしても重い。
このせいで首が…アイタタタ。
トレヴィル様!なんだ?そのネックレスはいったい?ああこれか。
不思議なこともあったもんでさっき馬小屋におったらな空からふってきおったんだ。
ダルタニアン!まさか!王妃の首かざりです!あんたが持ってたのか!うわ〜っ!おれが見つけたんだよ!おれが見つけた!
(ポルトス)ジジイはなしやがれ!おれたちがさがしていたのはこれなんです。
なんだと?
(アラミス)これこそが国王陛下が王妃にプレゼントした12個のダイヤのついた首かざりです。
(トレヴィル)これが?
(ポルトス)ふつうピンと来るだろう。
だっておれアクセサリーとしか聞いてないから。
貸してください!
(トレヴィル)なんだよもったいねえなあ。
ウフフ…。
これを大しきゅうアンヌ王妃に。
かしこまりました。
(トレヴィル)結果的にはおれのおてがらってことになるの?
(ボナシュー)コンスタ〜ンス!話があるんだ。
後にしていただけますか?おれ名誉市民に選ばれたんだよ。
たらいでドーバー海峡わたったのを評価されて表しょうされたんだ。
おめでとうございます。
あっ。
あら失礼。
ウッフッフッフ。
(ボナシュー)イッヒッヒッヒ。
で今度イギリスにも招待してくれるっていうんだ。
無料でな。
おまえもいっしょに行こう。
わかりました。
はっ!たいへん!手に入れたわ。
結局最後に笑うのはミレディーってことよ。
よくやった。
べつにあんたのためにやったわけじゃないわ。
貸しなさい。
いやよ。
枢機卿にご報告を。
わたしが手に入れたんだから。
おじょう様おどっていただけませんか?は?お願いいたします。
さあさあさあ。
あ…。
どうぞこちらに。
・「タッタララタッタンタンタラララ」ホ〜!ヘッヘッヘッヘ。
ふんっ!あ〜あ〜あ〜!・「タ〜ララン」キャ〜ッ!回って回ってそ〜れそ〜れ!あ〜っ!ハッハッハ!はっ!
(一同)おお〜!
(はくしゅ)どうぞこれを。
いただき!しまった!おさがしのものはこちらで?ありがとうございます。
さあ早く王妃のもとへ。
はい。
やるじゃねえか。
おれのおどり見た?ダンススクールを開いたらどうだ?ハッハッハ。
たらいこぎます!こうしてこぎます。
リシュリュー様。
これはこれはボナシューどの。
実はわたしこのたび新記録を樹立いたしましてね。
君はおもしろい顔をしているね。
失礼じゃないかね!ボナシュー口をつつしめ。
国王陛下だ。
ひえ〜!ご無礼いたしました。
今日は楽しんでいってください。
ははあ〜。
実は国王陛下ボナシューはこのたび表しょうされまして…。
(人々のざわめき)
(ルイ13世)なんだろう?ボナシューが見てまいりましょう。
あの男は変なにおいがする。
ふろに入るように言いなさい。
きずつけないようにね。
ははあ〜。
アンヌ王妃です。
もどってこられたようですよ。
そうか!行ってみよう。
はい。
(はくしゅとかん声)
(女1)お美しいですわ。
(女2)すてきな首かざり。
国王陛下いただいた首かざりをつけてみました。
すごいよすごいよ!想像以上に似合ってる。
みんなこのダイヤの首かざりはね余が王妃にプレゼントしたんだよ。
余が自分で選んで買ったんだ。
(はくしゅ)この首かざりには多くの人々の思いがこめられているのです。
だからより美しくかがやくのでしょう。
ね?コンスタンス。
はい。
とってもきれいだよ。
王妃おどろう!ウルシャイダンス?はい国王陛下。
ロシュフォール!
(ルイ13世とアンヌ王妃の笑い声)無事お役目終りょうだな。
そのようだ。
ダルタニアン今回の殊勲賞はおまえさんだ。
ぼくはべつに…。
たまにほめてやってるんだからすなおに喜べ。
はい。
(パトリック)はいはいはいどうも。
パトリックさん。
ごぶさたしておりやす。
枢機卿というのはどの方でしょうか?どうぞこちらです。
ああどうも。
どうもすいません。
最悪の結末だ。
結局国王と王妃のきずなが深まっただけではないか。
失礼します枢機卿。
こちらロンドンからお見えになったパトリックさんです。
パトリックと申します。
バッキンガム公に仕えておりやす。
これはこれは遠いところをはるばる。
ではぼくは…。
いやいや。
それにしても枢機卿はすばらしい部下をお持ちですな。
…と申しますと?
