カンブリア宮殿【食を支える13万人!本物が、本物の人材を作る】 2014.08.21

パリ市内にちょっと変わった店がある。
それが日本人女性が経営しているこちらの店。
小ぶりながら常連客で賑わっていた。
魅力は他では味わえない料理だという
例えばこちらは表面に香ばしいゴマを散らして軽く火を通した…
その味付けは…
奥の厨房をのぞくと…
次々に舞い込む注文を孤軍奮闘でこなす女性が
2年前念願のパリに出店。
最近では雑誌に取り上げられることも増え夢が広がり始めた
こちらのかわいらしい盛りつけも人気メニュー。
和の要素がきらりと光る他にない料理だ
川崎さんが斬新なメニューを生み出せる秘密は料理を学んだ学校にあるという
彼女が出たのは…
料理界で知らぬ者はいない
今や日本中うまい料理があるところに辻調の人材あり。
例えば伊勢湾に浮かぶこんな小さな島にも
島の市場で魚の競りに参加する…
この日はおいしそうなメバルを競り落とした
実は中村さん島で料理がうまいと評判のこちらの旅館の2代目
中村さん島にあがる地魚の味をどうすればより引き出せるのか研究を重ねてきた
この新鮮なメバルは身に軽く包丁を入れなんと生きたまま煮る。
このほうが魚の旨みはそのままに味がしみこみやすくなるという
辻調で鍛えた料理の腕で他にないうまい魚を出す。
これでがっちり常連客をつかんでいる。
そんな中村さん実はお父さんも弟も辻調の卒業生だ
その辻調の規模は驚くべきものだった
今年4月大阪城ホールに大挙して押し寄せる人たちが…
その数およそ4,000人。
実はこれ…
その舞台でなにやら厳かな雰囲気の儀式が始まった。
巨大なまな板の上にタイ。
それを直接手で触れず包丁とクシだけで捌いていく
実はこれ平安時代から伝わるおめでたい席で披露される儀式…
そして登場したこのダンディーな方が校長先生
料理人づくりに執念を燃やす…
大阪阿倍野の新名所高さ300mあべのハルカス。
そのほど近くに辻調グループの本拠地はある
おはようございます。
はいおはよう。
おはようございます。
おはようございます。
実は阿倍野のこの周辺まさに辻調の街。
10棟近いビルがすべて辻調の校舎なのだ。
その中心は…
ここでは1年間和洋中それぞれの料理をみっちり学べる
皆さんがよく知ってるパン粉ってあるよね。
パン粉つけてあげたらパン。
一方免許が必要なければ専門ごとに選んで学べるマスターカレッジという学校もある
規模も知名度も他を圧倒している。
いったい何が違うのか?
調理師免許の取れる専門学校で1年の最初に学ぶのがこちらの授業
そこで先生が始めたのは…
親指はこういう感じね。
学生のほとんどは10代
当然全員がまったくの素人だ
こんな学生たちがどう変わるのか?
この日行われていたのは…
約1年後2年生の…
テーマは桂むきだ
その差は歴然。
透けるほどの薄さ。
とにかく基礎をおろそかにしない。
これが一流を育てる
ここでちょっと気になる授業料
決して安くはない
しかしその金額に見合うものがあるという。
例えば毎朝配達される…
徹底的に鮮度にこだわった高価なものばかり。
こちらは…
手長エビです。
生きたまま持ち込むため輸送方法もさまざまな工夫がされている。
学生たちが初めて触れる食材だからこそあえて品質のよさにこだわる
この日開かれていたのは辻調の学生限定の会社説明会
やっぱり一番はこんな人たちと働きたいなとかこの人たちみたいになりたいなとか。
集まった名だたる有名ホテルのリクルート担当者が熾烈な勧誘合戦を繰り広げていた
ホテルの評価を左右するレストランの人材だけに担当者も真剣そのもの
そんな辻調専門学校としては脅威の…
そこまでの人気の秘密はどこにあるのか?
ここは都内屈指の高級フランス料理店
辻調の人材はどうなのか?
この店で聞いてみた
厨房を任される…
まずシェフのサカベですね…。
コジマとシミズ。
あとあの2人が。
そこにいるトチギ君も。
みんな辻調の卒業生だ。
とにかく辻調の人材は…
そんな学生たちのレベルの高さを誰でも味わえるのが3月に開かれるあるイベント
なぜか館内はすし詰め状態
実はこの日は1年間の成果を見せる学園祭
(一同)よろしくお願いします。
おいしい料理が格安で食べられるとあって学生の家族や一般客が多く押し寄せる
教室をいろんな店舗に改装し実際の営業さながらのサービスで料理が提供される
こちらは本格的会席料理の店
格安で贅沢なコース料理が味わえる
お椀を開けると…
うわすごいふわっとしてる。
ふわっとしてるね。
更にこちらはイタリアンの店。
学生たちが作ったナスのデザートが人気を呼んでいた。
学生の両親も
両親もびっくりするほどの激変ぶり
