(2014年9月10日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
欧州の自動車部品メーカーが、中国の自動車メーカーから排他的な供給契約に署名することを強いられたと訴えている。このような契約は中国の独占禁止法に違反しており、スペア部品の価格を押し上げたという。
こうした新たな告発は、中国規制当局が長期的に進めている独占禁止法に基づく調査の焦点となってきた、中国で事業展開する多国籍自動車メーカーに対する圧力を増大させることになるだろう。
2008年に施行された中国独禁法の施行責任を負う3機関の1つである中国国家発展改革委員会は、ディーラーが定める自動車、スペア部品、サービスの価格に自動車メーカーが影響力を振るおうとしたかどうか調査している。
100社以上が中国自動車メーカーの慣行に抗議
9日に北京で公表された在中国欧州連合(EU)商工会議所への報告書で、100社以上の自動車部品メーカーが「独立系アフターマーケットに対する正規部品の販売が概して自動車メーカーによって制限されている」と訴えた。
商工会議所の自動車作業部会は「(自動車部品会社に)課された制約は、独立系アフターマーケットでの消費者の選択を制限し、自動車メーカーに支配され、多くの場合高いプレミアムを乗せる店舗を選ぶか、模造品市場を選ぶかという選択を強いる」と述べた。
自動車部品メーカー各社はさらに、このような制約は独占禁止法で禁じられた「独占契約」に当たると述べ、同じような取り決めはEUによって禁じられていると指摘した。商工会議所の作業部会は、多国籍自動車メーカーの調達慣行は、2005年に発布された政府のガイドラインに沿っていると述べた。
「欧州の自動車メーカーと自動車部品メーカーは、2008年の独占禁止法と2005年の行政措置の間の矛盾について中国当局から明確な説明を受けることに共通の利益を持つ」と自動車メーカーの団体は述べた。
中国の国内企業と折半出資の合弁会社を通じて事業を行うことを義務付けられている自動車メーカーと異なり、外国の自動車部品メーカーは中国事業を100%所有することができる。報告書作成に携わったある自動車部品会社幹部は、排他的な契約を強いる自動車会社の社名を特定することを拒んだが、「これは広範に及ぶテーマであり、当局によって解決されることを望んでいる」と語った。
しかし、EU商工会議所が代表する企業の間の意見の相違が公表されるのは珍しい。これまでは、商工会議所は中国政府による最近の独禁法違反事件の扱いを公然と批判し、公的部門の改革に対する政府のコミットメントに疑問を投げかけていた。
商工会議所のヨルグ・ヴトケ会頭は、中国の成長率が鈍化し続け、中国の規制関連の調査や犯罪捜査の対象になる外国企業や外国人幹部が増えていることから、外国の対中投資の「黄金時代」が終わりを迎えていると警告した。
欧米企業による対中投資は今年1~6月期に前年同期比で18%減少し、日本企業の投資は前年同期実績の半分にとどまっている。「商工会議所の加盟企業は、市場が悪化していると見ている」とヴトケ会頭は述べた。