(パトリック)ダルタニアンのことでございますよ。
まだお若いのにたぐいまれなる勇気とちえをお持ちだ。
バッキンガム公もほめておられました。
身に余るお言葉。
ダルタニアンパリへ来てからのいちじるしい成長ぶりわたしもうれしいぞ。
ありがとうございます。
さて本日うかがったのはほかでもありやせん。
先日バッキンガム公からダイヤを2個ぬすんでいった女がおりまして。
もろもろの証言からそれがおたくの…あ〜っ!ミレディーさんという女であることがほぼ確定したわけであります。
なんですと!?ミレディー!チッ!またお会いしましたな。
いやだまたあんた?バッキンガム公のダイヤをぬすんだのか?身に覚えがございませんわ。
そう申しておりますが。
犯人はミレディーです。
まちがいありません。
何言ってるの?おぼっちゃん。
ミレディーがやったという証こがあるのですか?それが残念ですがございやせん。
失礼してよろしいかしら?いやただ気になることがありまして。
はたしてなくなったダイヤはどこへ行ったのか。
女性が犯人の場合どんなに身のきけんを感じてもダイヤというものはなかなかすてることはできないもんでやんす。
ひょっとしたらまだ手もとに持ってるんではないでしょうか。
そう思って見るとそのポケットのふくらみがみょうに気になって気になって。
お手数ですがポケットの中身を見せていただけますか?頭が切れるのね。
(人々のおどろく声)ロンドンまでご同行いただけますか?待って。
すべては枢機卿に言われたことなの。
うん?この人がぬすめってわたしに命令したの。
それが本当なら一大事。
なんの話かさっぱりわかりません。
バカ言いなさい。
あんたが言ったんじゃないの!王妃が国王陛下からもらったプレゼントをバッキンガム公にあげちゃって三銃士がそれをロンドンに取り返しに行くからその前にぬすみ出せって。
あら言っちゃった。
ごめんあそばせ。
待って。
それはどういうこと?国王陛下残念ですが全部本当の話なんですのよ。
(リシュリュー)うそでございます!現に陛下がプレゼントした首かざりは今ここに王妃のむなもとにございます。
そうですね王妃!ええここに。
ミレディー!いいかげんな話をでっちあげるものではない!ダルタニアンこの女をつかまえるのだ!はい。
てめえらどいつもこいつも許せねえ!わたし一人を悪者にしやがって。
じょう談じゃないわ!うん?なんで!?もういい。
わたしは負けないわ。
ダルタニアン今に見てらっしゃい。
ポルトス。
ダンスお上手なこと。
アラミスに神のご加護を。
アトス愛してるわ。
アデュー!なんだったんだ?いったい。
わすれましょう。
さあまだ夜は長いですぞ。
うん!楽しもう楽しもう!
(ロシュフォール)ミレディーおそろしい女です。
いやわたしがおそれているのはむしろダルタニアンだ。
(ロシュフォール)ダルタニアン?
(リシュリュー)あの若さですでにアンヌ王妃の信任を受けバッキンガム公にしたわれそして今国王陛下の心をもつかもうとしている。
しょうらいわれらの前に立ちはだかるのはあの男かもしれん。
きけんな芽は若いうちにつんでおいたほうがよさそうだな。
(ルイ13世)だんだん上手になってきたぞポメラニアン。
ダルタニアンです。
ああそうだった。
フフフ…。
コンスタンス!ダルタニアン。
コンスタンスから話は聞いた。
このたびの活やくみごとであったぞ。
ありがとうございます。
ほうびをとらす。
ほうび?銃士見習からしょう格だ。
え?じゃあ四銃士ってこと?四銃士はまだ早い。
平銃士に取り立ててやろう。
平銃士?よかったわね。
おめでとう。
あの銃士見習と平銃士ってどうちがうんですか?そうは変わらねえけどな。
なんなんですかじゃあ!大事なのは気持ちだ。
君は見習いからわれらの仲間になったんだ。
仲間。
そう仲間だ。
はい!よし例のやつやるか!
(2人)おう!待ってください!
(一同)一人はみんなのためにみんなは一人のために。
・「勇気を出して振り返ってごらん」・「そこにはきっと君の仲間がいる」・「あの時、ずっとそばにいてくれたね」・「それが君の永遠の友達」・「あの時、最後まで待ってくれた人」・「それが君の永遠の仲間さ」ダルタニアン!覚えてらっしゃい。
このままじゃ絶対終わらせないわ。
本当に見たい番組を視聴者が決める企画オーディション番組…
2014/08/22(金) 00:00〜00:20
NHKEテレ1大阪
新・三銃士[終]「波乱の舞踏会」[字]
アレクサンドル・デュマの傑作「三銃士」を、脚本家・三谷幸喜が連続人形活劇として新たに脚色。青年・ダルタニアンが一人前の銃士として成長していく物語。その第二十話。
詳細情報
番組内容
アレクサンドル・デュマの傑作「三銃士」を、脚本家・三谷幸喜が連続人形活劇として新たに脚色。青年・ダルタニアンが三銃士たちと出会い、一人前の銃士として成長していく物語。その第二十話。舞踏会当日になっても、王妃のもとにダイヤの首飾りは戻らなかった。宮殿を目前にして、ダルタニアンから首飾りを預かったプランシェがケティと争っている間になくなってしまったのだ。手分けして探し始めるダルタニアンたちだったが…
出演者
【声】池松壮亮,山寺宏一,江原正士,瀬戸カトリーヌ,田中裕二,高木渉,戸田恵子,貫地谷しほり
原作・脚本
【脚色】三谷幸喜
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
ドラマ – その他
趣味/教育 – 幼児・小学生
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