さまざまな卒業生が料理界を支えてる辻調グループでしたがこれくらいの規模の料理学校っていうのは珍しいんですか?辻調くらい。
規模的にいうと世界でたぶんダントツ1位を誇ると思いますけども。
先生はどれくらいの数いらっしゃるんですか?多いですよね。
そうですね。
先生がですか?卒業時にはこれくらいのレベルの生徒さんになっててほしいみたいなそういうのはあるんですか?料理の勉強の仕方?はい。
おもしろい。
何個作れるかとか。
何個作れるか。
だからそういう人材を輩出されてるわけなんでもちろん世界で超一流のシェフになる人もいるでしょうしそれから自分で旅館を経営して庶民的といえば庶民的なお煮付けを出す人もいるわけですよね。
こういう人材を育てるっていうことではなく幅が広く。
共通してるのは料理について…。
こだわりを持ちたい人。
こだわりを持って道筋とかを考える考え方を知った人材ってことですよね。
辻調の教育への考え方を象徴する場所がある。
それがこの店
ありがとうございます。
ありがとうございました。
お暑いなかありがとうございました。
店内は大盛況。
売っているものはおいしそうなケーキだ。
しかもどのケーキも200〜300円とお買い得な値段。
もちろん常連客をつかんでいた
でもこの店普通の店とはまったく違う目的で運営されている
始めます。
おはようございます。
(一同)おはようございます!
実際の店までつくって学生にシビアな経験をさせる。
そこに辻調の秘密が。
このあとはど素人の…
これが超実践主義の現場だ
辻調がわずかな期間に即戦力を育てられる秘密がこのビルにある
ところが中にはなぜか…
昼どきの賑わう店内。
出てきたのはハモの料理
一方通路の奥に広がっていたのは…
実はこれらの店すべて学生の授業のため本物の店さながらにつくられた…
そこで行われるのが…
この日料理長を担当するのは橋君。
すべての料理の段取りからサービスのタイミングまでリーダーとして指示を出す。
一方客席で料理を待つのはお客さん役の学生たち。
実習では店側と客側のチームが毎日入れ替わりながら1年間訓練を続ける
客からの注文が入り調理が始まった。
最適の温度で提供するにはどの順番で調理するのがベストなのか?人の配置をどう変えていくのか?
実践そのままの段取りを計算しながら料理も作る
出来上がったのはエビチリ。
ところが
段取りがよくても味がダメなら意味はない。
実はここからがこの実習の見せ場。
料理がふるまわれるや…
そんな下に溜まってるの?
容赦のない料理への批判
あえて答えを言わず考えさせる
問題点を自ら考え言葉にすることが重要だという
どのタイミングでっていうそれの連係。
辻調はそんな実践にこだわり抜いた実習を繰り返すことで自ら考えることのできる即戦力の人材を作り上げていく
知らない世界だからちょっとおもしろいですよね。
考えさせるわけですね。
僕なんか持ってた疑問が1つ解けたような気がするんですけど。
それは結局昔こういう学校が出来る前必ず徒弟制度があってですね1年間くらいジャガイモの皮剥いててその間に何か覚えろっていうような態度で。
で2年目に何かやらせてもらって3年目に…とかっていうようなことよくいうんですけどでもそれを翻訳すると自分で考えるってことですからね。
結局これが本物なんだよって教えるのが僕は教育として簡単だと思うんですよ。
簡単ではありませんが割かしイージーかなと思うんですよ。
実践にこだわる辻調はフランス・リヨンに驚くべきものを作っていた
郊外へ30分。
並木道の先にあるのが
古い城を買い取って作った…
ここはまさに本場の環境に囲まれて質の高いフランス料理を学ぶための学校
環境が本物ならフランス料理の食材も本物。
こちらではウズラを捌いていた
更に学びの場で使うのは
(フランス語)
原則フランス語
学生たちはここでフランス料理の厳しいシミュレーション実習に明け暮れる
そんな本場での教育を追求したのが…
27歳のとき調理師学校の設立を決意し退職
その後辻は本格的な…
膨大な量の歴史的文献を集めその奥深い世界の体系化に着手する
これは1963年に辻が買ったミシュランのレストランガイド。
そこに残されている日程表には訪問した店の名前がびっしりと記されていた。
辻は最高の教育を目指し…
そして今そんな辻静雄はフランスで圧倒的な評価を得ている。
50年近く三ツ星を維持するフランス料理の最高峰…
その壁には歴史上フランス料理の発展に大きな功績を残した伝説のシェフたちの姿が描かれている
そしてそのなかの1枚に辻静雄が描かれていた
そんな辻静雄最大の功績は世界にフランス料理の奥深さを知らしめたこの巨大な本にある
そこにあるのは本物のフランス料理とはいったい何なのか追求し続けるすさまじい執念だ
今日は辻静雄さんが書いた巨大な本を持ってきていただきました。
フランス料理の研究本なんですけどちょっと…。
傷つけないように。
言語に絶するような本ですよ。
すごいですねこれはねこの厚み。
どうしてお父さまここまで。
これトリの…。
トリの捌き方ですね。
それがどのような料理につながっていって…。
いやぁ…。
これ書いた人フランス人にもいないんですよね?お父さまって辻さんにとってはどういった存在といいますかどういった方だったんですか?え〜…。
厳しい方でした?でも考えて食べてもおいしいものはおいしいんでしょ?なんか聞くところによるとですね芳樹この料理作ったシェフっていうか料理人は何歳か考えて答えてみろとかって言われたらしいですね。
あっそうなんですか。
わかります。
世界で勝てる料理人をつくれ!
そして向かった1日1組しか客を入れない店の秘密とは?
ナリサワフロムトウキョウインジャパン。
世界のベストレストラン50で過去4回アジア1位に選ばれた日本人…
南青山に構えるレストランNARISAWAのオーナーシェフとして自然をメインテーマにした斬新な料理で世界を驚かせてきた
まさにそのメニューは料理の概念を超えたものばかり
こちらは世界の度肝を抜いた本物の土から作ったスープ
そんな料理界の最前線で新たな地平を切りひらく成澤シェフも実は…
もっとも大切にしているのは考え抜くことだという
新たなステージに進む料理界。
そんななか辻は教育カリキュラムの見直しに取り組んでいた
辻が目指すのは自立し自ら新たな世界を切りひらける人材づくり
カリキュラム改革のヒントを得るため辻は新たなチャレンジをする卒業生を訪ね歩いている
やってきたのはいわき市の住宅街にある店
普通の一軒家に見えるこの建物が卒業生のレストランだ
よろしくお願いします。
はじめまして。
実はこの店には驚くべきルールがある
このユニークなスタイルにたどり着いたきっかけは震災にあったという
萩さんたった1組の客にもてなしを尽くすため毎朝よりすぐった農家を回りその日使う食材を一つひとつ集めている
そして出会った最高の食材を前に今日はどんな料理でもてなしをするか…。
食材と対話をするように考え抜く
地元いわきの食材の本当のおいしさを引き出した料理で大切な客をもてなす。
それが萩さんが見つけ出した新たなテーマだ
辻はひと回りも違う萩さんに最大の敬意を払いその価値観を探る質問をぶつけていく
新たな料理との出会いを繰り返すなか未来を担う料理人について辻は考え続けている
こうして卒業生を訪ねてお話を伺うというのは辻さんにとってはどういった意味合いをお持ちなんでしょう。
お聞きするととんでもなく難しいことですね。
大変なことです。
ものすごく乱暴に言うともっと自立したというかもっと自立できるような人材を辻調ではこれから育てていきたいんだというような理解で間違ってないですか。
あなたはこうこうこれが得意そうだからこれをやりなさいよと言うほうが一千倍くらい簡単ですよね。
でも世の中のたいていの学校はそういう考え方ですよね。
このあとは辻調の考える究極の料理。
その本当の意味
収録を終えて村上龍はこんなことを考えた
2014/08/21(木) 22:00〜22:54
テレビ大阪1
カンブリア宮殿【食を支える13万人!本物が、本物の人材を作る】[字]

ミシュランの有名店から大衆的な店まで、卒業生13万人が活躍!日本最大の「食」の教育機関、辻調理師専門学校を中心とした辻調グループの「学び」の極意とは?

詳細情報
番組内容
開校54年を迎える日本最大の“食”の教育機関、辻調理師専門学校を中心とした辻調グループ。国内からフランスまで14の学校を展開し、その卒業生13万人は、ミシュランの星をとる有名店から大衆的な店まで、世界中の飲食店で活躍している。日本の食を牽引してきた唯一無二の教育機関はいかにして作られたのか?辻調グループの知られざる「学び」の極意に迫る。
出演者
【ゲスト】辻調グループ代表 辻芳樹
【メインインタビュアー】村上龍
【サブインタビュアー】小池栄子
関連情報
【ホームページ】

http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/

【公式Facebook】

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サンプリングレート : 48kHz

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